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齟齬

某県で、福祉施設を経営している知人が言った。
最近の若い職員とは、議論が成り立たない、と。
確かに、自分の頭で考えることが苦手な人や、複雑なことを理解することが、苦手な人はいる。
だけど、上にいる人を心から信頼できなければ、人は正直な気持ちを話さない。
安全だと思える場所でなければ、自分の言葉で話せない。

人は言葉による拒絶よりも、態度による拒絶により敏感だ。
いわゆるできる人は、自分の高過ぎる能力や、天賦の才に無自覚だ。

世の中には、自分の気持ちを言語化することが苦手な人もいる。人前で話すことが苦手な人もいる。

新しいアイディアを出すためには、気力や勇気が必要だ。
誰かが支えてくれなければ、簡単に心が折れてしまう。私たちは、否定されることにあまりにも慣れきっているから。

難しい本を紹介したり、有名な人を講演に呼んだりしても、私を始め、平均レベルの知能の人たちには難しすぎる。疑問を持ちやすい人間には特にだ。(阿呆にもそれぐらいの力はある)。

自分自身の感情と経験だけで話されても、共有できない人間には、動揺しか残らない。

彼は自分のやりたい道で、成功した人間だ。
山ほどの挫折を経験してきた人間や、名もなき人間にとっては、彼のような人間はまぶしすぎるのだ。
そんな人の紡ぎ出す言葉は、いつだって痛い。

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