地底世界へ。 カールズバッド洞窟群国立公園(Carlsbad Caverns National Park)/ ニューメキシコ vol.6
こんにちは。
穴があったら、ですぐ地底世界に潜りたがる私が洞窟で一番最初に思い浮かべるのがここ、カールズバッド洞窟群国立公園。
アラモゴードから約3時間半走って
到着。
わーちょうど百周年!
ここは車単位ではなく、ひとり当たり15ドルの入園料がかかります。こういった場合、国立公園パスだと16歳以上は4人までカバーされます。
洞窟にいるコウモリたちにとって致命的なWhite-Nose Syndromeから守るため、他の洞窟で着た服や靴などをこの洞窟に持ち込むことは禁止されています。
ここチワワ砂漠の地表の下には119を超える洞窟が存在しています。
カールズバッドの圧倒的な魅力はその巨大さ。地上世界を忘れるスケール、「もうひとつの世界」の存在を強く見せつけてくれるところ。
地底世界へのアクセスは2つ。ナチュラルエントランス(水色線)で地下230mまで約2kmの道を歩くか、エレベーター(ピンクの直線)で降りるか
。
上の地図の水色(Natural Entrance Route)と緑(Big Room Route)のルートは自由に歩けるのですが、左奥に行くピンク(King's Palace Tour)は、レンジャーと一緒じゃないと入れないゾーン(要予約)。
オンライン上で空きがなかったので諦めていた King's Palace Tour でしたが、受付で「今ちょうど空きが出たよー」ということで早速。ツアー開始時間がすぐだったので、エレベーターで集合場所の地下ホールまで一気に降ります。
地下ホール、アンダーグランド・レストエリアには、ちょっとしたお土産屋さんと軽食が食べられるエリアがあります。
地下は13度、肌寒いこの中を2時間以上歩く。空気が薄い空間ではこまめな水分補給が必要、でもトイレはこのホール一箇所しかない…だから暖かくして臨む。
King's Palace Tour
レンジャーガイド付きツアーであるKing's Palace Tourは、地表から253m、 一般公開されている洞窟の最深部へと案内してくれます。
前回来た時は参加出来なかったこのツアー。自分の持ってる感覚すべてを総動員して味わいたい!とゆっくり歩いてたら最後尾。
ランプを持つ係に任命された。
The King's Palace!「王宮」。荘厳で静謐。最後尾でひっそり泣く。
洞窟内部で水や石灰岩、空気の反応によって生成される「洞窟二次生成物」。氷柱のように垂れ下がるつらら石、筍のような石筍。
天井からは無数の繊細なシャンデリア。
19世紀末、洞窟に魅せられた16歳のジム・ホワイトによって、この美しい世界が世に知られるようになります。
ツアーの途中でレンジャーは全ての灯りを消します。「鼻を摘まれても分からない」暗闇とはこのこと。目の前にかざした自分の指さえも見えません。
16歳のジム・ホワイトが明かりを灯し、初めてこの光景を見た時の衝撃は如何様だったんだろう。
ドレープの美しいカーテン、装飾過多な麗しい柱。
カールズバッドは1923年10月にNational Monumentとなり、ジム・ホワイトは最初のガイド責任者となりました。(1930年国立公園に認定される)
自分の感知できる世界を遥かに凌ぐものに出会った時、言葉なんて出ない。言葉じゃ足りない。
穴怖い。
水怖い。
Big Room Route
王宮ツアーが終わって、自由に歩けるBig Room Routeへ。
ここは単一の洞窟として北米最大の容積を誇り、ザッと歩くのに約1.5時間を要します。
まさにBig Room。圧倒されるのはこのスケール。
違う文明の違う生命体がいる。
私たちが感知できない時間で成長している石たちは、
素晴らしき生命体。
ぎゃあぁぁぁぁぁぁー
あっ、ポータル。
ヒゲオジさんもいらした。
造形が細かすぎるオクサレ様。
なんで…どうして…こうなる…
3,000mの高山でも230mの地底でも、夢中になって歩いてるとパタンと急に切れるのだ、エネルギーが。空気が薄いところは気を付けなければ。
ふー着いた。
Bat Flight Program
5月下旬〜10月に見られるBat Flight Program(無料)。開始時間は日没時間に合わせて変更されます。
コウモリたちの行動を邪魔しないよう、あらゆる電子デバイスの使用が禁止されています。
観察はナチュラルエントランスのある円形のエリアで。
今回は歩きませんでしたが、私が好きなのはこのスイッチバックなナチュラルエントランス。地下ホールまでの230mは75階建てのビルに相当するらしい。なので思っているより急な下りが続きます。
こことブライスキャニオンのアプローチが好きなのよね。
飛行が素晴らしいのは、初夏に生まれた赤ちゃんコウモリが、北のコロニーから移動するコウモリとともに飛行に加わる8月から9月にかけてだそう。
(撮影禁止なので画像をお借りしました)
1時間程座って見ていましたが、その数と勢いは弱まらず。一定のグループを成して螺旋状に飛び立っていきました。
異世界は自分の枠の外にあるもの。だから私は驚異に出逢いたい。自分を閉じ込めている枠をひとつづつ外していきたい。
って思ったカールズバッドでした。
続く。
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