見出し画像

弁護士の僕ならこうやって立退きに対処します-2(立退き要求はとりあえず無視)

【 自己紹介 】

プロフィールページはこちら

このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:賃貸物件の立退き 】

昨日から僕が立退きに直面したと想定して話を進めています。

まあ、昨日は、立退きに直面した場合の「マインド」についてお話しただけで終わってしまったので、まだ全く物語がスタートしていません。

「マインド」というのは、要は、「強気で行け!」ということです。

「立退き」というのは、大家さん視点で見れば、「他人の家の中身をすべて別の場所に移動させること」なので、ハナから難問なのです。

「立退き」は、その構造的に、大家さんにとって不利です。

だから、立退きを求められた借主は、基本的に「強気」でいいんです。

昨日は、こういったことをお話させていただきましたが、今日は、いよいよ物語がスタートします。

さて、ある日、僕が仕事を終えてひとり暮らしをしている自宅に戻り、いつものように郵便受けの中身を取り出していると、その中に、1通、広告チラシでもない、郵便物でもない書類が紛れ込んでいました。

「なんだこれ?」と思い、その書類を読んでみると、どうやら、大家さんが立退きを求めています。

理由は、「老朽化による建物取壊し」です。

「このアパートは、今年で築25年となり、老朽化が進んでいます。住民の皆様には、大変申し訳ありませんが、このアパートは、年明けから取壊工事を実施いたしますのので、本年中にお引越しいただきますよう、お願い申し上げます。」

なんてことが書かれています。

「本年中に」と言われても、今日は、10月1日です。「本年中」と言われても、あと3ヶ月しかありません。

「引っ越し」となると、新しい物件を探すために、ネットで検索したり、不動産屋に行ったりして、かなりの時間を割かなきゃいけません。もちろん、仕事中に引越し先の物件を見つけるなんてできませんから、物件探しは休みの日をあてることになります。

貴重な休日が、物件探しで食いつぶされてしまうのは本当に勘弁してほしいです。

それに加えて、新しい物件を契約する際は、敷金礼金、仲介手数料、家賃2ヶ月ぶんなど、初期費用がかかります。

新しい物件を契約するのは、他でもない僕なので、こういった初期費用を支払わされるのは間違いなく僕です。

仮に、敷金礼金あわせて家賃3ヶ月分、仲介手数料が家賃1ヶ月分で、家賃5万円と仮定すると、初期費用だけで家賃6ヶ月分=30万円も持ち出しとなってしまいます。

これは、本当に勘弁してほしいです。新しい物件に引っ越しせずにさえいれば、こういった初期費用は回避できるわけですから、引っ越しなんかしたくありません。

引っ越しを「引越のサカイ」や「アート引越センター」などの引越し業者依頼する費用もバカになりません。

そして、引っ越しって、お金の問題や物件探しの手間だけでなく、引越し自体がクソめんどくさいんです。いや、本当に。

いくら引越し業者に依頼するといっても、家の中身を全部外に出すわけですから、自分が何もしなくていいわけありません。

まあ、最近の引越し業者は、何もしなくていい「VIP」なコースも用意しているのでしょうが、僕の性格上、「引越し」となると、否が応にも荷物の整理を始めるので、せっかくの「VIPコース」のお金が無駄になってしまいそうで、たぶん、いちばん安いコースで依頼します。

だから、引越し業者が来る前に荷物の整理が必要となり、その作業がクソめんどくさいです。

そして、引越しは、荷物を外に出すだけでなく、出した荷物を、新しい物件の中に入れる作業もあります。

引越し業者に依頼すれば、洗濯機、冷蔵庫、ベッドなどの大きな家具は引越し業者が配置してくれるでしょうけど、その他のこまごました荷物は、自分で全部配置し直さなきゃなりません。

これがまたクソめんどくさい(笑)。

引越しは、当然、休みの日を利用しなきゃいけませんから、引越しのせいで休みの日がつぶれて、その結果、ロクに休養もできないまま、翌週からの仕事に突入することになります。

