かわいい猫を見つけた夫婦の話
ある朝、台所の窓から外の空き地に目をやると、少し離れた所に猫ちゃんがコロンと寝ているのが見えたので、大の猫好きの夫を呼び、
「あそこに猫ちゃんが寝とるよ。」と
ドヤ顔で教えてやった。
私「あれは茶トラやね。」
夫「本当だ、かわいいね。」
などと話し、かわいい猫ちゃんを2人で眺めた。
次の日の朝、また台所から外の空き地を見ると、あの猫ちゃんが寝ているではないか。
私はまた夫を呼び「あの茶トラの猫ちゃんまた来とるよ。」と教えた。夫も「今日も来たんか!かわいいね~。」などと猫なで声を出していた。
その日はゴミの日で、ゴミ出し番長の夫は「途中で猫ちゃん見てくる。」と言い残し去っていった。
そして夫が帰って来たので「かわいかった?」と聞くと、
しょんぼりした夫が「あれねぇ、ただの土くれやった…」と肩を落とした。
土くれとは土の塊のことか?!
嘘だ!あれは確かにコロンと寝転んだ茶トラの猫ちゃんだった!!
私は空き地に走った。
そして、ただの土くれを自分の目で確認し、家に帰った。
我々夫婦は2日間ただの土くれを、目を細めて、あぁ、かわいい!かわいい!と愛でていたわけだ。
なんと、おめでたいことか。
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