『虫』正源宗之の雑歌詩集より
私は虫となりその世界を見る事に
折も折国道において幅四十センチ高さ二十センチの
土砂崩れが発生付近を通行中のアリ数匹が生き埋めに
自力で脱出できるのか
二次災害のおそれあり救出はできないとか
土砂崩れの原因は?
その数時間前 カエルが通る際オシッコをして立ち去ったと言う
目撃証人 いや虫が現れた
カエルのオシッコにより地盤がゆるみ崩れたとの見方もある
道路を管理する国の責任なのか
はたまたカエルなのか
犠牲者であるアリは裁判にもちこんだ
保証を得るため
原告側のアリの弁護士は地質に詳しいミミズが引き受けた
さて 裁判の行方は
全ての人 いや虫の関心は強く
注視の裁判となる事は間違いなさそうだ
ちなみにその弁護士こそ
虫になった私である
ミミズではね 少し気持ちがね
虫も人間社会と変わってはいなかった
『虫』 正源宗之
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