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【LUMIX Ability】LUMIX G9PROIIの進化をピックアップ解説!

LUMIXの機能やカメラの基礎知識をお届けする連載「LUMIX Ability」。

今回は、2023年10月27日(金)に 販売を開始する「LUMIX G9PROII」について解説します!


はじめに

LEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2 ASPH. POWER O.I.S.
F1.2 SS1/640 ISO200
@Keng Chi Yang

G9PROIIは、鳥が飛び立つ瞬間や、家族や友人の表情など、ユーザーにとってかけがえのない「大切な一瞬を切り取る」ことをコンセプトに開発された静止画のフラグシップカメラです。

GHシリーズとの棲み分け

@Kazoo

現在のLUMIX Gシリーズにおいて、GH6は動画性能に優位性を持ったフラグシップモデル、G9PROIIは静止画性能に優位性を持ったフラグシップモデルとなります。

LUMIX G9PROからの進化

左:G9PRO
右:G9PROII

初代となるG9PROから進化したポイントをピックアップしてご紹介していきましょう。

センサー・エンジン

LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.
F4.0 SS1/400 ISO400
@Ken Tanahashi

G9PROには「20.3M Live MOSセンサー・ヴィーナスエンジン」が搭載されていましたが、G9PROIIでは「25.2M Live MOSセンサー・最新世代ヴィーナスエンジン」が搭載されています。

初代G9PROより500万画素アップで高精細化されたにも関わらず、センサーの飽和性能が向上されたため、ダイナミックレンジを確保しつつ高感度耐性も確保。

高精細なだけではなく、臨場感のある描写も実現しました。

像面位相差AF搭載

G9PROでは225点コントラストAFを搭載していましたが、G9PROIIでは像面位相差AFを搭載しています。像面位相差AFはLUMIX Gシリーズにおいて初搭載です。

315点のコントラストAFに加え、像面位相差センサーによる779点の測距で動く被写体を捉えます。

加えて、自動認識AFとの組み合わせで、逆光や低照度撮影での被写体が判別しにくいシーンや、複数の人が交差するシーンにおいても優れたAF追従性能を発揮します。

リアルタイム認識AF「動物瞳認識」

従来の「動物+人物認識」から「動物認識」を独立させ、さらに動物の瞳を認識してフォーカス追従する「動物瞳認識」を新搭載しました。

被写体の部位を「体」または「瞳・体」から選択できるので、動物の認識精度がさらに向上しています。

また、人物認識においてもネットワークを改善し、動きが激しかったり大人数の場合でも、一人ずつ認識する精度を向上しました。

リアルタイム認識AF「車認識・バイク認識」

モータースポーツの撮影に適した「車認識」「バイク認識」を新搭載しました。

被写体を高い精度で認識し続けるので、フレーミングの自由度が上がり、高度なテクニックが必要となるモータースポーツの撮影をアシストします。

新フォトスタイル「LEICAモノクローム」

LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
F1.4 SS1/500 ISO100
@Keng Chi Yang

モノクロ系フォトスタイルの中でもLUMIX史上初となる「LEICAモノクローム」が追加されました。LUMIXにおけるモノクロ系フォトスタイルはこれで5つ目となります。

LEICAモノクロームは比較的コントラストが強く、LEICA社の優れた階調表現をお楽しみいただけます。

LUMIXのモノクローム系フォトスタイルは、カメラ内で「粒状」を追加することも可能。モノクロフィルムの粒状感をベースに設計されており、フィルムライクな描写を体感していただけます。

S5II/S5IIXと共同開発したデザイン

左:S5IIX
右:G9PROII

センサーサイズの差に捉われずLUMIXが考える最適な操作性を共有するという考え方から、(マウントを除き)G9PROIIの外観部品は先に発売されているS5IIとほぼ同じ構成になっています。

直感的な操作を可能にするデザイン

現代における最高の操作性やボタンレイアウトを突き詰めて完成したのが、G9PROIIとS5IIです。

右手だけで操作が完結するボタンレイアウトやファンクションボタンなど、ファインダーを覗きながらの直感的な操作を可能としています。

S5IIからG9PROIIへ、デザインが異なる点は以下の通りです。

(1)マウント部が小さくなったことによりファンクションキーを追加
(2)ペンタ部には空冷ファンではなく、手ブレ補正を強化するジャイロセンサーを搭載

また、GHシリーズやS5などに採用されていた三角環においても、動画ユーザーからの要望や、昨今支持を得ている速写系のストラップの取り付けやすさなどの観点から、G9PROIIにおいても廃止しています。

