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子育てに疲れたら-9(自分のために通告しましょう)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:子育て支援 】

今日も引き続き、子育て支援について書いていこうと思います。

さて、昨日は、児童虐待を発見した日本国民には、虐待を通告する義務があることを書きました。

通告先は、「189」と電話でダイヤルすれば繋がります。たぶん、これが一番簡単な通告方法だと思います。

夜間だろうが土日だろうが、必ず繋がります。24時間365日、児童虐待の通告は受け付けられるように体制が整っています。

まあ、児童虐待を通告を法的に義務づけて、その上で、24時間365日通告を受け付けられる体制を整えるというのはとても素晴らしいと思いますが、イチ国民として言わせてもらうと、ここまでされるとプレッシャーがハンパないです。

24時間365日通告を受け付けられる体制を整えるために、僕らの血税が大量に投入され、なおかつ、多くの人材が割かれているわけですが、それを考えると、血まなこになって児童虐待を発見しなきゃいけないような気がします。

そこまでのプレッシャーに僕は耐えられません汗。

だから、考え方としては、「義務」という利他的な精神(社会に貢献しようという思想)よりは、「自分のために通告しよう」という考え方のほうがいいと思います。

例えば、アパートの隣の部屋から毎日子どもの泣き声が聞こえてくるとしましょう。

この場合、「虐待が起きている!子どもを守るために通告しなければ!児童虐待の通告は日本国民の法的な義務なんだから!」と思ってもいいんですが、世の中、そんなに正義感にあふれている人ばかりではありません(僕も含め)。

こういう正義感に基づいて通告するよりも、「泣き声うるさいから児相に来てもらえないかな」という、あくまで利己的な考え(自分本位な考え)に基づいて通告するほうが、なんというか、現実的だと思います。

児童虐待が通告されると、児相の職員が48時間以内に現場にやってきます。

児相では「48時間ルール」と呼ばれていますが、これは法的なルールではなく、あくまで、厚労省の通達が根拠です。

法律ではなく厚労省の通達が根拠でしかないんですが、あらゆる行政機関にとって、所轄官庁からの通達はまさしく「金科玉条」なので、48時間ルールはかなり厳格に適用されています。

(ま、厚労省の通達でも、48時間以内に現場へ行くことが義務づけられているわけではなく、あくまで努力義務です)。

結局のところ、児童虐待を通告すると、それか48時間以内に、児相の職員が通告された家庭を訪問してくれます。

いきなり児相の職員が家にやってくるって、結構コワイと思います。僕だったら、かなりビビると思います。

で、やってくるだけではなく、保護者から事情を聞いて、子育てに困っていることはないか質問し、何か困っていることがあれば、行政サービスにつなぐこともあります。

保護者が子育てに疲れていて、それが原因で虐待が起きているようであれば、ショートステイ(子どもの一時的な預かり)を案内したり、子どもへの虐待が重度であれば、家庭訪問してそのまま子どもを一時保護して連れて行ったりもします。

家庭訪問して、そのまま子どもを一時保護するというのは、かなり恐ろしい事態ですが、それなりにあります。

子どもが一時保護されて連れて行かれると、泣き声に困っている隣人としては願ったり叶ったりです。泣き声を出している子ども自体が隣の部屋からいなくなってしまうわけですからね。

一時保護されたまま子どもが家庭に戻らず施設に入所したり、里親に委託されたりすることもあり、そうなれば、子どもは帰ってきませんから、子どもの泣き声からはオサラバとなります。

もちろん、子どもが戻ってくることもありますが(というか、そのほうが多いです)、その場合も、児童相談所が家庭復帰させてもいいと認めたからこそ戻っているわけで、それはすなわち、家庭の問題が多少なりとも改善されていることを示しています。

そうなれば、子どもが戻ってきたとしても、泣き声で悩まずに済むようになっているかもしれません。

まあ、そもそも児相は、通告を受けたら何でもかんでも一時保護するわけではなく、大体の場合は一時保護しません。

それでも、児相から家庭訪問されると、保護者としては「児相から目をつけらたな」とは思うわけで、子育てのやり方を変える動機づけになります。

(そして、当たり前ですが、通告を受けた家庭は、児相のシステムに登録して、いつでも見返せるようにしますので、この意味で「目をつけられた」という表現は適切です)

そうすると、結果的に、通告をきっかけとして子育てのやり方が変わり、泣き声がやむかもしれません。

こういう感じで、虐待の通告は、自分にとってメリットがあって、こう考えていたほうが、通告しやすくなるなと僕は思います。

まあ、これは人それぞれで、正義感のほうが通告しやすい人はそれでいいです。僕は、自分のためと思ったほうが通告しやすいので、そう思って通告します。

僕はそこまで優しくないので。

今回は、隣部屋からの泣き声のケースについて書きましたが、それ以外でも、例えば、幼い子どもが街中をうろついていたりする場合も、自分のために通告する意味があります。

というのも、幼い頃から街中をうろついている子どもは、悪い友達を作ってしまう確率が高く、なるべく早く安心できる環境を与えないと、将来的に地域の治安を乱す予備軍となりかねません。

この書き方はあんまりよくないかもしれませんが、早いうちに芽を摘んでおいて、将来の治安を(自分のために)守るという意味はあると僕は思います。

すみません、なんかよくない感じに聞こえますが、残念ながら、僕も含めて人間は基本的に自分にしか興味がないので、通告の動機づけを正義感や利他的精神に求めるよりは、自分勝手なワガママ精神に求めたほうがいいと僕は思っています。

そのほうが、結果的に救える命が増えるので。

今日はこの辺にします。

それではまた明日!・・・↓

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