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「素直な人生」想像以上に難しい【 嫌われる勇気 】岸見一郎・古賀史健


今年初めに書いた目標の中で今年中に読むと書いていながら全く手つけてない本あることをふと思い出した。
というより新年の目標ほとんど叶ってない説()

1つでも読み切るために思い切って手に取った1冊を紹介しよう。



今回は

岸見一郎・古賀史健 著

嫌われる勇気
自己啓発の源流「アドラー」の教え


著者の説明前に

そもそも「アドラー」とはなんぞ?

と気になった人も多いはず。

アルフレッド・アドラーというオーストリアに実在した精神科医のこと。

その彼が提唱した考えこそが今回の本題である
アドラー心理学です。


「人は目的のもと生きている」
「幸せになるには勇気を持つ」
というテーマからできた心理学
です。

(以下参考文献 2023/11/13在)


結論に近いことを言いますと自分らしく生きることで人は幸せになれるという考えです。


そして著者の2人の説明も。

岸見一郎さんは哲学者をされており、アドラー心理学を研究し、日本アドラー心理学認定カウンセラーをされています。
古賀史健さんはライターをされています。
20代の終わりにアドラー心理学に出会ったのをキッカケに岸見さんを訪ねたことが繋がりだそうです。
(巻末を参考)

本書はアドラー心理学を教える哲人
それに疑念を抱き論破しようとする青年
の2人で議論形式で話が進んでいきます。

無礼を承知で書かせていただくと"ムズカシイ"という感想しかなかった。

そのため少々ザックリめの感想になるかもしれませんが温かい目で読んでいただければ嬉しいです。


それでは解説していきましょう。



人は感情を捏造する生き物

本書の初めに青年は「何年も自室に引きこもっている友人」の話をあげます。

その友人は社会的にも有能な男ではあるものの外に出るのが怖いと言い、過去に何かしらのトラウマがあったようです

形は違えどトラウマによって前に進めなくなる出来事は我々にも該当することでしょう。

この問いに哲人はアドラー心理学の考えに沿ってこう結論づけています。

ご友人は「不安だから、外に出られない」のではありません。順番は逆で「外に出たくないから、不安という感情をつくり出している」と考えるのです。

27ページ

つまり「外に出ない」という目的を叶えるために不安を持ってきているわけです。

これは読んだ私も驚愕でしたがアドラー心理学ではトラウマそのものを否定しているようです。

本書の例だと「怒りに駆られて大声を出した」というシチュエーションも「大声を出すために怒った」という目的論になるというわけです。

人は感情を捏造するとも書かれていることから怒りや感情は出し入れ可能な道具とも本書には書かれています。




不幸とはあなた自身が「選んだ」もの

先程の話の延長になります。

青年にとっての「社会的にも有能」とあげた友人のお話。
青年にとって友人のようになれたら幸せだと思うと仰られています。

それについて哲人は彼のようになれたら幸せと思うなら、あなたは今幸せではないわけですね?と切り返します。

この会話の通り自分のことを胸張って「好き」と言える人はひと握りになるということです。
「○○のようになれば」という自分の今を捨てれば幸せになれるかもと抱く人は人類大半に当てはまるのではないでしょうか?

