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あの会話をキッカケに(2023)

10年勤めた職場を退職した2020年12月に
Facebookで書いたものを
noteにも書いておこうって思ったので
加筆して転記したものを
読みやすく修正しました✏️

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クリスマスが近づくと
必ず思い出す人がいる。
思い出してしまうが正しいな。

この先も忘れることはないかもしれないけど、
こういうことを書いたことなかったけど
書きたいなって思ったから書いてみます✏️
(書いたら何か変わるのかな?)

看護師になって5年目くらいの頃の話

患者さんは、
40代男性で士業の個人事務所を経営し
お仕事をされてる方で、
奥様と2人暮らしでお子さんはいなかった。

癌が見つかった時は、
手術適応外の状況。
「年越しは難しいかもしれないし、
もしくは、年越し出来るのは最後だろう」
というタイミングで⏰
ほぼ緩和ケア目的で個室に入院してた。

言葉数も少なく、基本無表情。
入院期間が長くなっても、
心を開かない感じで、
笑顔もないし、
必要以上のことを話す姿も見たことなかった。
奥様は毎日面会に来て一緒に過ごしてた。

酸素を吸ってると
「安心だから」
という理由で酸素吸入もしていたけど、
彼はクリスチャンだったので、
神父様がお祈りに来る時には
「外して欲しい」
って希望してきたりして、
信じるものがあるって
凄いんだなって思ってた。

クリスマス近くなった夜勤の時に訪室すると
奥様が部屋の中をクリスマスの飾り付けをして
可愛くしてた🎄

『可愛いですね〜、やっぱり凝ってますよね🥰
(クリスチャンは盛大に祝うイメージだったから)』
って、
奥様に話すと、
奥様も嬉しそうだったの覚えてる☺️
クリスマスは毎年色々飾ってたらしい🎁

『せっかくだから、外泊に行って
奥様と2人でクリスマスパーティー
してきたら良いんじゃないですか?😊
退院が不安だったら、外泊とか外出とか。
ベッドはいつでもあるし、
体調悪くなったら帰ってきたら良いですよ‼️』
って声をかけた。

奥様の希望も自宅だったし、
自宅に帰るのも最後のチャンスの時だったから。

例のごとく、
患者さん自身は笑いもしなかったけど、

その日
その時
その瞬間は

3人で話してる時の
ちょっとした表情の変化というか、
放ってる空気的なものだけど、
[今が言うチャンス]
な気がするって感じた。

次の日、残務で昼近くまでいたのかな〜?😅
奥様がナースステーションまで来て、
「あの後、主人から電話来て
退院するって言ってきたんですよ〜😊
ありがとうございます‼️」
って伝えに来てくれた。

外泊じゃなくて退院まで気持ちが動いたんだ⁉️
とは思ったけど、
退院する気になって良かったと思ったし、
良いタイミングだったのかなって
その時は思った。

すぐに退院も決まって、
クリスマスイブの前日か
当日くらいに退院して行ったと思う。

次に勤務に行ったら、
クリスマスの翌日自宅で亡くなって、
死亡確認のために病院に来て、
もうおかえりになられたことを知った。

そのことを知ってからは、

『余計なことしたかな?』
とか、
『あの時、あんなこと言わなかったら、
病院にいて年越しくらい出来たのかな?』
とか、
色々考えて
しばらく悲しみから抜け出せなかった。
毎日気が緩むと涙が出て
ふとした時に反省しては泣いてた。

それから、2ヶ月後ぐらいに
退院支援の看護師長さんが、
奥様が、
「全部落ち着いたのでお礼に」
って病院に来てくれた時の話をしてくれた。

実は奥様は、
ご主人よりも前に乳癌を患っていて
手術歴があったこと。
入院中、病棟の誰も知らなかったし、
いつも優しく笑ってて、
そんなことを感じさせない人だったから驚いた。

退院して、クリスマスをしている時に
「彼が、
"僕が君を看取ってあげるつもりだったのに、
僕が先に逝くことになってゴメンネ"
って言ってくれたんです」

奥様は、その話を、病院ではなくて、
家で2人きりで出来たことが
すごく嬉しかったし感謝してるって。

その話を聞いた時も泣いたし、
今でもこの時期に思い出しては涙が出る。
あれから、5年以上経っても
あの時の会話が、
結果的に奥様には良かったけど、
患者さん自身はどうだったのかな?
って考えるし悩む。

だけど、あの時の私には、

『これで良かったんだなぁ』
って救われた。

救われたんだけど、
私の看護が良かった!
とかそういう話では無くて。
(そう思ってた時期も、
烏滸がましいけど実際ありました🙏🙇‍♀️)

【終活】
って言葉もあるくらい、
終わりの時を
「自分がどう迎えたいか?」
も大事だけど、
残される側の想いも大事だし、
明日が来るのは当たり前じゃないから、

『大切な人ときちんと向き合って
話が出来ているのかな?』

『時間があることは幸せなことって
忘れてないかな?』

って、
思い出させてくれてるのかなと思う。

最後の言葉が悲しいもので無いように
大切な人に大切にしてるということを、
恥ずかしかったら、
たまにでも良いから、
きちんと言葉で伝えていきたい
☺️===========================

2023年 あれから
このことを勇気を出して
Facebookに投稿したときに
(批判とか怖かった😅)
ありがたいことに
沢山の素敵なコメントをもらって
私自身が本当に癒されました。
気が緩んだり、思い出しては
反省の心から泣いていたけど、
そういうのはなくなりました☺️
感謝しています🙏

この症例は、
この後、
手術室→病棟→人工透析室
と経験する看護師人生の中で
患者だけでなく、家族看護も大事にする。
私の大切にしたい在り方・看護観になりました。
もちろん、
メイクやセッションをするようになった今も
大切にしています☺️

温かいコメントをもらった
Facebookの記事はこちら⬇️

今でも奥様の言葉を思い出したり
街がクリスマスムードになると
この時のことを思い出しては
ウルウルする。

自分の思う丁寧さで
人と関わろうと思うし
この命を生きることが出来ていること
ありがとうと伝えられる口があり
行きたいところにいける足もある。
日々、
当たり前と思っている
当たり前じゃないことに
感謝することを忘れずに🥰

最後の言葉が悲しいもので無いように
喧嘩したら仲直りして
大切な人に大切にしてるということを
きちんと言葉で伝えていきたいと思うのです😊

奈津樹

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