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子どもを虐待する原因

【 自己紹介 】

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、600日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

毎日ご覧くださってありがとうございます。本当に励みになっています。

法律に関する記事は既にたくさん書いていますので、興味のある方は、こちらにテーマ別で整理していますので、興味のあるテーマを選んでご覧ください。

【 今日のトピック:虐待は親のせいなのか? 】

現在僕は、児童相談所で働いています。

「児童相談所」といえば、虐待から子どもを守るというイメージが一般的でしょう。僕もそうだったので。

ただ、正確に言えば、児童相談所が対象にしているのは、虐待だけではありません。

虐待だけでなく、子どもの問題行動についても相談を受け、適切に支援することも、児童相談所の大切な仕事です。

特に最近は、子どものゲーム依存に悩む親が多く、こんな悩みを受け付けるのも児童相談所の大切な役割です。

とはいえ、やっぱり、虐待対応が児童相談所のメイン業務になっているのは間違いありません。

だから、児童相談所は虐待対応のスペシャリストです。それくらい、日々たくさんの虐待案件を、少しずつ前に進めています。

で、「虐待」というワードが、あまりにも強烈でひとり歩きしてしまいがちなんですが、なんというか、「虐待」というワードって、実は、単なる記号に過ぎません。

「虐待」という字面が、あまりにも強烈な印象を与えてしまいますが、実は、そこまで強烈な印象を抱く必要はなくって、「子どもに対する不適切な対処法」とでも言い換えればいいです。

今は、「マルトリートメント」という概念も提唱されていて、「虐待」という強烈な印象を和らげようとしています。

確かに、虐待は、子どもにとって悪い影響を与えるのでしょうけど、なんというか、あまりにも親を非難するイメージが大きいすぎます。

虐待=親が悪い

虐待=親の育て方が間違っている

そんなイメージが「虐待」というワードに含まれていて、そのイメージが、「虐待」というワードの強烈さと相まって、「虐待」という評価が、親にとってめちゃくちゃ大きな打撃を与えてしまっています。

児童相談所に勤務する職員としては、「いやいや、そんなことないよ」と言いたくなります。

「虐待」にも、いろんな程度や種類があって、子どもへの悪影響度合いも様々です。

例えば、児童虐待防止法には、虐待の種類が4種類書かれています。

・身体的虐待

・性的虐待

・ネグレクト

・心理的虐待

こういった種類分けがされていて、なおかつ、各種類の中で、程度も様々です。

例えば、「身体的虐待」は、子どもの身体に外傷を与える危険性のある行為を意味しますが、金属バットで2歳の子どもの頭部めがけて殴りかかるのと、手のひらで10歳の子どもの背中を1発ビンタするのとでは、同じ「身体的虐待」ですが、全く違う事案として取り扱います。

どちらも「虐待」ですが、程度があまりにも違うので、同じような事案としては扱わず、全然違うモノとして扱います。

そして、今日いちばんお伝えしたかったのは、虐待の原因が親だけにあるかというと、必ずしもそうではない、ということです。

身体的虐待を例にあげますが、確かに、子どもに対して身体的虐待を加えてしまうことに、親の責任が皆無かというと、それはありえないでしょう。

「しつけのため」という理由で、自分の身体的虐待を正当化しようとする親が、2021年の今となっても、あまりにも多くて呆れますが、2021年にもなれば、暴力を振るわなくても子どもをしつける方法なんて、いくらでもインターネット上や書籍に溢れています。

にもかかわらず、「しつけのためには暴力が必要」と考えてしまっているのは、独学で子育てが完璧にできるという、あまりにも傲慢な態度で、自分の子どもに対して失礼すぎます。

ひとりの人間を相手に子育てするわけですから、自分だって子育ての勉強をしなきゃいけないに決まっています。

子どもに謙虚さを求めるのであれば、親自身も、謙虚に自分の子育てを見直し、見直す素地として、きちんと勉強して知識を習得しておく必要があります。

まあ、こんな感じで、不適切な子育てをする親を非難するのは簡単なんですが、しかし、じゃあ、子どもに何の問題もないかというと、実はそうではなかったりします。

子どもがちょこまかと動き回ったり、話したと思ったら挑発的な言葉を放ったり、「こら!」と怒っても全然心に響かず、より一層激しく動き回ったり、または、ワーワー泣きまくったり・・・。

こういった子どもの行動を全無視して、「虐待は親が悪い」と一律に断定してしまうのは、あまりにも思考停止です。

大抵の虐待案件には、親側にも、子側にも、解決するべき課題があります。

その課題をどうやって克服するか、親も子も、自分のできる範囲で考えていかなきゃいけません。

で、その課題克服のヒントになるのが、親や子どもの持つ「強み」です。

虐待が起きた家庭は、確かに不適切なんでしょうが、何もかも100%ダメかというとそうではありません。

子どもが育っているということは、食べ物はきちんと与えていたりだとか、愛情はあったりだとか(虐待は愛情の裏返しのケースも多いです)、そういった何かしらの強みが必ずあります。

その「強み」をヒントに、課題克服方法を、親だけでなく、子も考える。

だって、虐待の責任を100%親に押し付けるのは、間違っているからです。

「虐待は親が悪い」という先入観にとらわれず、虐待の原因をきちんと分析する。

虐待家庭の改善は、そこから始まります。

「虐待は親が悪い」と短絡的に捉えないでほしいです。

親が自分を責めてばかりでは、本当に解決することはありません。

自分を責めるだけの態度は、冷酷な見方ですが、解決を目指しているのではなく、自分の責任から目を背けようとしているように見えてしまいます。

本当に解決したいのであれば、めちゃくちゃに苦しいですが、親の問題と子の問題の双方に正面から向き合うことから始めなければいけません。

本当に苦しいですが、自分だけじゃありません。児童相談所の職員もお手伝いしますし、児童相談所の職員がイヤなら、他にも、手伝ってくれる人がいるはずです。

少しずつ、やっていきましょう。応援しています。

それではまた明日!・・・↓

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