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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-4(修理工場からの病院)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:交通事故 】

昨日に引き続き交通事故について書いていきます。

(設定の中の僕になりきって話を進めていきます)

さて、昨日は職場から帰る途中、赤信号で停車していたら後ろから追突されてしまい、散々な目にあいました。

買ったばかり(事故が6月10日でしたが、納車したのは4月30日でした)の最新式プリウスの右後ろ部分が凹んでしまいました。

今のところ問題なく自走しますが、目に見えない部分に不具合が出ているかもしれません。

幸いにも、事故の翌日(今日)は休日だったので、つい最近プリウスを購入した販売店に連絡して、修理工場を紹介してもらうことにしました。

もし事故の翌日も仕事なら、自働車を修理に持っていく時間もないので、修理は遅れてしまっていたかもしれません。

まあ、修理工場から代車で職場まで来てもらって、その代車と引き換えに僕の愛車を修理工場まで持っていってもらうこともできるでしょうけど、修理工場まで実際に行って、修理代の見積もりとか、どんな修理工場なのかも確認したかったりもするので、自分で自働車を持っていくことにしました。

さて、販売店から紹介された修理工場まで、自働車を運転して持っていきました。

約束の時間に修理工場に着くと、担当者と思われる人が待っていて、早速自動車をとめて、凹んだ部分を見てもらいました。

「いやあ、結構凹んでますね」

「そうなんですよ」

「身体は大丈夫ですか?おケガはされていませんか?」

「事故直後に痛みはありませんでしたが、昨晩から首や腰が痛むようになってきて」

「そうですか。赤信号で停車中に追突されたと販売店から聞きました。本当に不運でしたね。早めに病院に行って治療したほうがいいと思いますよ」

「ええ、そうする予定です」

おお、真っ先にケガのことについて触れてきてくれました。とても好印象です。販売店に良い修理工場を紹介してもらえてよかったなと思いました(まあ、思いやりと修理技術は別問題ですが・・・)

僕「早めに修理してもらいたいのですが、費用や期間はどれくらいかかりますか?」

「うーん、もう少し詳しく見てみる必要がありますね。今日は少し立て込んでいて、修理の見積書をすぐには作成できないんですが・・・。明日なら見積書をお見せできますが、メールで見積書お送りさせてもらっていいですか?」

「ああ、わかりました。代車は使っていいですよね?」

「ええ、どうぞ。修理代は相手の保険会社に請求する形になるんですかね?」

「ええ、そのつもりです。相手の保険会社の連絡先を教えておきますので。」

そう言って、僕は相手の保険会社の連絡先を渡しました。ケガと修理代で保険会社の担当部署が違うことも多いのですが、今回の保険会社(あいおいニッセイ)も、ケガと修理代で担当が違うようで、修理代についての窓口として伝えられた連絡先を教えておきました。

「ああ、この連絡先ですね。わかりました。見積書は明日お送りしますので、オッケーしてもらえましたら修理に入ります。」

「わかりました。」

さて、自動車を修理に出した後は、病院にも行かなければいけません。整形外科を受診して、痛みを治療してもらわないいと。

修理工場にプリウスを預けた後、僕は、整形外科に向かい、ドクターに診察してもらいました。

首や腰の痛みが引かず、かなり苦しい状態になっていました。

僕「昨日の夕方、後ろから自動車に追突されて、その夜から首と腰が痛むんです」

医師「ああ、そうですか。どういう動作をすると痛みが増しますか?」

「首を上下や左右に動かすと特に痛みます。腰は、立ったり座ったりするときに痛みがある感じです」

「わかりました。では、少し検査してみましょう」

そう言われて、僕は、首や肩を動かされたり、腰を触られたりなどの触診をされ、CT画像もとりました。

医師「うーん、特に異常はないから、この痛みはいわゆる『むちうち』でしょうね」

そう言われました。「むちうち」とは、自覚症状の他に痛みを基礎づける医学的所見が存在しないケースを言います。

首の痛みについては「頚椎捻挫」や「頚部挫傷」などの傷病名がつけられ、腰の痛みは「腰椎捻挫」や「腰部挫傷」のように病名はつきます。

とはいえ、自覚症状のほかに異常はないので、いうなれば「患者が痛いと言っているだけ」ということです。

医師「とりあえず、激しい運動は控えて生活してもらいますが、普段の生活と変わらず暮らしてください」

僕「安静が必要ということですか」

「うーん、激しい運動は控えたほうがいいとは思いますが、特別安静にする必要はありません。安静にしすぎて筋肉が凝り固まってしまうと、それが痛みにつながるケースもありますので。」