こんな感じで、「引越し」は、普通に考えて、めちゃくちゃ腰が重たくなるんです。引越しが好きな人も中にはいるんでしょうけど、それはたぶん、自分が好きなタイミングで引っ越すからだと思います。

他の人に「させられる」形で引っ越すことも好きな人は、かなり珍しいでしょう。

こういう感じで、僕は「立退き」なんて、時間もお金も失うし、引越し自体がクソめんどくさいので、誰かにさせられる形ではぜったいにやりたくありません。

そんな僕が、先ほどのような書面を目にしたらどうするか。

僕だったら、とりあえず無視します(笑)。

「立ち退いてください」と大家さんから書面で伝えられたとしても、今この瞬間に、アパートから立ち退かなきゃいけないわけではありません。

「立ち退いてください」という書面を読んだその夜、僕はいつものようにベッドで寝ていいんです。

「立ち退いてください」という書面が郵便受けに入っていたその日も、僕は、いつものように夕飯を食べて、風呂に入って、YouTubeを見て、ベッドで寝ていいんです。

いつもの生活を送ればいい。

大家さんからの書面で、なにか僕の生活が変わるわけではありません。だから、とりあえず無視します。

まあ、これをきっかけに引っ越そうかと思って、引越してもいいんですが、ただ、僕はあんまりオススメしません。

なぜなら、大家さんが立退きを求めているのに、自発的に引っ越すのは「もったいない」からです。

自発的に引っ越してしまうと、立退き料を大家さんから貰うチャンスをみすみす自分で捨ててしまうからです。

立退きを求められたら、大切なのは「粘り腰」です。粘り強く、なるべく引き伸ばして、「もう立退き料払うから出ていってください!」と大家さんに思わせることが大切です。

とはいえ、度を越したらダメです。大家さんに嫌がらせをしたりとか、そういったことをすると、大家さんも開き直るかもしれません。

「そんなに言うなら立ち退いてくれなくていいよ。その代わり、家賃増額させてもらいます」という話を大家さんはしてくるかもしれません。

この辺のバランス感覚は、かなり難しいのですが、それはそのうちお話するとして、僕だったら「立ち退いてください」という大家さんからの手紙は、とりあえず無視します。

「強気のマインド」を思い出してください。

立退きは、その構造上、大家さんが不利なんです。

「立ち退いてください」という書面を無視されちゃうと、次にアクションを起こさなきゃいけないのは、大家さんのほうです。

「立ち退いてください」という書面で借主が立ち退いてくれたら、大家さんとしては万々歳です。

「立退き」の事案は、住民が立ち退いてくれるまで、ずっと大家さんのターンなんです。

ここでいう「ターン」はかなりネガティブな意味です。

「ずっと大家さんのターン」ということは、逆から言えば、住民は、ただそこに住み続けるだけで、大家さんからの攻撃をブロックできていることになります。

だから、「ずっと大家さんのターン」は、大家さんにとって、めちゃくちゃ大変なんです。

大家さんは、1枚目のカードとして、「立ち退いてください書面」という攻撃を仕掛けてきましたが、僕は、この攻撃を「無視する(=何もしない)」という戦法ではじき返しました。

さて、攻撃をはじき返しされてしまった大家さんとしては、次に、どんなカードを出してくるでしょうか。

今日はここまでにします。

それではまた明日!・・・↓

*:;;;:*:;;;:**:;;;:*:;;;:**:;;;:*:;;;:**:;;;:*:;;;:**:;;;:*:;;;:**:;;;:*:;;;:**:;;;:*:;;;:*

TwitterFacebookでも情報発信しています。フォローしてくださると嬉しいです。

昨日のブログはこちら↓

ブログの方針を転換したきっかけについてはこちら

僕に興味を持っていただいた方はこちらからいろいろとご覧ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※内容に共感いただけたら,記事のシェアをお願いします。

毎日記事を更新しています。フォローの上,毎日ご覧くださると嬉しいです。

※心身への負担を考慮し、「書き始めてから1時間くらいでアップする」という制限時間を設けています。

サポートしてくださると,めちゃくちゃ嬉しいです!いただいたサポートは,書籍購入費などの活動資金に使わせていただきます!