江國香織の作品がバイブルだ、というヒトたちへ

江國香織の作品たちは、わたしのバイブルだ。
出会いは覚えていないけれど、
少なくとも中学生の時には
まちの図書館で
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」
の意味について考えていたし、
ませた男の子から誕生日のお祝いに
「東京タワー」をプレゼントしてもらっていた。
だから小学生の終わり頃には
わたしの人生に
江國香織が存在していたのだと思う。

すきなところを、なにひとつ
書き漏らすまいとすると、
たくさんあり過ぎて何も書けなくなってしまう。
あえてひとつ、あげるとすると
さいしょに思いついたのがサイン。
あの、右下がりの、少女のように自由な
「江國香織」の4文字。

江國さんの作品のなかの登場人物は、
大人であればあるほど
子どものように
のびのびと自由に振るまう。
(子どもたちは学校という社会のなかで
雁字搦めにされている)

そんな女性たちの
身軽さ
身勝手さ
うつくしさに
子どもの頃のわたしは憧れたのでした。

骨ごと溶けるような恋があるということも
誰かをすきだからといって、
誰かをすきじゃないということには
ならないということも
仕事は安定剤であるということも
結婚すると男のひとは
話を聞かなくなるということも
ゴディバよりもリンツのチョコレートの方が
好みだということも
シシリアンキスやミントジュレップといった
カクテルの存在も
小説を持ち込んだ朝風呂や長風呂も
ぜんぶぜんぶ
江國さんの作品から知ったのでした。

大人になった今
改めて読みなおしてみると、
なんとなくあったこれまでの
おきにいりランキングが
ごっそりと入れ替わりそうな予感がしました。
ちなみに子ども時代からの
おきにいりランキングはこちら。


1 神様のボート
2 冷静と情熱のあいだ
3 東京タワー
4 ホリー・ガーデン
5 きらきらひかる
6 落下する夕方
7 がらくた
8 金平糖の降るところ
9 真昼なのに昏い部屋
10 スイートリトルライズ
(新潮文庫をひいきしがち)


短編集とかエッセイが入っていないのが
子どもらしい。
これからそれらをじっくり読みなおしてみて、
最新版のランキングを整えたいと思います。
ぜひみなさんのランキングや
江國さんのここがすきということ、
教えてください。

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