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【企画】夜行バスに乗って

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2024.3月に行われた企画の収納マガジンです。 夜行バスに乗って新宿に向かう人々、見送る人々、あるいは……!! 珠玉の note クリエイターが描く、春の群像劇をどうぞみなさま…
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#シロクマ文芸部

【新企画】夜行バスに乗って〜20字以上の小説募集〜

「春と風林火山号に乗って新宿に行こう!」 そう書かれたポスターは春色のデザイン。 運転手の「乗合 春」に合わせて可愛らしいポスターに仕上けたと信玄似の社長が笑っていたっけ。 この春、帳面町から出発する「風林火山号」で、私もいよいよデビュー。この日に向けてたっぷり研修してきたんだもの。きっと無事に乗客の皆様を新宿まで送り届けられるはず。 春は旅立ちの季節だから、どんな人が乗ってくるか超たのしみ。 私は鏡に向かって紺のネクタイをキュッと締め上げ、ニッコリ笑顔を作る。 どうせ

初体験 #夜行バスに乗って 企画参加作品 #お題【突然の猫ミーム】 #毎週ショートショートnote #ショートショート #春と風 #シロクマ文芸部 #胸アイ

春と風土料理を堪能し 笑顔の少女2人。 これから初めて夜行バスに乗る。 サービスエリアが楽しみで ウキウキしながら 血生臭さい服を脱ぎ捨てた。 彼女達は暗殺者。 ルナは現場にいた子猫を抱きながら 猫吸いを始めた。 そんな様子をカヲルは スマホで撮影する。 ピンク髪のツインテールの少女と子猫。 ダブルで可愛い♥ 突然の猫ミームに発生に スマホで連写する。 SNSに乗せればバズり確定だが 投稿するわけにもいかない。 「子猫連れて行きた〜い」 「だめです。ちゃんと保護施

【創作】お祭り大魔王の初舞台~座席3A~

春と風邪って何か関係あったっけ?と疑うほど毎年この時期になると鼻水が出てくしゃみが止まらなくなる、なんて思っていたらただの花粉症だった。 明日、夜行バスに乗って東京へ行くのにもし流行病だったらと心配して念のため受診をするとあっさりとそう診断された。 実は前から懸念はしていた。けれどその事実を認めたくなくて頑なに受診を避けていた。でも今回ばかりは花粉症の診断に安堵していた。例の感染症だったのなら東京に行けないところだった。 安心して気が緩んだからか、ずっと堪えていたくしゃみ

新宿に向かう人々 #夜行バスに乗って 企画参加作品 #お題【突然の猫ミーム】 #【据え膳の猫ビーム】 #毎週ショートショートnote #ショートショート #春と風 #シロクマ文芸部 #胸アイ

春と風に舞ったピンク色の花びらが 夜のサービスエリアを彩る。 休憩毎にご当地の お土産を大量に購入する 私達は、大きいビニール袋を 抱えながら戻る。 が、突然の猫ミームで 猫モード突入のルナは サービスエリアで猫を見かけては 「撫でさせて下さい!」 と飼い主にお願いしていた。 その度にスマホで 写真を撮ってしまう 私も私だが(笑) 夜行バスの発車時刻ギリギリまで 据え膳の猫ビームを浴びている ルナをカヲルは引き剥がして、 引きずりながらバスへ戻る。 拳銃を持っている

夜行バスで卒業旅行 ②×2

卒業の旅の出発地は帳面町だった。 乗車後に気づいた。春と風林火山号とはシロクマのお題のための設定だと。運転士が信玄のはずはない俺が信玄だもん。 百鬼夜行バスなのか?違うただの生まれ変わりさ。傍迷惑な歴オタ風乗りバス夜郎自大なのかって?そうとも言うらしい 懐に銃を隠し持つ4Bはわが軍師山本勘助だ。くれぐれも騒ぎを起こすでないと言ってるはしから銃落としてんじゃねえ あそこの変な女は尾張のうつけの女装だな、ああした行儀の悪い糞ガキは生まれてすぐに仕留めておくのであったわクソ

渋谷で17時(第2話)卒業の 🚌-5 【シロクマ文芸部】【夜行バスに乗って】

( 前 話 / 目 次 ) 「卒業のシーズンですね。景気はどうですか?」 「おかげ様でね。夢の国ツアーは連日、満席だよ」 生まれも育ちも帳面町の広和は都内の大学に進学したのち、地方上級公務員試験に見事合格して、卒業してからは地元に戻ってきて県庁に勤務していた。県庁では観光課に配属となって3年が過ぎていた。 今日は地元のバス会社を訪問して、社長さんとこの夏のイベントの打合せを行っていた。一通りの打合せが終わりバス会社を後にしようとしたとき、一枚のポスターに目が止まった。

