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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-24(労働能力喪失率)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:交通事故 】

昨日に引き続き交通事故について書いていきます。(まだまだ終わりませんよ!)

さて、昨日は後遺症逸失利益について説明している途中でした。

「後遺症逸失利益」とは、「将来の収入減」を意味します。

僕は、今回の事故で首と腰を痛めてしまい、首と腰の痛みがとれないままとなってしまいました。

僕はデスクワーカーですから、首と腰の痛みが残っていると、仕事に支障が出ます。

首と腰の痛みがあるせいで、稼働できる時間が短くなったり、集中力が途切れやすくなったりと、仕事に悪影響があるわけです。

ただ、この「悪影響」を算定する方法はかなり難しそうです。首と腰が痛くても、パソコンに向かってデスクワークはできるわけですから、仕事が不可能になったわけではありません。

交通事故によって植物人間状態となってしまえば、全く仕事ができなくなってしまっているので、「収入が100%減った」というのは明らかですが、首と腰の痛みで、収入にどれくらい影響が出るのかは、なかなか算定しづらいです。

ただ、「収入への影響」は、後遺症の等級ごとに、一般的な基準が決められています。

後遺症には「等級(ランク)」がある、という話は既にしましたが、等級ごとに、どれくらい収入への影響が出るか、基準が設定されています。

例えば、14級だと5%です。

つまり、14級の後遺症が認められた場合、一般的には、将来の収入が5%減少する、と考えられているわけです。

ただ、これはあくまで「一般的」な話です。

ここまでは、少しわかりやすく説明してきましたが、もう少し正確に説明すると、↑のパーセントは、「収入への影響」ではなく「労働能力喪失率」と呼ばれます。

つまり、14級の後遺症は、5%ぶんの「労働能力」が「喪失する」と考えられていて、ということは、収入も5%減少するよね、という理屈が正確です。

だから、考えるべきなのは、「後遺症によってどれくらい労働能力が喪失したのか?」ということになります。

僕としては、「労働能力喪失率」というワードは少しわかりにくいと思っていて、「お金を稼ぐ能力が何%下がったのか?」というふうに考えたほうがいいような気がします。

最終的に算出しなきゃいけないのは「後遺症逸失利益」です。

「後遺症逸失利益」ってかなり難しい漢字を使ってしまっていますが、要は、後遺症が残ったせいで、本当は得られるはずだったお金を得られなくなった、という話です。

「逸失利益」とは、「逸失した利益」です。

「逸失」というのも難しい言い方ですよね。「失った」とか「逃した」というふうに言い替えていいです。

結局のところ、後遺症が残ったせいで、「失った(逃した)」利益(お金)を、算出しなければいけないんです。

だとすれば、「労働」という言葉遣いは不正確ですよね。労働以外の方法でお金を稼ぐことはできるわけですから。

事故の被害者が、どんな仕事をしているのか、その仕事の核(お金を生み出す本質的価値)は何なのか。

それを確定して初めて、「後遺症によってどれくらいお金を稼ぐ能力が下がったのか」を確定できるんです。

僕はデスクワーカーですから、デスクに座ってパソコンに向かい、書面を作成する作業がお金の源泉です。

首と腰の痛みは、その作業をやりにくくするわけですから、モロに影響が出ます。

だから、一般的な基準通り、5%の労働能力喪失(収入減)を、訴状には書きます。僕なら。5%を超える収入減を主張するのはかなり厳しいので、僕は書きません。

この「一般的な基準(%)」を修正しなきゃいけないこともあります。

例えば、後遺症が、お金を稼ぐ能力に悪影響を与えていない場合です。

具体例をあげると、例えば、後遺症の中には、「外貌醜状」といって、顔に傷が残るものも含まれます。

顔面に傷跡が残り、その傷跡が治らない場合は、それも「後遺症」と認められるわけです。あえて言うまでもありませんが。

ただ、顔の見た目が、お金を稼ぐ能力に悪影響を与えるかというと、それは仕事によるでしょう。

例えば、僕の場合は、顔の見た目が仕事に与える悪影響は、かなり少ないと思います。

ゼロとまではいいません。弁護士はサービス業で、接客する場面も多いので、その際にお客さんから顔を見られるからです。

しかし、一般的に言えば、弁護士を顔で選ぶことはないでしょう。顔ではなく、「よく話を聞いてくれるか」とか「コミュニケーション能力」などが選ぶ基準となります。

顔に傷が残っても、デスクワークに影響は出ません。


だから、少なくとも僕の場合は、外貌醜状を理由に、収入減を主張するのは難しいと思います。

しかし、モデルや芸能人など、顔の見た目が重視される職業であれば、外貌醜状によって収入減は認められるでしょう。

デパートの受付嬢は微妙ですが、仮に、顔のキズを理由に受付嬢から異動となったとしても、他の部署で同額の給料を受け取っているとすれば、結局、顔のキズを理由とした収入減は生じていませんし、他の部署でも働けるということは、その受付嬢は、別に受付嬢にこだわらなくても働けるわけですから、この場合も、なかなか顔のキズを理由に収入減は認められにくいと思います。

さて、今日は、「労働能力喪失率」について書きました。

明日も、引き続き「後遺症逸失利益」について書いていきます。

それではまた明日!・・・↓

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