【Vol.2】ブランドの垣根を超えた利便性を実現する「3rdパーティアライアンスプロジェクト」の誕生背景
LUMIXの事業開発チームが語る、3rdパーティアライアンスプロジェクト誕生の背景や、立ち上げ活動の話。
本記事はそのVol.2です。
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プロジェクト立ち上げの壁
「他社様とアライアンスを組んでアクセサリーを開発していただく」と一言で申し上げましたが、各社と足並みを揃えながらLUMIXとして大手を振るってサードパーティ製アクセサリーをクリエイターのお手元に届けるには、少しばかりの苦労があったのも本音です。
どちらが悪いということでは決して無いのですが、海外のメーカーさんの場合、まずは価値観や企業文化が違います。例えば連絡一つ取るにしても、日本国内で期待できるような回答がすぐに返ってくる訳ではありません。
軽微な修正の要望に対しても進めやすいパターンや慎重に動いたパターンもあり、慣れるまでは大変でしたね(笑)
それに、立ち上げ当初は品質意識も弊社の考え方とは合っていなかった時もあり、製品を提出いただいては、LUMIXのチーム内で品質を確認して、大変恐縮ではありますがお戻しして・・・というやりとりが何度か発生していました。
例えばリグなんかはアルミの削り出しだったりするので、弊社の評価では「このままだと怪我しそうで怖いな」と感じるような箇所も一部あったり、お互いの品質意識を合わせこみながらチェックしていました。
何度もトライアンドエラーをしないといけない領域だと理解はしていたので「苦労」とは思いませんでしたが、「難しいな〜」とは感じていましたね。
とはいえ、品質保証として責任を持って保証できる製品にしないと、クリエイターの皆様や弊社の関連部門にもご迷惑をおかけしてしまうので、言うべきことは言いつつ、製品開発にお力添えをしていった形になります。
また、初めての取り組みだったので検証のスキームが確立されていなかったことも初めは苦労しました。
他社様が開発された製品に対して「どこまで検証してPanasonicとして保証する」のか。
弊社のホームページに情報を載せるので、品質保証としては隈なく確認をしていきたい気持ちは理解しつつ、とはいえ他社様の製品の性能をいつまでも確認していると時間も足りず、キリがない。
その線引きを決めるのにも苦労しましたね。
プロジェクトにおけるマーケティング的取り組み
BGH1において様々なアクセサリーを販売しましたが、販売会社からは「まだ販売が難しい」との声も上がりました。
というのも、普段販売している民生カメラに比べてボックスカメラは専門性もハードルも高く、アクセサリーと組み合わせて販売するにしてもそれまでに民生カメラの単体売りが主軸だったため、スムーズに販売へ繋げることが難しかったんです。
そこで、前述したような「動作確認」がされたサードパーティ製品をPanasonicのホームページ上でご案内することで、販売のハードルを低くしていけるよう、少しずつ現場の意識を変えていくことから始めていきました。
やはり公式から情報が出てるとクリエイターの皆様も検索して確認していただけるので、安心感に繋がっていたように感じています。
LUMIXではシステムチャートを制作していて、テレコンやバッテリーチャージャー、レンズキャップといった細かい物も含めたシステムをチャート化して提供しています。
ですが、BGH1に関しては特殊なカメラなのでGシリーズと同様のシステムチャートには組み込めないと当時判断し、BGH1独自のシステムチャートを制作することになりました。
しかし、自社アクセサリーだけでは足りず、具体的なチャートを作ることができなかったんです。
そこで、商品コンセプトでもある特殊な撮影、例えばドローンに乗せたダイナミックな撮影や、ライブハウスの天井に繋いでライブ配信するようなシステムを理解できるように、システムチャートから改善していくことにしました。
具体的な製品名を入れることができないため、製品のイメージデザインを入れ、カメラとどのように連携できるかをイメージできるよう制作していきました。
また、国毎で主軸となるサードパーティ製品も異なるため、それぞれのエリアから製品についてヒアリングし、国毎でシステムチャートを書き換えていきました。
この取り組みにより、クリエイターの検索による発見、販売店におけるシステムチャートを使ったご案内など、「クリエイターと情報の接点」が増え、購入の後押しになれたと考えています。
今後の展望
3rdパーティアライアンスプロジェクトでアクセサリー連携を推進しつつも、現時点でご提供している情報ではまだまだ不足していると認識しており、ユーザーが求める連携情報を拾いながら、これからも絶えずアップデートを継続していく必要があると考えています。
また、ファンの方々からは「LUMIXの純正アクセサリーを増やして欲しい」という声も、ありがたいことに頂戴しています。
私達としても「いつかはLUMIXからアクセサリーの拡充を」と考えていますが、様々な側面で課題がありますので、すぐに・・・とは言えませんが、今後はクリエイターの皆様に対してお手頃かつ高品質なアクセサリーをスピーディーにご提供できる環境を自社内でも整えられるよう、努力していきたい所存です。
また、民生カメラと業務用カメラの境が良い意味で無くなってきている時代ですので、どちらにおいても最適なワークフローをご提案できるよう、連携できるアクセサリーを増やしていけるよう、先を見据えて活動していきたいと考えています。
3rdパーティアライアンスプロジェクトを、より意義の高い活動にしきますので、ご期待ください。
Sシリーズ
Gシリーズ
ボックスカメラ
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