素敵な宿題
「今日の宿題をこれから言う。
桜の花びらを、お母さんに届けること。」
男子校の数学の先生が、こんなロマンティックな宿題を出してくれた。
入学して、すぐのことだった。
難問を解かせるので有名な先生の宿題。
帰ってくるなり、
「はい。これ、あげる。宿題だよ!」
手のひらにのっていたのは、桜の花だった。
理由が何であれ息子に桜の花びらをもらうなんて、嬉しいに決まっている。
「これって、母がどう感じたとか書くの?」
「違うよ。ただ、渡すだけ。」
素敵な宿題だ。
答えがいらない宿題。
どのように考えても正解なら、素敵な解釈に。
それとも、先生からのプレゼントでもあるの?
いつも出している難問の一つ・・・なのかな。
書くこと、描くことを続けていきたいと思います。