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Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~ライブレポート⑤

2023.3.25に札幌ドームにて最終日を迎えた「Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~」今回のドームツアーでは、名古屋・東京に続き札幌においても鑑賞した私が独断と偏見満載でツアーレポをお届けする。なお思いのまま書き綴ったところ13000字を超す長文となったためいくつかに分けてお届けする。

今回のライブツアーに先立って「HOCUS POCUS 3」というアルバムが発売されているけれど、このアルバム制作は実は2020年以前より既に始まっていた。

ロサンゼルスまで行ってアルバム制作をしていたけれど、なぜアーティストが海外でアルバム作りをするかと言うと、湿気の多い日本とでは楽器も声も全く違う仕上がりになる、電圧によっても楽器の鳴り方が違ったりする、こればかりはもうその土地の特色であるから行かないとどうにもならない。ところがこのような状況になってしまい、ぎりぎりのところで日本に帰国。そこからはもう言わなくてもわかる、世界共通で自粛生活を余儀なくされ、当然アルバム作りはストップ。ライブもできない、という状況に陥ってしまった。
まさに出口が見えない辛い日々を送っていたのだろう。この間も、Nissyは家にいようと発信したり、何とか自宅からのやりとりで楽曲を制作したり、少しずつでもアーティストとしてできることを考え実行していたように見えたが、彼自身の精神状態が極限に達した時もあったらしい。
そんな中でも、エンターテイメントは必要である、と考えていた。音楽は日常に溢れているものだし、決して不要なものではない。
アルバム作りには少なからずこの時期に考えたことが反映されていて、うまくいかないことを書いていこうと改めて思いながら作ったものも収められたと言う。

このドームツアーを発表した時には当然のことながら、否定的な意見もあった。ただ前進するには、エンタメを前に進めるにはとにかく動かないといけない。
ただ、周りからの圧力もあったりして参加しづらい、と思ってしまうファンもいるかもしれない。そこで考えたのはANAあきんどの地域創生プロジェクトへの参加や、各地のご当地グルメとのコラボ企画である。ツアーに参加することによって、厳しい状況となった観光地や地方の活性化に自分は一役買っている、といういわば「参加することで貢献している」ことで後ろめたい気持ちが少しでも払拭できれば、という心遣いである。
実際に、ツアーが開催される前後数日間は、各地でオフィシャルショップがオープンし、加えてその土地の名産品とコラボしたお菓子が発売されるなど、必ず開催場所に貢献できるよう配慮がされていた。
私自身も、参加したライブの前後には努めてその土地の名産を食べようと店選びをしたし、札幌には名産が多すぎて悩ましいくらいだった。これでインスタなどでNissyが行ったと報告されようものなら、その店はファンで行列、商品は完売になるくらい、その影響力は凄まじい。札幌では味噌ラーメンを食べたと報告していて特に店の名前までは言及していなかったように思うが、ここは名探偵が何人もいて、すぐに割り出され訪れたファンもいたらしい。
このように、地域の盛り上げに一役買っていると思えば、ファンもライブに行きやすいだろう、という思いがあった。どこまでもファンのことを考えるこの姿勢は、6大ドームアーティストとは思えないほど腰が低い。

今回のこのドームツアーは6大制覇としても感慨深いものがあるとは思うが、Nissyがツアー中にこれもまた繰り返し伝えていたが、こんなふうに一つのツアーで、声出し不可という制限のある状態からスタートし、やがて大声でなければいいと緩くなり、ラストの札幌ではマスク必須ではあるが100%の声出しOKになるという、こんな過程を踏むツアーは後にも先にもないだろう。そういう意味でも非常に思い出深いツアーになったとしみじみ語った。
このツアーの成功は、もし今後同じような事態になった時の一つの指標に間違いなくなるであろう、未曾有の出来事ではあったが、一つの経験として後世に残せる知恵がついたとそんなふうにも語っていた。
これまでは普通であった、ライブで何万人という人たちと同じ空間にいて声を共有するということが、当たり前ではないんだ、と改めて実感している。今日という日はここしかないし、そういう日に5年ぶりに札幌に戻れて嬉しい、辛い日々を超えて今日ここで再びこんな環境でライブできたことに改めて感謝の意を、とまた深々とお辞儀をした。

ここで鳩ポッポの時計が鳴る。これも恒例になったが、MCがつい長くなってしまうNissy。そろそろ次に行ってください、というスタッフからの警告は鳩ポッポ時計とともに届けられる。まぁここですぐに切り上げないところも、Nissyらしい。スタッフもおそらくゆとりを持って警告しているのだろうと、思われる。おそらく。

⑥へ続く


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