見出し画像

少年審判の種類:審判不開始と不処分

【 自己紹介 】

プロフィールページはこちら

このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

毎日ご覧くださってありがとうございます。本当に励みになっています。

法律に関する記事は既にたくさん書いていますので、興味のある方は、こちらにテーマ別で整理していますので、興味のあるテーマを選んでご覧ください。

【 今日のトピック:少年審判 】

昨日は「少年法」から始めましたが、途中でかなり脱線してしまいまい、結果的には少年法ではなく、民事上の損害賠償責任について書いてしまっていました汗

少年事件も刑事事件もですが、少年事件や刑事事件とは別に、民事的な責任も発生します。

「刑事責任と民事責任」というやつです。

ただ、少年事件では、「少年責任」なんてものは発生しません。

だって、少年事件は、少年に制裁を加えたり、刑罰を与えたりするものではないからです。

少年法は、少年を「守って」いて、そのせいで「必要な刑罰が与えられていない」、という批判もありますが、少年だろうが成人だろうが関係なく刑罰を加える社会が、本当に良いのでしょうか。

少年は、その年齢がゆえに少年法が適用され、刑罰を加えられない可能性がある、というほうが僕は好きです。

少年に少年法が適用される理由は、少年には、刑罰を加えるよりも、少年法上の保護処分を加えたほうが、社会にとって有益だから、ということです。

社会にとってプラスに働くからこそ、刑罰よりも「保護処分」を与えるのです。

で、今日は、その「保護処分」の種類について説明します。

実際に、どんな「保護処分」を下せるのか、その種類について説明します。

(今日は「虞犯少年」について説明すると昨日書いたので、一応説明しておくと、「虞(ぐ)」とは、訓読みだと「おそれ」で、「可能性」とか「危険性」という意味です。だから、「虞犯少年」というのは、「犯罪の危険性がある少年」のことです。)

保護処分を軽い順に説明すると、まずは、「審判不開始」というのがあります。

これは、厳密には、「保護処分」には含まれません。

あと、「不処分」というのもあります。これも、「処分しない」という結論なので、厳密には「保護処分」には含まれません。

じゃあ、「審判不開始」と「不処分」の何が違うかというと、「審判不開始」というのは、審判期日すら開かずに終えるということで、「不処分」は、審判期日は開いた上で「処分しない」と結論づけることです。

審判期日って何をするかというと、少年本人と、その両親に裁判所まで来てもらって、裁判官が直接質問して話を聞きます。

少年審判というのは、警察または児童相談所が、少年を家庭裁判所に「送致」することから始まるのですが(「送致」というのは、まあ、事件を「送る」「引き継ぐ」ぐらいに思っていてください)、「送致」すると、送致日から約1ヶ月後に「審判期日」が指定されます。

で、その審判期日に向けて、家庭裁判所の「調査官」という人が、少年についていろいろと調べます。

もちろん、送致の段階で、警察または児童相談所から引き継いだ証拠書類がいろいろとあって、それだけでも膨大な量なんですが、これにさらにプラスして、家庭裁判所も調査します。

「送致」した段階で、裁判官は、その少年を鑑別所に入れるかどうかを判断するんですが、鑑別所に入れてしまえば、鑑別所の中でいろいろと調査することができますが、鑑別所に入れない場合は、少年を裁判所に呼び出して面接したり、少年の通う学校を訪問したりして調査します。

ま、こういう調査を約1ヶ月間やった上で審判期日を迎えるわけですが、「審判不開始」というのは、審判期日に先立つ調査の結果、審判期日すら開かなくていいよね、と裁判官が思った場合にくだされます。

「不処分」というのは、審判期日に先立つ調査の結果、審判期日を開かなくていいとまでは思わなかったので審判期日を開き、その審判期日少年本人及び両親の話を聞いたけれども、その話と調査結果を踏まえ、処分は不要だよね、と結論づけることです。

今日はここまでにして、明日は、処分を下す場合の、処分の種類について説明します。

審判不開始や不処分のように、処分を下す必要がないとまではいえないから処分を下すのですが、その処分にはどんなものがあるかについて説明します。

それではまた明日!・・・↓

*:;;;:*:;;;:*:;;;:*:;;;:*:;;;:*:;;;:*:;;;:*:;;;:*:;;;:*

TwitterFacebookでも情報発信しています。フォローしてくださると嬉しいです。

昨日のブログはこちら↓

僕に興味を持っていただいた方はこちらからいろいろとご覧ください。

━━━━━━━━━━━━

※内容に共感いただけたら、記事のシェアをお願いします。
毎日記事を更新しています。フォローの上、毎日ご覧くださると嬉しいです。

サポートしてくださると,めちゃくちゃ嬉しいです!いただいたサポートは,書籍購入費などの活動資金に使わせていただきます!