【シロクマ文芸部×夜行バスに乗って】卒業前夜

 卒業の日を迎える娘の晴れ姿を見るために、新宿へと向かう夜行バス乗り場に歩みを進める。距離があるので新幹線に乗ろうかとも思っていたけど、いい機会なので一度乗ってみたかった夜行バスに乗る事にしたのだ。  夫は仕事が休めないとかで私一人で卒業式には出席する。私もこの時期に有給をもらうのは気が引けたけど、仕事は十分に調整して休みをもらった。こういう時でないと一人で旅行する事も無いので一日余分に滞在して、行ってみたい所に行こうと計画している。娘の卒業式も楽しみだけど、実はこちらの方

【創作】スタートライン

今回の創作は青豆ノノさんのこちらの作品のスピンオフになります。 ※ノノさん勝手に申し訳ありません! 🚌🚌🚌🚌🚌 卒業のタイミングで私たちは遠距離になる、そんなことは付き合う前から分かっていた。 「俺、卒業したら東京に行くつもりだけどそれでもいいの?」 良いか悪いかで言えばやっぱり良くないけど、そうじゃないと湊と付き合えないなら私に選択肢なんてなかった。 「加奈子、湊くんと付き合ってるの?湊くん卒業したら東京でしょ。知らないの?」 私を心配してるのか、それともざま

小説/おめでとう。卒業と、

卒業の季節、イコール絶望。 卒業式って何だろう。結局一度も参加してないから分かんない。ただ通う場所が変わるだけで、毎日やることは変わらないじゃん。 一体なにから卒業すんの。一体なにが おめでとう なの。 新宿に向かう夜行バスの、カーテンをそっと開けて外を覗く。 景色は真っ暗で何も見えない。こんなド田舎だからダメなんだ。腐った人間ばっかりだ。 すれ違うヘッドライトの数も多くはない。こんな時間だもんね。 もうすぐ日が変わる。 私の誕生日がやってくる。 そう思うと、吐き気がする

【短編小説】春と風#夜行バスに乗って#シロクマ文芸部

(読了目安7分/約4,900字+α) 『春と風林火山号に乗って新宿に行こう!』ツアーにご参加いただき、誠にありがとうございます。このバスは21時00分に出発し、途中〇〇サービスエリアに23時00分、△△サービスエリアに2時00分、〇△サービスエリアに4時00分、終点バスタ新宿へ6時00分到着予定です。私、乗合が運転手を務めます。どうぞ到着までよろしくお願いいたします。 23時00分 〇〇サービスエリア  特に尿意は無いが、僕は固まった体を動かそうとバスを降りる。タラップ

朧月2 #朧月 #シロクマ文芸部 #54字の物語 #夜行バスに乗って

※ ※ 【新企画】夜行バスに乗って〜20字以上の小説募集〜|豆島 圭 #朧月  #シロクマ文芸部  #54字の物語 #夜行バスに乗って

居場所。(後編)【短編小説】

今回の小説は上記の短編小説『居場所。』の後編となっております。 =====  朧月が照らす夜。夜行バスの道中、休憩時間のパーキングエリア。微かな街灯の明かりの下、虚ろな目をしてベンチに座るケンに1人の男性が近づいてきた。男性はケンの様子を伺うように声をかける。  「あの、大丈夫ですか?バスで酔っちゃいました?」  ケンの顔を少し覗き込むように軽く腰を落とした。  「いえ、大丈夫です。少し考え事していて…」  「あ、そうだったんだすね…なんだか辛そうに見えたので…」そう言

『夜行バスに乗って』#夜行バスに乗って

*ふと思いつき、書こうかと一瞬・・・思ったのですが noteterさん達との交流がほとんどない自分には無理と断念。 こんな設定だと愉しんで遊べる人もいるかな?などと 大まかなプロットだけ書くことにしました。(笑) 「春と風林火山号に乗って新宿に行こう!」の 基本的な『夜行バスに乗って』の企画はそのまま。 運転手の「乗合 春」さんも、 「4B」シートのフード男もそのままに・・・ ☆☆☆ 帳面町のバスターミナルには《バスタ新宿》に向かう数台のバスが。 バスにはそれぞれの号に

夜行バスにて ③

 朧月がぽっかりと浮かぶ暗い道をバスはひたすら走り続ける、やがて新しき宿場となる終点に向かって。車内のほぼ中央に陣取った男は目を閉じた。まただ。なぜ俺は奇妙な妄想に取り憑かれてしまうのだろうか。もう終わりにしたい。懐の物体を握りしめる。グリップはじっとり温まり尾筒はヒヤリと冷たい。永禄四年のあの日川中島で落命して以来何度もよみがえり、その度に挫折した試みがあった。あの男を殺し自分も死ぬ。もっと早く手にかければよかったのだお屋形様を。そしてターゲットは運転席にいる。  外が騒