手ブレ補正は脅威の「8段」

G9PROIIのペンタ部

G9PROIIではB.I.S.(ボディ内手ブレ補正)で8段(※1)、Dual I.S.で7.5段(※2)の手ブレ補正を実現しています。

「手ブレを検出するジャイロセンサー」を従来より高精度に検出するデバイスに変更し、アルゴリズムの見直しや置き場所を再検討することで、これまでより強力な手ブレ補正へと進化しました。

圧倒的な静止画性能

LEICA DG SUMMILUX 12mm/F1.4 ASPH.
F1.4 SS1/6400 ISO500
@Keng Chi Yang

G9PROIIは、マイクロフォーサーズの従来の強みである高速性能に加えて、描写性能も初代から格段に進化しており、スチルフラグシップとしての高い完成度を味わっていただけるカメラとなっています。

ここでは、多彩な表現を可能にする機能を3つご紹介します。

Gシリーズ初のリアルタイムLUT

LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
F11 SS1/20 ISO100
@Keng Chi Yang

S5IIで初搭載された話題の「リアルタイムLUT」がG9PROIIにも搭載されました。LUMIX Gシリーズ初搭載となります。

リアルタイムLUTは、自分好みのLUTをカメラに読み込んで撮影することで、撮影段階から自分好みの色味やトーンがカメラに反映される機能です。

自分専用のフォトスタイルを無限に生み出せるような機能で、色表現への可能性が大きく広がります。

また、撮って出しで自分好みの絵作りが反映されたデータが手に入るため、撮影後の編集作業を簡略化でき、SNSへの投稿や納品もスムーズに行えます。

手持ちハイレゾ

左:ハイレゾモードで撮影(手持ち)
右:赤線部を等倍拡大
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
F4.5 SS1/1600 ISO200
@三谷飾屋

ハイレゾモードを使えば最大約1億画素の高解像写真を生成できます。ハイレゾ撮影とは、連続自動撮影した画像をカメラ内で合成処理することで、高解像画像を生成できる機能です。

高速連写

LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.
F1.2 SS1/1250 ISO1000
@Kazoo

「瞬間を切り取る」というコンセプトに違わぬ連写速度を実現。メカシャッターにおけるAFC10コマ/秒はLUMIX史上初になります。

電子シャッター(AFC):60コマ/秒
電子シャッター(AFS/MF):75コマ/秒

メカシャッター(AFC):10コマ/秒
メカシャッター(AFS/MF):14コマ/秒

これらの連写速度は他社製レンズを使用した際にも、同様の効果を得られます。

また、バッファメモリが強化されたことにより、RAW+JPEG連写において最大撮影コマ数も大幅に向上されました。「連写中にバッファメモリがフルになり継続して連写撮影ができない」といった課題が改善され、スポーツや乗り物、動物など被写体が激しく動く撮影においても、決定的瞬間を逃さず撮影することができます。

どんな人に向いているカメラなのか

LEICA DG SUMMILUX 12mm/F1.4 ASPH.
F1.4 SS1/8000 ISO500
@Keng Chi Yang

ここまでは機能を解説しましたが、最後にどのような方や撮影シーンに向いているのかご紹介します。

決定的瞬間を逃さず撮影したい方

LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.
F8 SS1/800 ISO800
©A☆50/Akira Igarashi

進化した高速連写やAF性能を始め、あらゆる面で「決定的瞬間を切り取る」ことを念頭に開発されたカメラです。

乗り物や動物、子どもなど動きが早いものを撮影している方に向いています。

コンパクトかつ高い静止画性能のカメラをお探しの方

マイクロフォーサーズの魅力の1つはレンズを含めたコンパクトなシステムです。

小型軽量の望遠レンズも豊富なため、登山や旅行などで極力荷物を減らしながらも、本格的な撮影がしたい方におすすめです。

写真と共に手軽な動画撮影を楽しみたい方

G9PROIIは静止画のフラグシップ機ですが、進化した手ブレ補正により、手持ちでもジンバルを使用したような動画を撮影できます。

ファンが搭載されていないため過酷な環境下での長時間撮影には向いていませんが、写真を楽しみながらVlogにも挑戦してみたいという方のご期待には応えられるでしょう。


今回は、「LUMIX G9PROII」について解説しました!

LUMIX Magazineではカメラの知識や撮影技術、クリエイター視点の制作風景や、メーカーの「中の人」が語る開発裏話などを発信しています。

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※1 CIPA規格準拠。(Yaw/Pitch方向:焦点距離f=60mm(35mm判換算 f=120mm)、H-ES12060 使用時。
※2 CIPA 規格準拠。Yaw/Pitch 方向:焦点距離 f=140mm(35mm判換算 f=280mm)、H-FSA14140 使用時。
※3 従来機種DC-G9比 焦点距離12mm(35mm判換算:24mm)において、最大で約200%の大きなブレまで補正可能(交換レンズH-ES12060使用時)。

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