男女差別はダメだけど、先輩後輩差別は許される社会

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

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【 今日のトピック:先輩後輩文化 】

現代社会において、男女差別は完全にタブーです。

「男女差別」というか、特に、女性を蔑視する発言がタブー視されています。

「女性と議論すると結論が出ない」とか「そういうとこ、女だよね」なんて言うのは、完全にアウトです。

でも、「男ってすぐに結論を出したがるよね」「男ってみんなそう」という発言は、なんとなく受け入れられている感じがします。

女性を蔑視するのがタブーで、男性を蔑視するのは、女性蔑視よりは許容されているのが、現代日本における「男女差別禁止」だと思います。

ま、こういった、女性蔑視のみがタブー視されている「男女差別禁止」に違和感を覚えることは、結構ちまたで言われているような気がしますが、それは置いといて、男女差別ばかりが取り沙汰されるわりに、「先輩後輩」文化が差別に該当しないの?というのは、あんまり話題にならない気がします。

僕も、先輩後輩文化に疑問を覚えることなんて全くありませんでしたが、↓のブログを読んでいたら、目からウロコが落ちました。

橘玲さんの著書で繰り返し指摘されているとおり、合理的な根拠のない差別は、リベラル(個人の自由・人権が最大限尊重される)社会では、許されません。

年齢によって、階級(身分)の区別をもたらす先輩後輩文化は、合理的な根拠のない差別に該当するので、リベラルな現代日本では、決して許されてはならないはずです。

言っておきますが、「合理的な根拠」のある差別はオッケーです。

例えば、生物学的に、女性は出産できて男性は出産できないので、産前産後休暇が女性にしか認められないのは、男女差別ではなく、合理的な根拠のある区別であって、オッケーです。

これに対し、女性にだけ、職場でハイヒールやパンプスの着用を要求するのは、合理的な根拠がないので(パンプスやハイヒールを女性がはくことで仕事の能率を上げることはありませんし、もしそうなら、男性だってハイヒールやパンプスを着用したほうがいいことになります)、男女差別として禁止されることになります。

こんな感じで、合理的な根拠がないのなら、自分ではどうしようもない属性(性別や出身地、人種など)によって人を区別してはならないのです。

だとすると、年齢によって人を区別するのも、禁止されるはずです。

年齢とは、自分ではどうしようもない属性であり、年齢によって、偉い・偉くないだとか、有能・無能が左右されるわけでもありません。

そうすると、年齢や学年それのみによって、人を区別することは、男女差別と同様に禁止されなければなりません。

しかし、この「先輩後輩文化」に警鐘を鳴らしている人は、かなり少数派です。

というか、男女差別撤廃を求めるリベラルな団体が、めちゃくちゃ厳しい「先輩後輩」文化で成り立っている場合もあるでしょう。

男女差別撤廃を求めながら、先輩後輩文化を強要するのは、ダブルスタンダードにほかなりません。

僕としては、↑のブログを読んで、先輩後輩文化に対して疑問を抱くようになりました。だから、職場では全員敬語で話そうと思いましたし、敬語とタメ口を分ける基準は、先輩後輩ではなく、「仲良くなったかどうか」に尽きるように思いました。

ただ、先輩後輩文化をなくそうとするのが不都合な人たちもいるんだと思います。

というのも、仮に、先輩後輩文化がなくなった場合、職場では、実力のみで上下関係が形成されてしまいます。

これは、僕にとっても不都合です。弁護士の世界だって、「修習期」なる先輩後輩文化がかなり根強いんですが、僕も今となっては弁護士6年目で、後輩弁護士もたくさんいます。

その後輩の中で、僕より優秀で仕事ができる弁護士がめちゃくちゃいます。本当にたくさんいます。

完全に実力社会だと、僕より優秀な後輩弁護士たちは、特に僕を尊敬することはなくなってしまいます。

単に弁護士になったのが少し早いだけの「同業者」でしかありません。僕なんて。

そんなの、僕にとっても不都合なんです。先輩後輩によって上下関係が決まり、その上下関係の中で人間関係を形成するのに慣れ親しみすぎた僕にとっては、先輩後輩文化をなくしたいと先ほど書いたものの、なくなったらやっぱり不都合なんです。

とはいえ、そんな不都合よりも、先輩後輩文化がない世界を見てみたい気もします。

僕が弁護士という仕事が好きなのは、「法と論理」が仕事の質を決めるからです。経験年数は全く関係ありません。

サラリーマンだと、年功序列社会で、経験年数が上の人の言うことには逆らえません。

しかし、弁護士は違います。全員、法の下に平等で、法と論理のみで優劣が決まります。

ここが、非常に気持ちがいいんです。

確かに、経験を積んでいけば、仕事の進め方に上手い・ヘタは出てくるんでしょうが、最終的に、法と論理で決めることは揺るぎません。

だから、先輩だからといってたじろぐ必要はありません。だから、僕はこれまで、数多くの先輩弁護士方の胸を借りてきました。

これからは、後輩弁護士に胸を貸してあげる番です。

対等な勝負ができるこの業界を、僕は愛してやみません。だからやっぱり、先輩後輩文化は、ないほうがいいと思います。

先輩だろうが後輩だろうが、敬語で話して、仲良くなったら、先輩だろうが後輩だろうがタメ口で話す。

どうも、こうしたほうが、気持ちよく生きられそうです。

それではまた明日!・・・↓

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