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不倫の慰謝料を請求されたら-15(夫からの譲歩)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:不倫の慰謝料を請求されたら 】

今日も引き続き、不倫の慰謝料を請求されたケースについてお話していきます。

さてさて、昨日もかなり自由に文章を連ねてしまいましたが、お付き合いくださってありがとうございました。

昨日は、

「僕にも正義がありました」

「不貞した妻は、夫との関係に辟易としていたのです」

で終わっていましたが、この「正義」が身勝手なのは言うまでもありません。

妻が夫に辟易としていたからといって、不貞していいことにはなりません。

実は、夫婦関係が完全に崩壊しているのであれば、不貞は違法とならないので、慰謝料を支払う必要はなくなりますが、今回の夫婦は、つい最近子どもが生まれていますし、別居しているわけでもありません。

そうなると、「完全に崩壊」とまでは言えないでしょう。

そうなると、どれだけ「辟易としていた」としても、慰謝料を免れることはできません。

↑の話は、身勝手極まりない正義論です。

そうすると、結局僕は、相手が既婚女性であることを知りながらセックスしてしまっていて、慰謝料支払義務があることを理解していながら、「慰謝料支払いたくない」と駄々をこねていることになります。

不貞(=セックス)の立証が難しいことを悪用して、「不貞なんかありません。不貞したんだと主張するなら、裁判で立証してみろよ」と言わんばかりでした。

もちろん、こんなことを明言してはいませんが、夫にとっては、こんな感じに見えているでしょう。

こんな風に見えちゃっている僕は、夫の弁護士に対し、

「慰謝料の根拠についてご説明いただきましたが、やはり慰謝料300万円をお支払いすることはできません」

「しかし、私としましても、早期の解決を望んでいます」

「慰謝料という名目ではなく、解決金として30万円をお支払いすることはできます」

「解決金30万円の支払いについて、応じられるかどうかご回答ください」

「あわせて、▲▲さんと妻の〇〇さんが離婚するかどうかもご回答ください」

と返答しました。

これに対して、夫の弁護士はどう返答してくるでしょうか。

「交渉は難しそうなので訴訟での解決を図ろうと考えています」と返答される可能性もあります。

そうしたら、交渉はおじゃんとなって、訴訟で決着を図ることになります。近日中に訴状が裁判所から届き、弁護士に依頼するなりして、裁判に立ち向かうことになります。

ただ、今回は、不貞の根拠として向こうが提示してきたのが、

・妻の証言

・夫の目撃証言

・LINE履歴

という3つでした。この3つだけで不貞が立証できるかというと、かなり厳しいと思います。

LINE履歴に、「昨日は楽しかったね❤」なんか書かれていれば別ですが、僕は今回、そんなヘマはしていません。

会う約束はLINE上で取り交わしたこともありましたが、セックスにつながる証拠は残していません。

そうなると、夫側としても、交渉でまとめるメリットが出てきます。

夫にも弁護士がついていますから、立証のハードルが高いことはよーく理解しています。

だから、本当に、↑の3つだけが証拠なのであれば、僕の譲歩に対して、何らかの譲歩をしてくるでしょう。

案の定、夫の弁護士は、

「こちらとしましては、不貞はあったと考えておりますので、不貞はなかったというそちらの主張には応じられません」

「しかし、こちらとしましても、早期解決を望んでいます」

「そこで、交渉による早期解決を前提に、150万円を支払うとの内容で合意することは可能です」

「支払名目も、早期解決を前提に、慰謝料ではなく、解決金でも構いません」

という返答をよこしてきました。

300万円からだいぶ譲歩してきました。

当たり前ですが、弁護士が送る内容は、夫本人も了承しています。

弁護士が、本人の了承も得ずに減額することはありません。

だから、夫本人も、弁護士から、立証のハードルが高いことの説明を受けたんだと思います。

いざ裁判となった場合に、今の証拠だけでは立証が難しいかもしれない、という弁護士の説明を聞き入れたのでしょう。

弁護士が入る前は、あんなに感情的になっていたのに、弁護士からの言うことは素直に聞くようです。

しかし、現状でも、

夫:150万円

僕:30万円

と120万円の開きがあります。

この交渉がまとまるのでしょうか・・・?

この交渉がまとまるかどうかは、不貞慰謝料の相場と、「求償の有無」という難しい話について説明する必要があると思います。

この2つについては、明日説明します。

それではまた明日!・・・↓

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