「はあ。」

「とりあえず、1週間に1回くらい通院しながら様子を見ましょう。」

「整骨院や整体に通うのはどうですか。」

「まあ、あんまり医師の口からは言いたくありませんが、整骨院や整体で痛みが和らぐかもしれませんね。効果があるようなら、通われてもいいでしょう。特に禁止はしません。」

「わかりました。」

「それと、相手の保険会社の連絡先を教えてもらえますか?その保険会社に直接治療費は請求しますので。」

「よろしくおねがいします」

一括対応で治療費が直接病院に支払われるのは本当に便利です。

僕が、整骨院や整体に通うことを聞いたのは、こういった整骨院や整体は、原則として「治療費」に含まれないからです。

僕は、交通事故の被害者として、加害者に対し、交通事故によって発生した損害の賠償を求めることができますが、この「損害」には、当然、ケガの治療費が含まれます。

この損害賠償を肩代わりするために自動車保険に加入していて、自動車保険に加入していると、保険会社が肩代わりしてくれるわけです。

事故直後から首や腰に痛みが出て、その検査のために整形外科を受診したり、その後、様子を見るために通院する際にかかった費用は、当然ながら「治療費」に含まれます。

しかし、こういった首の痛みや腰の痛みの治療のために接骨院や整体に通院したとしても、それは原則として「治療費」に含まれないのです。

しかし、例外的に、医師の指示に基づいて整体や接骨院に行った場合は、「治療費」に含まれます。これが基本的な考え方です。

だから、いちばんいいのは、カルテに「整体や接骨院への通院を指示した」と医師に書き残してもらうことなんですが、医師がそこまでしてくれるかはビミョウです。

整体や接骨院には、治療としての医学的根拠が認められていないので、それを、治療として「指示する」のは医師としてハードルが高いと思います。ましてや、その指示をカルテに書き残すなんて、嫌がる医師も多いでしょう。交通事故は、後で紛争になることを医師もわかっていますからね。

だから、僕だったら、少なくとも、口頭で「整体や接骨院に通院してもいいと思いますよ」と医師に言ってもらい、それを理由に、相手の保険会社(あいおいニッセイ)に、整体・接骨院の施術代も「一括対応」として支払ってもらうことを狙います。

「一括対応」は、あくまで、保険会社が法的な根拠もなく、被害者のためを思ってやってくれていることなんですが、この「一括対応」で、いったん治療費として支払ってしまうと、それを後から「治療費じゃなかった」と覆すのは難しいです。

治療費として認めないのであれば、最初から一括対応しなきゃよかったわけですから、一括対応しているということは、治療費に含まれるのをいったんは認めたわけで、それを後から覆すには、それなりに根拠が必要なわけです。

だから、整体や接骨院も「治療費」として、一括対応してもらえれば、それも交通事故による「損害」に含まれる可能性が高まります。

もちろん、保険会社もこんなことわかっているので、一括対応してくれないかもしれません。その可能性も大いにあります。

ただ、保険会社も、「医師の指示で整体や接骨院に通いました」と言われたら、なかなか一括対応を拒めず、一括対応してくれることもあります。

今回の場合、医師は、整体や接骨院を「指示」したわけではないので、僕が「指示されました」と言ったら、それはウソで、そのウソを理由に保険会社が一括対応をしてしまったら、詐欺罪になってしまいかねません。

ただ、少なくとも、医師は「整体や接骨院で効果があるようなら、通ってもいいんじゃないの」とは言っているので、それを保険会社に言うことはできます。

保険会社も、何の根拠もなく「接骨院の施術代も払って!」と言ってくる被害者に対しては、施術代を一括対応してあげにくいですが、「効果があるようなら、通ってもみてもいいのでは?」と医師が言っていた、という理由があるんだったら、一括対応してあげる根拠があるので、一括対応しやすくなります。

僕なら、ここを狙います。

ただ、「接骨院は病院じゃないので、一括対応しません」と言われたらそれで終わりなので、素直に諦めます。一括対応を要求する法的な権利はないので、こう言われたらどうしようもありません。

一括対応してもらえなくても、接骨院や整体に効果があるなら、僕は通います。自分で施術代を負担することにはなりますが、それが「損害」と認められれば、後で返ってくるかもしれません。

それよりも何よりも、いくら追突してきた相手が悪いとはいえ、相手をどれだけ責めても、首や腰が痛むという現実は1ミリも変わりません。

もちろん、貰えるもんはもらわなきゃいけないと思いますが、首や腰が痛むという現実は、「現実」なので受け入れざるを得ず、その現実を少しでも良い方向に変えるために、接骨院や整体が効果的なら、僕はお金を払います。

お金よりも身体が大切だと僕は思うからです。

身体が健康なら、お金はまた稼げますから。

今日はこの辺にします。

それではまた明日!・・・↓

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