Jay:海外で28年間 働いた人

元ソニー。香港、中国、台湾、ベトナム、オーストラリアと28年海外勤務。3ヵ国で現地法人…

Jay:海外で28年間 働いた人

元ソニー。香港、中国、台湾、ベトナム、オーストラリアと28年海外勤務。3ヵ国で現地法人 社長。今は、時々プロボノ、時々ビジネスアドバイザー。 世界で働いて体験したこと、気づいたことを書いています。

最近の記事

深圳のバブルを目の前で目撃し、つかの間のチャイニーズ・ドリームを楽しませてもらった話し。

香港返還1997年からミレニアム2000年頃にかけて、中国・深圳はかなりのバブル状態であったと思う。 どんどん新しい高層ビルが建ち、街の人口も10年間で数十万人から3百万にくらいに急増していた。 私は、中国工場にVCD (CDフォーマットで映像がでる規格)プレイヤーを製造するのに必要な、キーデバイス (光学部品と半導体)を販売していた。 1993年、香港に赴任して中国工場を訪問し始めた頃の中国は,とても貧しかった。 大型の旧国営工場は図体は大きかったが、VCDのような新し

    • 【経営メモ】仕事の存在意義。会社の目標値を毎日追いかけるだけで、疲れてしまっている人向けの記事。

      会社で働いていると、とかく、毎日数字を追いかけることになる。 特に、会社の利益がでているかどうか、売り上げが伸びているどうかは、会社にとって死活問題なので、数字が順調かどうかにマネジメントは特に、神経を尖らす。 マネジメントが数字を追うということは、その部下も数字を追うことになる。 会社が年度の計画を立てる。 分かりやすい例として「売り上げ」。 年間の売り上げ目標が1,200億円とか作られ。それが営業1部は360億円、営業2部は200億円。。。と配分される。 営業1部の1課

      • 【経営メモ】社長をやっている人で、自分がもう1人いればいいのに、と感じたら読む記事

        社長や部下を持っている人で、自分がもう一人いれば、もっと会社を上手く回せるのにと感じるている人はいないだろうか。 社長をやっている人は、もともと成果を上げていた人であり、中小企業の社長の場合は、それこそ、一部の苦手な分野を除いては、会社の事は全部分かっているという感じなので、部下のパフォーマンスをみて、自分の分身がいてくれたらと感じでしまうものである。 (そもそも、社長の給料は一番高いので、簡単に分身は雇えない。だから、あなたに、会社は一番高い給料を払っているのだが。。。)

        • 【経営メモ】社員に不評のマイクロマネジメント。チームを率いるヒントとなるManagement by walking aroundという手法。

          マイクロマネジメントという言葉は、よく社員から上司や管理職への不満の言葉として取り上げられる。 部下の人からすると、上司がなんでもかんでも自分の仕事範囲内に入ってきて、ああだこうだと言われるのは、面白くないというのはよく耳にする話である。 ググると、 「マイクロマネジメントとは、上司やリーダーが部下に対して細かすぎる管理をするなど、過干渉を意味する間違ったマネジメント手法です。 マイクロマネジメントは、社内の人間関係を崩す要因の1つとして、危険視する企業も増えています。」

        深圳のバブルを目の前で目撃し、つかの間のチャイニーズ・ドリームを楽しませてもらった話し。

          【経営メモ】社長として、財務諸表の数字背景が分かっておらず、痛い目に会った話し。

          会社の健康状態を測るのに、財務諸表を最低3期に遡って読むのは大切な作業である。 また、見る時は、PL, B/S, Cash flowの3つを合わせて見ることが重要になる。 よくありがちなのが、B/S、Cash flowを財務部に任せて、PL上、それも単年度のPL上で十分な利益があれば問題なしと、短絡的に考えると、ほぼ間違いなく痛い目にあう。 今日は、私の痛い経験から、販売会社の財務管理でよくトラブルケースというのを書いてみようと思う。 顧客との間に、複雑なリベートやイン