俗に言う " ないものねだり " というやつでしょう。

本書では結論として

「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」

44ページ

ミニマリストが掲げる「今あるものに感謝する」マインドに近いものを感じますが人生においても必要な思考でしょう。

経験あるかもしれませんが、自分が思ってもみなかった所を良さとして褒められる経験は私自身おおくあったなぁという印象です。

歌うの上手いと言われたこともあったり不意に出る発想オモロいなど自分ですら知らない1面というのは誰しも存在します。

つまり考え方次第で自分の境遇を幸福とも不幸とも捉えられるわけです。

すなわち不幸である現状を自身で選んだということになります。

逆にいえば、幸福もライフスタイルもある程度自分で選べるという結論にも辿り着けるということです。

つまり人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

52ページ


長くなりそうなんでマキで進めていきますがありのままの自分を受け入れよということです。

本書は上記項目のような思考を改めて見返せるようなアドバイスが展開されていきます。



コンプレックスを気にしてるのは自分だけ

もしかすると本書以外でも見覚えあるフレーズかもしれませんがすべての悩みは対人関係というワードが本書のテーマとして登場します。

本書での例として赤面症で悩んでいる女学生の話に移ります。
お付き合いしたい男性がいるので「赤面症を治し告白したい」と仰ります。

それについて哲人は赤面症が治らないのは赤面という症状が彼女にとって必要だと問います。
これだけでは難しい話なので結論を言いますと「もしも○○が治れば」というのは失敗した時の保険になるということ。

この話から推測できるように人は対人関係で傷つくことを過剰に恐れる生き物なのです。

本書に出てくる哲人も身長155センチと設定されています。
初めは背の小ささがコンプレックスだったものが「人の警戒心を解ける武器」ということに気づき今では悩むことが無くなったと書かれています。

つまりコンプレックスは視点を変えるだけで武器になるということ。

問題は、その身長についてわたしがどのような意味づけをほどこすか、どのような価値を与えるか、なのです。

76ページ

そして話が脱線しそうではあるものの大事なので追加で説明すると

健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。

92ページ

そう、対人関係だけでなく本当のライバルは「弱気で後ろ向きな私」自身なのです。

これだけで解決策になってねーよ。という感想も飛んできそうだが結論っぽく書くとコンプレックス及び個性は捉え方次第ということです。



承認欲求を捨てよ

これは日々SNSやアウトプットする立場としては耳が痛い内容でもある。

承認欲求は一言でまとめるなら " 他者から認められる事 " となるでしょう。
「 私には価値がある 」 と肯定された気分になりますが裏を返せば「 価値がない 」とも思わせるまさに希望と絶望、表裏一体なわけです。

この心理の正体ですが、例で言えば教育でしょう。
「周りのゴミを拾う」「周りの行動を率先する」などすれば褒められやすい訳ですし、それがモチベーションとなります。

しかしアドラー心理学ではそれを否定するとのこと。

われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」

135ページ

親の顔を気にして「いい企業に入る」「結婚相手も親が認めてくれそうで選ぶ」など世間体に近いもので選択する人は多いかもしれません。
ただ想像の通り、これでは自分の人生を歩めていると自信もって言えないでしょう

私たちは「他者の人生」ではなく「自分の人生」を生きるべきなのです。

よく介護施設や病院で働く人が患者や高齢者から聞くとされる「自分に素直に生きればよかった」という後悔もおそらく他者の人生を生きてしまった結果でしょう。

その第1歩こそが承認欲求という他人視点を捨て、いや私含めすぐ捨てるのはハードル高いので「無理のないペースで自分の人生に軸を固めていく」というのが私なりに受け取ったうえでの本書への感想です。




自己と他者の課題に線引きせよ

先程の承認欲求の続きに近い話。

本書の例を借りれば
勉強しない子供に「勉強しろ!」という親というシチュエーション。
これは誰しもが体験した事あるかもしれない。

アドラー心理学では「自分と他者の課題で切り離す」という考えに至ります。

勉強するかしないかは子供自身が決める結論になるわけです。
いくら子供とはいえ他者になるので全てが思い通りになる訳ではないのです。

例えは極端ですが大事なのは「他者の課題に介入してはいけない」ということ。

というより個人的には「自分の中でどうにかなるものに目を向けろ」な形で解釈しました。

海外のことわざに馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできないというものがあります。
水を飲めるシチュエーションでも実際飲むか否かの決定権は馬にあるということ。

