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親が子どもの「代理人」であるとは

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

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【 今日のトピック:子どもの代理人 】

「親が勝手に子どもの名前で契約する」なんて、そんなことあるのか?という感じですが、めちゃくちゃよくあります。

例えば、生まれたばかりの子どもの名前で預金口座を開設して、その口座に夫婦で貯蓄する、なんてことありますよね?

これは、間違いなく「親が勝手に子どもの名前で契約」しています。預金口座の名義人本人は、まだ「預金口座」の意味すら理解できない赤ちゃんです。

「子どものために積み立てる」なんて親は思っているかもしれませんが、そんなのは親の勝手で、子ども本人がどうしてほしいかは完全に無視されています。

こんな感じで、親は、子どもの意向を無視して、子どもの名前で契約することができます。

なぜなら、親には、子どもの「代理人」であると民法に書かれているからです。

民法の824条には、「親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。」と書かれていますが、この条文こそ、親が「子の代理人である」ことの根拠です。

正確には、「親」ではなく、「親権を行う者」ですね。

「親権を行う者」は、「親権者」とほぼイコールで、父母の婚姻中は、父母の双方が共同親権者となります。

父母が離婚すると、どちらか片方が単独親権者となります。

そういう風に、未成年の子どもは、民法に従い、誰かしらの親権に服するわけですが、その親権者は、子どもの「代理人」となります。

「代理人になる」というのは、どういう意味かというと、「子どもの名前で契約できる」ということです。

例えば、先ほどの銀行口座を開設する場面を例にあげると、銀行の支店に行って口座の開設手続き(開設の申請書類に名前を書いたり、届出印を押印したり)をするのは親権者なんですが、しかし、最終的に出来上がる銀行口座の名義人は、親権者ではなく、子どもなんです。

本来、誰しも、自分名義の口座しか作れないんですが(例えば、僕が銀行の支店に行って、自分以外の名義で口座を開設したいと言っても、「そんなことできるわけないでしょ」と言って追い返されてしまいます。オレオレ詐欺が流行っている現在の状況では、自分以外の名義で口座を開設してくれる銀行は、まずないでしょう。)、親権者は、子ども名義の口座を作れるのです。

それは、親権者が、子どもの「代理人」となれるからです。

親権者と子どもは、間違いなく別の人間ですが(別々の人間としてこの世に存在していますし、戸籍上も、親と子は全く別の人間として扱われています。)、にもかかわらず、親権者は、別の人間である子どもの名前で口座を開設することができちゃいます。

これはひとえに、親権者が、子どもの「代理人」であると民法に書かれているからなんです。

なんか、同じことをなんべんも繰り返しているだけな気もしますが、「親と子は別の人間」なので、本来、親子とはいえ、自分以外の名前で預金口座を開設することはできないんです。

それを可能にしているのが、「親権者は子どもの代理人である」と書いている民法の条文です。

その結果、いくら親でも、親権者でなければ、子どもの名前で預金口座を開設することはできません。

親権者でない親は、子どもの代理人ではないからです。

さらに言えば、子どもが成人すれば、親権はなくなるので、親が子どもの代理人ではなくなり、その結果、親は子どもの名前で預金口座を開設できなくなります。

さて、今日はめちゃくちゃ基本的なことを書きましたが、明日は、「親が子どもの代理人である」という話が、「親と子の利害が対立する場面でどうなるか?」ということについてお話したいと思います。

それではまた明日!・・・↓

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