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お母さんが作った子供のための美術全集

「おはなし名画シリーズ」は、全20巻。
お母さんたちが子供のために作った画集ということで、子供の幼稚園で一冊ずつ購入しました。

絵本のような外見ですが侮るなかれ。とても綺麗な画集です。
そして、解説が子供にむけた文章なので、大人としての理解も深く入ります。

美大に通っていた頃、西洋美術史は眠ってしまったり、日本美術史はアルバイトで休んでしまったり・・・今からするとなんともったいないことをしたのか、と後悔しています。

ヨーロッパに美術史旅行に行った時は、教会と美術館廻りでした。
三位一体・・・これは〇〇をモデルとしています、という切っても切れない聖書やギリシャ神話などのお話。
エーゲ海クルーズに、ポンペイ遺跡にも不思議なものはありましたが。



やなせたかしさんの推薦文がありました。


「ぼくは絵の好きな子どもだったから、ちいさい時から父の書斎の美術全集を見て育ちました。しかし、それはみな大人用のものでしたから解説の文章は理解できなかったです。もっと画家の人間性そのものを知りたい。この絵を描いた人はどんな人だったかを知りたいのに、技術的な枝葉の解説が難解でした。この「おはなし名画シリーズ」は版も大きく絵も鮮明で、子どもはもちろん、大人が読んでも充分に面白くて、絵を見る楽しさと面白さが三倍になるとぼくは思います」



本当に!


子供に綺麗な色で画集を見せたい一心で、当時のことなので、
「お母さんたちがポジフィルムを美術館に借りにいき、作ったそうですよ。」
と園長先生が教えてくれました。

お母さんたちの熱意が素晴らしいです。
そして、私も読みました。子供にも。
今、わからなくてもいいから、とにかく、色に形に触れてほしい。
綺麗な本は記憶に残ると思いました。

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文章も、詩のような美しさです。

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ヴィーナスにつかえる
愛と美と恵みの女神たちが、
手をとりあって 春のおとずれを
よろこんでいるかのように
踊っています。
 女神たちの 手や足のうごき
波うつ髪の毛 からだにまつわる
透きとおる衣の美しさに、
人びとは ボッティチェリを
「線の詩人」と 呼びました。

美しい絵、美しい文章。
そして、どんな画家であったのか。

何度も読んでほしい絵本画集です。


全10巻
1、ゴッホとゴーギャン
2、ローランサンとモディリアニ
3、ルノワールとドガ
4、アンリ・ルソーとシャガール
5、ボッティチェリと花の都フィレンツェ
6、マリアさまの生涯
7、マネとモネ
8、平山郁夫のお釈迦さまの生涯
9、レオナルド・ダ・ビンチとミケランジェロ
10、ピカソ
11、セザンヌとスーラ
12、マティス
13、平山郁夫と玄奘三蔵
14、クレー
15、ミレーとコロー
16、ダリ
17、フェルメールとレンブラント
18、琳派をめぐる三つの旅
19、葛飾北斎
20、イエスの誕生と噂の壁画

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