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これは何だ?

いただいた時、

「あなたの好きなもので出来ている。」

と言われて、

「・・・???」

全く思い浮かびませんでした。

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「胡桃?」

「ちがーう。答えは、桃!」

なんと、桃の種から作られた茶筒でした。

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桃の種は材質が非常に硬く、それゆえに一旦研磨して光沢を出せば、

宝石のように美しくなる・・・。

そして、使い込むほどにさらに光沢を増すのだと言います。

7〜10年かけて乾燥させた桃の実を、ひとつひとつ手作業で割り、

長方形に切りそろえたものを加工するのだそうです。

丁寧な作業です。

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桃の種は、確かにこの形。

山形の鴨田貞作さんという方が工芸品に加工する方法を考案されたのだそうです。

よく見ると、小さな長方形が組み合わされているのですが、つなぎ目が分からず、

手で愛でても、引っ掛かりがないのです。

くるくると撫でているうちに、いっそう輝くような気がして、

お茶を入れたら、くるくる。

しまう時にも、くるくる。


桃は、中国では縁起物です。

大事にしていたら、いいことが起こりそうな気がします。

そして、桃は私が一番好きな果物。

夏が終わると、桃にはお目にかかれなくなりますが、

代わりに登場するのが、桃の種で出来たこの茶筒です。

寒い間、手のひらで愛でて、ぴかぴかにしてみせよう。

茶筒は、喜んでいるのかしら?

くるくるされるがままになっています。



書くこと、描くことを続けていきたいと思います。