          【経営メモ】社長として、財務諸表の数字背景が分かっておらず、痛い目に会った話し。

          【経営メモ】功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ。会社経営では、人事が一番大切。

          私は海外の子会社の社長を3ヵ国、計17年務めましたが、国が違えど、販売する商品、サービスが違えど、会社員運営にとって1番重要なのは、組織でした。今日は、強い組織について書いてみます。 海外販売子会社の毎日というと、やはり売り上が一番気になります。売り上げが計画通りに進んでいるか、コストや経費が計画された数字より低く押さえられているか。 売り上げと経費の二つの数字が順調であれば、一番大切な利益が確保できるということです。 社長の仕事もこの2つの数字を追いかけるに、その多くが費

          【経営メモ】功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ。会社経営では、人事が一番大切。

          偉い人が海外出張にきて、駐在員に魂を吹き込んだ話

          海外勤務では、本社の偉い人と会う機会が多いが、ポジションが高いからといって、この人は凄いと感じることは、実は驚くほど少ない。 でも、稀に、本当に尊敬できると感じられる人もいる。 今日は、その香港赴任時代に経験した、駐在員に魂を吹き込んだ本社の部長の話しを書こうと思う。 先進国に比べると、当時の中国(1995年頃)は、まだ社会システムやインフラが驚くほど貧弱だった。 私達のようなインターナショナルビジネスマンにとっては、なによりもまず不便だったのが国境、イミグレーションであ

          偉い人が海外出張にきて、駐在員に魂を吹き込んだ話

          海外で働いて、うんがついていた話し

          入社3年目で香港赴任、中国市場担当になった。 仕事は、毎日中国の電機工場を訪問して、CD player用のキーデバイスを販売することであった。 当時、先進国ではレコードに代わりCD playerが急速に普及していた。 順序で行くと、次は中国市場が立ち上がる予定であった。 中国市場黎明期、私は毎日のように、初見の中国電機工場を訪問していた。 しかし、CDプレイヤーが何であるかをまだよく理解していないケースがほとんどで、9割方商談は上手くいかなかった。 今日はなかなか上手くいか

          海外で働いて、うんがついていた話し

          毎日、定時に退社できる社会の方が、幸せ度が上あがりますよね。海外にはそういう国が沢山あります。

          日本人の感覚からすると、残業のない社会、打刻のない社会は、夢のような社会に思えるけれど、実際、世界にはそういう国が沢山ある。 私が体験したオーストラリア、ニュージーランドが、そういう国であり、 イギリスを中心とした欧米にも、打刻のないサラリーマン会社は沢山あると思う。 オーストラリアは、仕事よりも個人の時間、個人の幸せに重点をおく社会である。残業は超悪者として位置づけられている。 よって、俗にいうwhite colourのサラリーマン会社においては、残業、打刻といったものが

          毎日、定時に退社できる社会の方が、幸せ度が上あがりますよね。海外にはそういう国が沢山あります。

          海外で仕事をしていて、本気でびびったこと

          誰しも仕事をしている中で、何度かは、びびる体験をしていると思う。 こわい上司に大会議で詰め寄られた時、担当する会社で巨額の焦げ付きをだしたとき、何十万円もかけて制作したポスターに、見逃せない誤字を出してしまった時、とか。 30数年のサラリーマン生活で、私も数々のびびった経験があるが、入社7年目くらいに、これは死ぬかも、というくらいびびったことがあるので、今日はその事について書いてみようと思う。 その事件は、インパクトがあまりにも強かったために、それ以来、びびることがあって

          海外で仕事をしていて、本気でびびったこと

          NVIDIA社長の講演を聞いて、ピンチはチャンスというのは、人生の真理だと思う

          最近、時価総額世界1位で話題をさらっているNVIDAの社長黄さんが、台湾のIT Showに来て、トークショウで語ったyoutubeを見た。 (設定アイコン➞字幕➞自動翻訳をクリックすると日本語字幕で見れる) インタビュアーが、どのような人が成功するかと尋ねたところ、単に優秀な大学を出た頭のよい人が成功するわけではない。 成功するのは、やり抜く力、耐える力がある人、(10年前くらいに流行った理論で)GRITのある人だと答えた。 GRITは学校で勉強したり、授業で習ったりする

