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考え方が変わりました

【 自己紹介 】

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、600日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

法律に関する記事は既にたくさん書いていますので、興味のある方は、こちらにテーマ別で整理していますので、興味のあるテーマを選んでご覧ください。

【 今日のトピック:弁護士の仕事と児相の仕事 】

今日からブログのスタイルを変えて、自分が考えていることをつらつら書いていこうと思います。

今後も引き続き温かく見守ってくださると嬉しいです。

さて、僕は現在、児童相談所の常勤弁護士として働いています。9月1日から働き始めて、間もなく2ヶ月が経とうとしています。

職員の皆さんは、とてもエネルギッシュで、常に子どものことを考えていらっしゃいます。

頭でっかちの人はいません(たぶん、僕が最も頭でっかちだと思います)。

というのも、児相の仕事は言うまでもなく子どもが相手ですが、「子ども」っていう抽象的な概念があるわけなくって、てくてく歩いて回ったり、夕飯食べたり、泣いたり笑ったり、うんこしたりお洩らししたり、年齢も0歳から18歳までいろいろです。

そういった子どもが、この世界に存在していて、その子どもをどうするか?というのが、児相の仕事です。

だから、頭でっかちに考える暇なんてありません。「子どもがいる」という現実が、自分の意思とは全く無関係に様々な角度から降り注ぎます。

「子どもが倒れた」という現実がまずあって、それをどうするかを、走りながら考える。それを職員の皆さんは日々繰り返していて、本当に頭が下がります。

それだけでなく、瞬時に判断する精度はすごいです。

弁護士の仕事は、どうしても1か月とか2か月単位で動きますが(きちんと反論・再反論のチャンスを確保しなきゃいけないので)、児相の仕事は、そんな長いスパンで動きません。

一時保護すれば、子どもが一時保護所で過ごす時間が日々刻々と増えていくわけですからね。

それと、僕が最近いちばん着目しているのが、「保護者と話しながら、同意を得ながら、進める」という、弁護士としての僕の頭になかった考え方です。

僕の弁護士としての仕事のやり方として、「あんまり交渉しない」という大きな方針があります。

というのも、弁護士は、「法的にはどうなるか」を念頭に置いて、そういった法的な結論があるのなら、ムリに交渉して目的を達成しようとはしません。

例えば、交通事故の被害者から損害賠償請求の依頼を受けた場合、法的な結論として1000万円もらえるのであれば、相手の保険会社が、「300万円でどうですか」なんて言ってきたら、交渉の打ち切りがすぐ頭によぎります。

そんな低額で合意できるはずなく、そんなことを言ってくる相手と交渉するよりは、さっさと訴訟を提起しちゃったほうが、きちんと法的に妥当な金額を確保できます

これが、「800万円でどうですか」という返答なら、交渉の余地があるので、交渉を続け、どこかで「えいや!」と合意できるラインを決めます。

児相でも、こういった思考方法もできなくはありません。しかし、あんまりありません。

昨日のブログでも書きましたが、児相の手続を進めていると、親権者の同意が必要となる場面にたくさん出くわします。

ただ、同意が得られないなら得られないで、他にも可能な手段が用意されています。

例えば、施設入所や里親委託に親権者が反対している場合に、施設入所や里親委託ができなくなるかというとそうではなくて、親権者の代わりに家庭裁判所の承認を得て、施設入所や里親委託を進めることができます。

今までの僕のやり方だと、「親権者が反対していても、結論として施設入所または里親委託できるんだから、ムリに親と話さなくてよくね?」と思うところですが、それじゃあ、ダメなんです。

児相の役割は、子どもにとってのベストを考えてあげることですが、子どもにとってのベストは、原則として、「親元で暮らす」なんです。

そうすると、虐待親であっても、基本的に、親は子どもにとって味方です。

虐待の程度や、子どもがどれくらい親を嫌がっているかどうかで、家庭復帰するかどうかは変わってきますが、基本的に、家庭復帰を目指します。

そうなると、僕のやり方は、間違っています。

↑に書いた考え方って、その前提に、依頼者と相手を、「味方」と「敵」に分けています。

だからこそ、必要以上に交渉する必要はないのです。依頼者の法的な最善の利益を実現するのが弁護士の仕事ですから、必要以上に交渉して、その結果、依頼者の利益が損なわれたらダメだからです。

ただ、児相の仕事は、「敵」「味方」に分けることができません。

虐待親が必ずしも敵ではなく、協力関係を築くことが、結果的に子どもの利益になることがあるからです。

なんというか、根本的な考え方に違いがあることを気付かされました。

「郷に入っては郷に従え」ですが、弁護士らしい考え方が必要になってくる場面もありそうなので、弁護士の精神を忘れないよう気をつけようと思います。

今日はこの辺にします

それではまた明日!・・・↓

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