LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S. 【My Favorites #05】
こんにちは、光学設計部でメカ設計を担当している鮎川です。
いつもご覧いただきましてありがとうございます。
5月に立ち上げたLUMIX Lens Lettersも開設半年を迎えようとしています。日々たくさんの方にご覧いただけており、嬉しい限りです。
引き続きこのnoteでは、設計メンバ自らができるだけ「親しみやすく」「わかりやすい」を心掛け、設計ならではの目線を交えた作例紹介記事を充実させていきます。今後ともよろしくお願いします。
さて、設計メンバーのお気に入りレンズを紹介させていただく【My Favorites】のコーナー、今回は私のお気に入りレンズ、マイクロフォーサーズの大口径F1.2中望遠単焦点レンズ LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S. を紹介をさせていただきます。
このレンズは、ライカの厳しい光学基準をクリアした開放F1.2「NOCTICRON(ノクチクロン)」を冠したレンズで、通称ノクチクロンとしてご存じの方も多いと思います。
ちょうど数ヶ月前、ゼミ活動の中でLUMIX機材を使用してくださっている、関西大学総合情報学部長谷ゼミ様の映像制作現場にお邪魔させていただく機会がありました。そこでの見学やヒアリングをさせていただく傍ら、このレンズをDC-G9M2に装着し、活き活きと制作に取り組まれている学生さんたちの様子を撮影させていただきました。
実際に学生さんが撮影をされている様子です。
マイクロフォーサーズはボケが発生にくいイメージが強い方も多いかと思いますが、焦点距離85mm(35mm判換算)の中望遠と開放F1.2の明るさを活かすことで大きなボケを生み出すことができます。背景の情報量が多いような場面であっても、このノクチクロンの特徴でもある大きく柔らかいボケが被写体を一層引き立ててくれます。
やはりノクチクロンで撮影していただきたいのは人物・ポートレートです。
このレンズは私が4本目に購入したレンズになるのですが、人物撮影をがんばりたいという思いでこのレンズを手にしました。後ボケはもちろん、綺麗な前ボケも手軽に生みだすことができますし、諸収差を抑えたピント面のコントラストの高い描写からの自然なボケは被写体の立体感を感じさせてくれます。
この作例は学生さんがちょうど人物認識のデモをしていた時の様子です。
少し絞って撮影しており、背景に広がる綺麗な景色も活かせているのではないかと思います。ついついこのレンズは開放で使いたくなるのですが、背景を活かしたい場合やより解像感・ピント面の精細さを出したい場合には、少し絞って撮影いただくのも良いのではないかと思います。
またこのレンズには絞りリングが搭載されており、直感的な絞り操作ができるというのも魅力のひとつです。リングのクリック感が心地が良いのも私のお気に入りです。
物撮りとスナップの作例を紹介します。
これらの作例ではしっとりとした湿度感が表現できていると感じており、ご覧になった方にも伝わっていたら嬉しいです。
このレンズ自体も金属外装で高級感があり、私の所有欲を刺激している要素です。
最後の作例です。1枚目では玉ボケ、2枚目では逆光耐性と光芒をご確認いただけたらと思います。
開放での玉ボケは画面端になると若干の口径食はみられますが、ボケ自体はなめらかで、主題を邪魔をしないボケになっているかと思います。
光芒も18本の鋭く綺麗な線が出ています。余談になりますが、私は絞り設計も担当しているので、出掛けるとつい光芒の写真を撮ってしまいます。(ある種の職業病ですね。)
LUMIX Lens Lettersではこのように、ボケや光芒のでかたなど、仕様書には表れにくいスペックもなるべくお伝えできるようにと心がけていきますので、作例を通してレンズそれぞれの個性も知っていっていただけたらと思っています。
また、今回紹介させて頂いた作例なのですが、すべて、クマザワコータローさん作成のLUT「Powdery Snow」をあてて撮影をしています。人物を柔らかく美しく描写してくれるこのLUTと、人物・ポートレートを得意とするノクチクロンの組み合わせは“強い”です。
LUMIX Labのアプリで公開されているので皆さんも是非試してみてください。
今回の作例紹介は以上です。最後に1つお知らせをさせてください。
作例撮影にご協力くださった長谷ゼミの学生さんですが、昨年度もLUMIXを使用いただいて「カンダイでスタンバイ」という関西大学公認のPVを制作されています。こちらはDC-S5M2にF1.8単焦点レンズを中心としたシステムで撮影をされています。とてもかっこいい仕上がりになっていますので是非ご覧いただけましたらと思います。
これからも個性豊かな光学設計部メンバーが執筆する記事を、何卒よろしくお願いします。