これを人に当てはめると
親がいくら教材や塾などの勉強機会を与えたとしても活用するか否かは子供次第となるわけです。

読んでおられる方が保護者様の場合もあるので反発というか困惑するでしょうが変わるも変わらないも相手次第ということです。

自分を変えることができるのは、自分しかいません。

143ページ

これ以上語っていくと着地点なおさら迷いそうなのでこの辺にします。

ここでは、とりあえず、、
・自分と他者の課題を別物として認識せよ。
・「自身の考え」などの変えられる事にだけ集中せよ。

とだけでも覚えてください。



対人関係のゴールは「共同体感覚」


いきなり聞いたこともねぇ単語出てきたーーと思った人も多いので軽く説明いれておきます。

今まで対人関係の問題に触れてきました。
この投稿では長くなってきたので敢えて省きますが人は他者を敵とみなすような書き方が多い印象です。ここ深堀してくと更に複雑になると感じたので軽く触れる程度にしますね。

結論から言うと
他者に仲間意識をもち、その人達に貢献しているという実感を持つことが大事ということです。

他者を仲間だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることを、共同体感覚といいます。

179ページ

アドラー心理学では共同体を「家庭・学校・職場・コミュニティ」など自身の周りだけでなく国家や人種、動植物などの森羅万象を含めて1つと認識しているようです。

規模デカすぎて実感湧かねぇよ泣
という声も聞こえる気もする。というより書いてる俺ですらチョトナニイッテルカワカンナイ状態になりかけたくらい困惑した。

わかりやすく周りの人間関係にフォーカスして書いていきますね。
この感覚を持ちつつ自己への執着から他者への関心に切り替えることが大事だと本書にも記されています。

世界は俺を中心に回っているというフレーズを聞いたことある人もいるかもしれません。
これを見る人の場所や角度によって中心は無限にあると言うことを理解し、自分はちっぽけな存在だと認識せよと私には聞こえた気がします。

ここは書いていくとキリがなくなる程長い話なのでご勝手ながら一旦割愛します汗

とりあえず私たちはこの世の森羅万象の一部なんだということだけでも覚えていただければ大丈夫です。多分。



横の関係を意識する

先程から人間関係、共同体感覚と頭が痛くなるワードばかりぶつけてきたので少し柔らかめの話を挟みましょう。

課題を分離することが大事、良好で強調し合える関係をどう築いていくかについて本書では横の関係という話に移っていきます。

アドラー心理学の考えでは他者とのコミュニケーション、親子関係などで褒めても叱ってもいけないというのが重要になるとのこと。

少々荒れそうな内容なので説明していきますと

ほめるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。

197ページ

褒めたり叱ったりする行為はザックリ言えば
「 自分よりも能力の劣る相手を操作すること 」
になってしまい、上下の関係になってしまう
のです。

これは厳しめな親子関係、職場での立ち位置で考えれば親密でも少し格上に見えてしまうことは想像だけでも実感湧くはず。

そもそも劣等感とは、縦の関係の中から生じてくる意識です。

199ページ

劣等感の話もここに繋がると気づいて後半で一気に驚かされましたわ。
確かに劣等感を覚える時って相手が上に見えちゃうんですよね。

劣等感を感じさせないためにも他者を「評価」しないという意識は特に重要ということです。

ある意味、承認欲求を求めるな はこの点に繋がるのだと個人的に感じました。


では横の関係はどう作ればいい?と疑問湧いたことでしょう。
本書では横関係の築き方について「勇気づけ」という単語を用いています。

シチュエーションで説明すると。
風呂の掃除をした時、片付かない仕事へのヘルプなど誰かのためにやった事に対してのかけ方に違いがあるということ。
ここでかけるべき横関係の単語こそが
・ありがとう
・助かった
などのお礼の言葉
が該当します。

もしも横の関係を築けているのなら、もっと素直な感謝や尊敬、喜びの言葉が出てくるでしょう。
(省略)
人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。

