オランウータンは悲鳴をあげている。
絶滅危惧種だということを知ってますか?
人間とオランウータンの DNA は 97%が共通していて、人間でいうと 3 歳児と同じくらいの知能を持っています。もっと詳しいことは前記事で!
そんなオランウータンは、「この 100 年間で約 80%減った(2018/2/11 日経新聞)」「16 年間で半減(2018/2/21 毎日新聞)」と現在進行形の危機的状況です。
ボルネオオランウータンは2016年、スマトラオランウータンは2010年に IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの絶滅危惧種(CR:近絶滅種)に指定されました。
1985~2010年の間に減った数
ボルネオオランウータン 51250~121250頭 ⇒残り54000頭
スマトラオランウータン 5750~10000頭 ⇒残り14600頭
(ボルネオ島キナバタンガン川では過去20~30年で95%が死んだ可能性)
二年後、野生のオランウータンの98%がいなくなるかもしれないそうです。
なぜ絶滅に瀕しているの?
① ペットにするための違法な密猟 (赤ちゃんを奪うため母親を殺害している)
② 生息地である熱帯の森の違法伐採による減少と分断 (アブラヤシの大規模農園を拡大)
ポテトチップス1枚食べると、その1枚のポテトチップスの面積の森が消える
…という言葉を、前記事の「オランウータン学校」で知りました。一枚は微々たるサイズだけど一袋食べきったら?、それが国民規模で考えると…。
一見関係性のない「ポテトチップス」と「森の消失」という2つのキーワードですが、実は深いかかわりがあるのです。
ポテトチップスを食べる
→ 安価な油「パーム油」が必要
→ パーム油生産のために森の木が切り倒される
→ CO2を吸収する森が減少
→ 地球温暖化が進む
その結果、ボルネオ島は1973~2010年で69.8%、スマトラ島は1985~1997年で61%の森が消えました。
森林減少の最大の原因は、アブラヤシ栽培
熱帯でしか栽培できないアブラヤシの果肉から得られる油脂「パーム油」。現在インドネシアは世界最大の生産国となり、世界の生産量の50%を占めるまでになっているそうです。
アブラヤシの大規模農園開発による問題
① 森林がなくなる →地球温暖化・気候変動への影響、生物の多様性が失われる
② 環境汚染、人間の健康問題 →農薬による水と土の汚染、煙害
日本の豊かな生活。もしかしたら、インドネシアの人々の暮らしや自然、動物たちを犠牲に成り立っているのかも…。
あなたのまわりに潜んでいる「見えない油」
チョコレート、ドーナッツ、カレー、インスタント麺、ポテトチップス、フライドチキン、アイスクリーム、冷凍食品(パン・餃子)、赤ちゃん用ミルク、口紅、歯磨き粉、洗剤、タイヤ、ペンキ等様々なモノに含まれています。
そして、我々日本人は年間1人あたり 約5リットルものパーム油を消費しているそうです。
私たちに何ができる?
パーム油にこんな問題があることを知ると、「もうパーム油を使うのはやめよう!」と思いますよね。
でもパーム油の利用を避けることで、問題が解決されないどころか、さらなる森林破壊を引き起こしてしまう可能性があるそうです。本当に難しい…。
そこで今世界では、環境に負担をかけない方法でアブラヤシを栽培し、適正価格でアブラヤシを買い取り、製品を作る企業が現れ始めました。
そういう製品には「RSPOマーク」が付けられています。
日本でもシャンプーなどに、このマークがついた商品が増えてきています。お店の人に尋ねたり、メーカーに問い合わせてみることは、製品にRSPOマークが付くきっかけになるでしょう。
私たちが、環境や社会に配慮して作られたパーム油が使われているのかどうか関心を持つこと、が大切ですね。
オランウータンの未来を守るために
●オランウータンは森でしか暮らせない →新たな森林伐採を増やさない
●オランウータンの密猟を減らす →ペットとして飼うことを許さない
●お買い物のときは、RSPOマーク付きの製品を意識する
⇒大事なことは、人とオランウータンが一緒に生きられる環境を残すこと!
母親が死んだオランウータンのリハビリ
45年で3000頭以上が保護され、1250頭が森に返された!⇒でも問題も多い
●生まれた子どもの死亡率が高い
●1頭につき年間30万円かかる
●森がなくなってしまえば、返すことはできない!
⇒オランウータンや森の保護に取り組む保全団体を応援する!
まずはオランウータンを知ることからはじめてみませんか?今年も「オランウータン学校」オンラインで開講されるようですよ。