【Vol.1】「原点」から「頂点」へ。マイクロフォーサーズのフラグシップモデル、「G9PROII」誕生。
こんにちは。LUMIX G9PROIIの開発チームです。
2023年10月27日、LUMIXはG9PROの後継機となるG9PROIIを発売します。
LUMIXの原点である「マイクロフォーサーズ」、そしてLUMIXの絵作り思想である【生命力・生命美】の原点となった「G9PRO」。
様々な想いと課題を抱きながら、約5年という時を経て、大きく進化したカメラが誕生しました。
こちらの記事では、G9PROから進化した点や、私達が具体的にどういった想いを持って開発に取り組んできたか。動画需要が高まる中、そして各社がフルサイズシステムに注力する中で、「なぜマイクロフォーサーズのスチルフラッグシップ機を開発したか」といった背景など、開発に掛ける想いや裏側について、全4本に分けてお話しさせていただきます。
G9PROIIを一言で表すなら・・・
このカメラを一言で表現するならば、「決定的瞬間を残すことができるカメラ」です。
例えばそれは、ご家族と過ごして見える瞬間的な表情だったり、素早く動く動物や乗り物だったり、その人により様々でしょう。
そんな「目で捉えることが難しい、過ぎていく一瞬を切り抜いて残せる」ことが、G9PROIIの一番の特徴かなと思います。
そういった意味では、このカメラは「幅広いバリエーションの写真が撮りたい人」「様々な瞬間を切り取りたい人」にとって良い味方になるカメラです。
決定的瞬間は一つではありません。先に話した動物や乗り物もそうですし、スポーツやスナップもそうでしょう。
「早く動く物」を切り取りたい。
二度とない「日常のワンシーン」を残したい。
それぞれが思い描く「決定的瞬間」を撮影するために最適な性能を実現したのが、マイクロフォーサーズのフラグシップであるG9PROIIです。
初代G9からの継承と、現代的な革新
G9PROIIを開発するにあたり、基本的なコンセプトはG9PROから変わっていません。
G9PROのキャッチコピーが「その眼に、その指先に、シンクロする。」でした。
これは「自分の身体にシンクロするようなカメラ」であることを象徴していて、それを当時の最適解として製品化したのがG9PROです。
そこから時代が変わり、技術革新も起きたことで、今出せる最適解、最大パフォーマンスも大きく変わりました。
G9PRO同様「一瞬を切り取りたい」という想いはそのままに、ソフト・ハードの両方でクリエイターの皆様の期待にどう応えていけるのかを追求したのが、G9PROIIです。
では具体的にどのような面で進化したのか。詳細は担当者からお話しさせていただくとして、こちらでは大きく「描写力」「機動力」の進化について、お話しいたします。
「描写力」とは、少し抽象的な話になりますが「感動を残せるか」を追求しました。
フルサイズやAPS-Cに比べて小さなセンサーサイズであるマイクロフォーサーズで、描写力をどこまで突き詰められるか。G9PRO当時も限界を目指していましたが、そこからもう一段、限界を超えていく必要がありました。
G9PROIIは、S5IIと同様新しいエンジンやセンサーを搭載し、「生命力・生命美」の始まりとなったG9PROの後継機に恥じない描写力を実現しています。
そして「機動力」。
LUMIXにはLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.やLEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH.など、ワイドから望遠まで撮れて、接写もできる、マイクロフォーサーズらしいコンパクトなレンズがたくさんあります
「高性能なレンズと組み合わせた最適なシステムをコンパクトに持ち運べる」と言うのが、G9PROIIの機動力の強みです。
それに加え、連写性能や認識AFも進化したことで、高速の被写体を正確に捉える性能も強くなりました。
なぜ、今、マイクロフォーサーズのスチルフラッグシップ機を開発したのか
まず、「G9PROの後継機を出して欲しい」との要望は、多くのファンの皆様から頂戴し続けていました。
フルサイズが主流になる中で、「フルサイズにはない、マイクロフォーサーズでしか実現できない魅力」があると、私達も考えています。
それが先ほどの話にもあった機動力・高速性の部分と私達も捉え、業界全体で動画需要が高まっている現代において「写真機として大幅進化したフラグシップモデル」とは何かを突き詰めていきました。
そして、マイクロフォーサーズユーザーのニーズに応えられるカメラが完成したのが、今このタイミングだったのです。
具体的には、像面位相差AFを搭載したセンサーの開発と、それを処理するエンジンを開発することに5年を費やしました。
G9PRO当時、ワイルドライフの撮影を訴求していましたが、当時のコントラストAFではまだまだ厳しいとのお声も頂戴していました。
今回、像面位相差AFが搭載されたこと、加えて動物の瞳認識や車・バイクなど乗り物の認識AFが追加され、とにかく動きものに強くなったことで、G9PROの課題をクリアできたと考えています。
「待望の後継機」を開発するにあたって
嘘なく言うと、プレッシャーはありました(笑)
と言うのも、G9PROはハイアマチュアからプロまで幅広い方に愛されているカメラだと、G9PROの機種リーダーから強く言われていました。
では、「どのようなカメラであれば、G9PROの後継機としてカメラ愛好家の方々に愛していただけるだろう」と、G9PROが愛されている理由を考えたとき、描写性能やAF性能はもちろんのことですが「カタログには表れない使いやすさ」にその理由があると感じたんです。
例えば、長時間撮影していても疲れにくいグリップ感や、初めて触った人でも直感的に扱える操作体系、そして被写体を捉えてから撮影し記録されるまでの流れ、一連の動作が馴染み良くて、愛されているんじゃないかなと。
そんな魅力をG9PROIIでも引き継いでいき、伝えていきたいという想いで開発してきました。
とは言いつつ、ご覧いただいても分かるとおりG9PROIIはG9PROからかなり外観が変わっていまして(笑)
G9PROは個性的な外観も魅力の一つと思っていますので、現在ご使用いただいている方々には「G9PROIIをG9PRO後継機と捉えていただけるか」という不安も感じています。
しかしそれ以上に、後継機として進化するためにクリエイターの声を聞きながら様々な要望を反映し、この数年の技術革新も踏まえ、最適解にこだわり開発できたカメラだと、胸を張って言える仕上がりになっています。
こだわった進化点
マイクロフォーサーズのスチルにおけるフラグシップということもあり、先ほども話にあった「機動力」は特にこだわっています。
具体的には、像面位相差の搭載と進化した認識により、AFの正確性と高速性は大幅にG9PROから向上しています。
また、AFCのメカシャッターであれば10コマ、電子シャッターであれば60コマ、絶え間なく連写することができ、一瞬一瞬を逃さず切り取ることができます。
何度も話に出ていますが、この「一瞬を切り取る」というところに本当にこだわりました。
また、G9PROから始まり、今も私達の思想になっている「生命力・生命美」を体現する「描写力」も、もちろんこだわっています。
今回追加された機能だと、フォトスタイルに「LEICAモノクローム」が追加されました。そして、S5IIから搭載されている「リアルタイムLUT」も、マイクロフォーサーズ機で初搭載となります。
これらの追加により、クリエイターの表現の幅も大きく広がっていきます。
他にも、手持ちでの望遠撮影や動画の歩き撮りにも対応できるよう手ブレ補正が進化し、熱望されていたライブビューコンポジットやハイレゾモードも搭載され、より高い次元でクリエイターの皆様が創作活動をできるカメラとなっています。
この進化はぜひ一度手に取っていただき、皆様にも体感していただきたいです。
(続きます)
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