見出し画像

『ルピナスさん』と花言葉

昨夜、noteでゼロの紙さんが、記事の中でルピナスについて触れられていた。
3月10日の誕生花はルピナス。
もしかしたら、それにちなんで書かれたのだろうか。
先ほど、お花屋さんの店先でルピナスを見つけた。
ゼロの紙さん。こちらに紹介させていただきます。


記事を拝見して、『ルピナスさん』という絵本を思い出したのだ。
大人向けであるような気もする、この本。
私の友人もこの本が好きで、埼玉にある鳥羽井沼自然公園の川島芳康ルピナス園まで行き、一面に咲いたルピナスに囲まれた写真を見せてくれたことがあった。


ルピナスさん(アリス)は、おじいちゃんから遠い国の話を聞いて、自分も遠い国に行って、おばあさんになったら海のそばに住みたいと思う。
その夢のためには、世の中をもっと美しくしなければばらない、とおじいさんとの約束をするルピナスさん。

大人になって働きはじめたルピナスさんは、世界中を旅してまわり、そのあとおばあさんになって海辺の小さな家に住むけれど、おじいさんとの約束は、まだ果たせていない。

「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいたい」

いったい何をすればいいのだろうか・・・。
痛めた背中の調子が悪くなり、寝て過ごすことも多くなっていたルピナスさんだったが、春になるとお散歩ができるようになるまで回復する。
そして丘の上に立った時にルピナスさんが見たものは……?

青、紫、ピンクの花を咲かせる華やかな「ルピナス」のイメージと、一人の女性の生き方を重ねて描きながら、「生きる」ということの意味を美しくしなやかに語りかけてくれるこの絵本。その目的を果たすためには何をしたらいいのか、そう考えていくだけで道はおのずと開け、前へと進む力がわいてくるのです。
                              (紹介文より)

ひょんなことで自分が撒いたルピナスの種が芽吹き、花咲き、そこから風や鳥が、種を遠くに運んでくれた。
ルピナスさんが、世の中を美しくする方法とは・・・。

3月11日は、東日本大震災が起きた日である。
海辺の復興は、なかなか進まない。
ルピナスさんの住んだ海辺と、東北の海。
海辺の町を想像していた。

長く通っているヘアサロンの美容師さんは福島県浪江町の出身で、行くたびにその状況を聞いていた。
年月が経っても癒えることのない悲しみを聞くたびに、誰かを失った悲しみを聞くたびに胸が痛い。

ルピナスの花言葉は、「想像力」「いつも幸せ」「あなたは私の安らぎ」。


世の中を美しくするとは?
美しいの意味を、癒しに近づけて考えてみる。
そのために少しずつでも出来ることは、なんだろう。


バーバラ・クーニー自身、40歳を過ぎてから世界各国を旅行するようになり、42歳と63歳の時にコールデコット賞(アメリカ最大の絵本賞)を受賞する。
『ルピナスさん』は、1982年クーニーが65歳の時に刊行したようだ。
そして、翌年に全米図書賞を受賞している。
人生後半に描いた絵本である。



この記事が参加している募集

書くこと、描くことを続けていきたいと思います。