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不動産を売り買いする時に何が起きるか:手付について

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

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【 今日のトピック:不動産売買 】

「不動産売買」って、なんか難しそうに見えませんか?

難しそうに見える理由は、おそらく、「知らない世界」だからです。

不動産売買の経験なんて、ほとんどの人たちにとっては、一生に一回あるかないかです。

僕みたいにマイホーム反対派だと、不動産売買を一度も経験せずに死んでいってしまうでしょう。

土地を相続して地主になったりしなければ、不動産を売ろうにも売る土地がないので、「売主」になることもありません笑。

買おうと思えば、土地はいくらでも売りに出ているので、どれでも好きなものを買えますが、売りたいのであれば、売る土地が必要です。

まあ、こういう感じで、そもそも、今は、「不動産を所有しないほうがいいよね」という流れになっているので、不動産を「買う」機会が減っている、というか不動産を買うのを回避する潮流がやってきていて、そういう意味で、「不動産売買」は縁遠くなり、そして、不動産を売ろうにも不動産を所有していないと売れるわけがないので、相続したりして不動産を所有しない限り、不動産を「売る」も一般的には縁遠く、だから、「不動産売買」って、「売る」側からも、「買う」側からも、めちゃくちゃ縁遠いものになっています。

とはいえ、マイホームを購入したがる人たちは、今だに結構多いので、それなりの人たちが、マイホームという形で「不動産」を買っています。

さてさて、いろいろ書いてきましたが、タイトルにしたがって、「不動産売買で何が起きるか」について書いていこうと思います。

そもそも、「不動産」って何かというと、ざっくり言えば、土地と建物です。

法的には、「土地及びその定着物」と民法に定義づけられていて、例えば、土地の上に生えている木(「立木(りゅうぼく)」と呼ばれます)も不動産に含まれるとか、建物のうち畳は建物に含まれるか(結論としては畳は建物に含まれません)とか、かなり複雑怪奇な議論が会ったりもするんですが、まあ、ざっくり言えば、土地と建物が「不動産」です。

土地や建物を売ったり買ったりするのが、「不動産売買」です。

で、売るモノが不動産だろうが、売買は売買なので、コンビニでペットボトルのジュースを買うのと法的性質は全く変わりません。

お金で対価を払うことで、ペットボトルのジュースなり、土地なりが手に入るのです。

それが「売買」です。

しかし、土地や建物って、コンビニの棚には並んでいないんですよね。

というか、土地や建物って、その場所から動かせません。

だって、土地は「地面」ですからね。地面に埋まった土は動かせますが、その土が「土地」としての価値を持っているわけではなく、その地面が位置する「場所(そして、大きさ・形)」にこそ、「土地」としての価値があるわけです。

だから、例えば、「不動産ショップ」に現金5000万円持っていって、「この土地ください」とか言って現金渡して、その場で土地を受け取るわけにはいきません。

じゃあどうするかというと、土地は、現金と引き換えに「受け取る」のではなく、現金と引き換えに「名義を変える」のです。

これこそ、「不動産売買」の真髄です。

現金と引き換えに不動産の「名義を変える」

これが、「不動産売買」なのですが、じゃあ、現金を渡して「名義変えてといてー」で話が終わるかというと、そういうわけでもありません。

なぜなら、「名義を変える」って、そんなに簡単じゃないからです。

名義の変更は、法務局が一括して管理しています。だから、不動産の「名義」は、法務局がその不動産を誰名義で管理しているか、が全てです。

不動産の名義は、法務局の「仰せのままに」です。

とはいえ、法務局が独断で名義を自由自在に変えられるわけではなく、名義変更に必要な書類が揃っているのなら名義を変更する義務がありますし、逆に、名義変更に必要な書類が揃うまでは、名義を変更することはできません。

で、当たり前ですが、不動産の買主は、お金を払うからこそ、お金を払ったらその場ですぐに名義を変更してもらわなきゃ困ります。

これをやるのが「不動産売買」で、この「お金と引き換えに名義を変更する瞬間」のことを、俗に「決済(不動産決済)」と呼んだりします。

不動産売買は、「契約締結」と「決済」の2段階に分かれて、その2つにはタイムラグがあるのが普通です。

・契約締結して、

・その1ヶ月後とか2ヶ月後に決済する。

それが、不動産売買の流れです。

で、契約締結は、契約書に署名押印するんですが、それだけでなく、手付金を買主から売主に渡します。

手付金は、代金の1割くらいです。

5000万の土地を買う場合は、契約締結時、つまり、契約書に署名押印する時に、現金500万円をその場に用意しておいて、署名押印しながら現金500万円を渡します。

現金じゃなくても、例えば、今の時代なら、署名押印しながらスマホで振り込んでもいいでしょう。

この時点では、当然ローン審査前ですから借入金が入金されているはずもなく、したがって、手持ちのお金から用意する必要があります。

この手付金は、俗に「頭金」と呼ばれますが、この「手付金」を払うのは、売買契約を解除する余地を残すためです。

言うまでもありませんが、いったん売買契約を締結したら、買主は、約束した代金を支払う義務がありますし、売主は、約束した代金で売らなきゃいけません。

それが「契約」です。いったん署名押印した後は、いくら気が変わったとしても、後からキャンセルできません。「契約」なので。

ただ、手付金を払うと、契約を解除することができます。

しかし、何のリスクもなしに解除はできません。

買主の側から解除するのであれば、渡した手付金は諦めなきゃいけません。つまり、渡した手付金をそのまま諦めるのであれば、残りの代金は支払わなくていいです。

(ちなみに、ローンの審査が下りなかったことを理由に解約するのであれば、手付金も返ってきます)

だから、基本的に買主側から解除するのは「ナシ」でしょう。よっぽど条件の良い土地が他に見つかったのなら、手付金を諦めてまで解除する意味もあるのでしょうが、そこまでするのってまずないでしょう。

売主側も、受け取った手付金を返すだけでなく、更に同額を上乗せして買主に渡す(結局、手付の倍額を買主に渡す)ことで、契約を解除できます。

おそらく、手付倍額を返してもなおプラスが出るような金額で買ってくれる買主が新たに見つかったら、解除するんでしょうね。

だから、手付金って、売主のために用意されている制度な気がします。

めちゃくちゃ高値で買ってくれる買主が現れたら、その買主に乗り換えることができるわけですからね。

もちろん、手付倍額を返してもなおプラスが出るほどの高値じゃないとダメなので、そこまでの高値にならないのであれば、契約を結んでしまっているので、元の買主に売るほかありません。

今日はこの辺にします。手付の話で終わってしまいましたが、手付の制度って結構大切です。

なんとなく「手付金」を払ってしまっている人が多いと思いますが、手付金を払った後は、契約って手付金を諦めないと解除できないのです。

・契約締結

・決済

にタイムラグがあるので、決済までは契約していないように感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら、契約を締結したら、代金全額の支払義務が発生します。

それがイヤなら、手付金全額を諦めるしかありません。

「契約」って、「拘束」なんです。自分と相手を縛る「鎖」こそ、「契約」です。

手付を支払った後の話は、また明日書こうと思います。

それではまた明日!・・・↓

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