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怪我というトンネルを抜けた先に

腸脛靭帯炎のリハビリ中に、2回もギックリ腰に遭う

 先日3カ月にわたるリハビリが終了した。
アスリートの方々は、怪我をしてリハビリをする、というのはどんな気分なのだろうか。ベストを出せないもやもやっとした日々かもしれないし、自分を見つめ直す良い時期なのかもしれない。人によっては大会直前のリハビリということもあるだろう。私にとってリハビリ生活は正直楽しかった。理学療法士の先生は私のトレーニングの話に適切な助言をしてくれるし、効果的なストレッチ方法などを指導していただく機会は、私にとって貴重な機会だった。今まで一人でやってきた「歪み」のようなものが矯正されていく心地よさ、というものを実感することができた。

 もちろん、いままで10キロ前後走れていたのが、最初は2〜3キロ、1カ月後にやっと5キロと短い距離になってしまったのは残念だが、できないものを無理して痛みに耐えつつ走ったり、自転車を漕いだりするのはもっと不本意だ。そう思って順調にリハビリに通い、痛みもとれた1カ月後の3月下旬、突然の腰痛が私を襲った。ギックリ腰だ。原因はおそらく前日にタイヤ交換した際、無理に持ち上げたタイヤの重みだと思うが、1日経って真っ直ぐ立てないほどの痛みに襲われた。しかも左腰だけ。腰痛持ちの同僚達は、「ようこそ腰痛の世界へ」「腰痛で癖になっちゃうよ」などと冗談ぽくにやついている。

 残念なことに、普段リハビリをしている医者は休診日だったため、以前行ったことのある整形外科へ車を走らせ、筋肉ブロック注射を打ってもらった。痛みは3日後には嘘のように消えた。なんだったんだろう?ぎっくり腰ってこんな感じか?

 そして痛みは再びやってきた。これが「癖になる」というものか? 今度はリハビリに通っている医者に行くことができた。私の場合はギックリ腰の中でも仙腸関節の捻挫であると教えてもらった。仙腸関節について詳しく知りたい人はウェブサイトなどで調べてもらった方が良いかもしれない(私の浅い知識で間違った情報を流したくないため)。要は、結局この前の腸脛靭帯炎と同じで、臀部の筋肉が硬くなっているから姿勢の歪みなどで負荷がかかりやすくなっているらしかった。

 つまり、姿勢を正しくすること、ストレッチを継続すること、という2点において、原因は同じだったわけである。腰椎捻挫であれば腰の真ん中が痛いはずだが、左だけ痛いのにも納得がいった。

 こうして問題が一つに絞られ、徐々に回復へと向かい、ようやくリハビリ終了の日を迎えたわけである。お世話になった理学療法士の先生には感謝の言葉しかない。何かあった時には是非お願いしたいが、できれば怪我はしない方がいいし・・・、などと今から要らぬ期待や心配をしている。

 ところで、膝も腰も痛みが取れたのはよいが、気づけば目標である「木更津トライアスロン」まであと1カ月、そしてその練習として申し込んだ200Kmブルベまであと数日、という時期に突入してしまった。理学療法士の先生には「200キロ」走ってみて、痛みがなければ治っているという実証実験になりますね、などと呑気なことを言ってしまったが、果たして体力が持つのか・・・。それはやってみなければわからない。

 怪我というトンネルの中で、理学療法士の先生と出会い、トンネルを抜けた先には腰や膝の痛みがない体があった。


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