          NVIDIA社長の講演を聞いて、ピンチはチャンスというのは、人生の真理だと思う

          台湾の大富豪、鼎泰豊のオーナーから学んだ、働く姿勢

          前回、オーストラリアの資産3,000億円の大富豪の話しを書いた。 - 街から離れた広い家、家庭菜園をして、鶏を飼って、自給自足の朝ご飯 - 車や服装などに、必要以上にお金をかけない - 84歳の年齢を言い訳にせず、テニスコートをこれから新装する オーストラリアの大富豪は、お金を沢山持っているからといって、いたずらに贅沢はせず、とても丁寧な生活を送っていること。 そして、高齢にも関わらず、元気いっぱいで、まだまだテニスを楽しむ姿勢を持っていることなどを書いた。 (私は彼のラ

          台湾の大富豪、鼎泰豊のオーナーから学んだ、働く姿勢

          資産3,000億円 オーストラリア大富豪の友達、彼の私生活と生き方から学んだこと

          私は最近までオーストラリアに駐在していたのだが、その時に、ひょんな事から大富豪と知り合うことになり、彼の家に招待されて、時々一緒にテニスをする仲になった。 その中で、彼の生き方から私が学んだこと、感じたことを皆さんとシェアしたいと思う。 彼とは、Gerry Harveyという人である。 有名人なので、ググると簡単に情報が出てくる。 彼は、オーストラリアで一番大きな家具屋と家電量販店の創業者/会長である。 TVやメディアにもたびたび登場するので、オーストラリア人なら誰もが知る

          資産3,000億円 オーストラリア大富豪の友達、彼の私生活と生き方から学んだこと

          海外に比べて日本人の給料が上がらないのは、なぜ?

          ネットで少しググると、過去20年くらいの主要国の給料増加の推移資料が簡単にみつかる。 こうした統計数値は統計のマジックや、為替の影響なども受けるので、給与推移の各国比較を緻密にみても意味がなかったりすることもあるが、それにしても、この図からは、日本だけ給料が上がっていないことがハッキリとみてとれる。 ちょうど、日本の給料が上がらないというこの期間1(1990年代から)、私は、香港、中国、台湾、ベトナム、オーストラリアで働いていた。 国際会議などで、各国の子会社の経費議論(

          海外に比べて日本人の給料が上がらないのは、なぜ?

          個人レベルの仕事品質が高いのに、欧米企業に勝てないのは、なぜか?

          海外で生活をしてみると、日本の方が圧倒的に便利、できが良いということがよくあると思う。 例えば、コンビニ 海外でもコンビニはあるが、その商品内容、サービス内容において、日本は圧勝である。 私がいたオーストラリアだと、コンビニの棚には、同じ商品がだーっと並べられていたりする。ポテトチップスの同じブランドの袋がずらーっと並び、そして、隣の棚にはコカ・コーラがずらり。 数えたことはないが、同じ面積のコンビニで、日本とオーストラリアだと、おそらく100倍くらい商品数が違うのではない

          個人レベルの仕事品質が高いのに、欧米企業に勝てないのは、なぜか?

          中国でどぶ板営業をして、人生は定規で線を引くようには進まないと、体得した話し。

          大手JTC電機メーカーに就職してまだ、3年しかたっていない頃、私は中国でとぶ板セールスをしていた。 オーディオのメディアとしてのカセットテープがすごい勢いでCDに代わっていく時代、私は、CDプレーヤーに使うレーザー部品や半導体を中国の工場に販売する仕事をしていた。 当時は、中国市場で外国企業が販売活動をするのが許されたばかりの時代で、本社からみても、中国にどれだけのポテンシャルがあるのかよく分からず、香港販売子会社に赴任した私が、とりあえず、1人中国担当となった。 中国

          中国でどぶ板営業をして、人生は定規で線を引くようには進まないと、体得した話し。