205ページ

してもらった時、自ら進んでしてあげた事に上記の単語が出れば嬉しいことは誰もが想像する通りだと思います。

ここもまとめづらい章なので一旦割愛しますね。


「主観で貢献している」という自信が大事

「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」

205ページ

ここまで書いてきたので予想はつくかもしれませんが、人は他者に貢献できているとう実感さえ持てれば自ずと勇気が湧くものなのです。

他社貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるもの

238ページ

本書では仕事の本質は、他者への貢献とも章の題名で書かれています。

日本企業のみならず世界的な企業。ましてや富裕層にまで全てに値することです。

ビル・ゲイツなどの世界的にも成功して莫大な資産を持っている人達がリタイアせず働き続けるのは他者に貢献することで自分の存在を実感しているからだと個人的な見解ですが認識しております。

仮にコンビニのアルバイトの立場でも「この弁当でお客さんの空腹満たしたり幸せの一欠片になってるんだろうな〜」「学生達が買っていったお菓子とそれを共有する時間にも貢献できたな〜」という想像のように他者貢献は働く人すべてに該当するはずです。

話をまとめますと

・誰かに褒められるためでなく「自分がしたい」という見返りのない能動が大事
・私は存在しているだけで誰かの役に立っている
・「他者への貢献」こそが幸せの到達点

というのが本書を読んだうえで私が取り入れた答えです。


自由とは他者から嫌われること

ここまで書いてきたのでまとめるまでもないと思いますが自身への再確認のため触れていきます。

アドラー心理学は自分らしく幸せに生きるという考えのもと語り継がれてきた考えだと冒頭で触れました。

・コンプレックスも自分の必要な武器として捉えよ
・承認欲求などの他者への依存を捨てよ
・他者への共同体感覚を実感せよ
・「自分がやりたくて行っている」というのをモットーに動け

など様々な点に答えが書いてあり複雑ながら奥深いというのが私が本書読み終えたときに得た感想でした。

一言でまとめるなら

アドラー心理学から得た自分らしく生きるマインドを胸に自己に正直に生きよ

というのがテーマでしょう。

そうすると他人から拒絶される場合もあるでしょう。
本書の題名である「嫌われる勇気」とは嫌われるリスクを恐れず自分らしく幸せに生きることというマインドから来ているのでしょう。

自分らしく生きるとそりゃ離れる人間関係出てくることもあるでしょう。
逆にいえばありのままの自分を受け入れてくれる存在を大切にすれば人間関係の問題も完全でなくとも解決するようにも捉えれますし。

誰にどう思われようが(もちろん法律などモラルは守ったうえで)これが私なんだ!私の掲げる幸せなんだ!!という自己肯定を得ることこそが自分の人生を生きるということになる。
というのが本書から得た私の結論です。




といった所で終わりにしますかね。


この本、内容は入ってくるものの話としてまとめるのが想像の何十倍も大変だったので充分に伝えきれなかった事だけ後悔。。。

ただ読んでみると想像以上な発見あること間違いなしですし、人によって響いた点や心に残った点は変わっていくことでしょう。

この投稿で伝わったかわかりませんが、もし興味湧いた読者様は是非お手にとり読んで見ることをオススメします。

ただ今すぐ実践するにはハードル高かったり、逆に苦しくなる場合も有り得そうな内容なので無理のない範囲で参考にすることを個人見解ながらオススメします。


・人間関係の悩みが尽きない
・人に本音言える勇気が欲しい
・人生ごと変える思考が欲しい
・告白できる勇気が欲しい
・人間関係を良好にしたい
・本当の幸せを理解したい

など抱える人にはめちゃくちゃ響く1冊だと思います。




他にも読書感想の投稿をしておりますので気に入ってくださった方は是非マガジンから他の記事も見てくだされば私とっても喜びます。
今のところは週の後半を目安に投稿しております。
投稿時点の今だと忙しくなってきたため遅くなる場合もございます。
その時は申し訳ないです汗


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