見出し画像

少しも寒くないわ

家を建てるにあたり
義母から著しい境界線侵害行為を受け、
その影響から少し前に大喧嘩をしていた。

喧嘩といえば聞こえは穏やかだが、
要は僕が言葉の暴力を受けたのである。


僕はこの通り可憐で傷つきやすいから、
かなり傷つき悲しみに暮れていた。


そんな折、
夫の親戚で不幸が起こった。

訃報を聞いたとき、
僕もお世話になった方だったので
最後のお別れを言わせてもらいたい、と感じた。


しかし当然ながら、
葬儀には義母もいるわけだ。


参列することを決めたものの
行きたくないなあ
行くの、やめておこうかなあ。
そんな風に何度も逡巡もした。


「義母にされたことで
傷ついたのはわかる。
だからといって
その人を避けるために、
自分の心を守るために
恩のある方の葬儀に出席しないなんて
ちょっと恥ずかしいんじゃない?」

と心の中の誰かが
叱咤してくれたことと、

夫が
「義母から守るように動く」と
請け合ってくれたのもあり、
僕は腹に力を込めて参列してきた。


そこで僕は
予想していなかった
ブレイクスルーを体験することになった。


詳細を書くことは出来ないが、
義母のふるまいは
とても大人のそれとは思えなかったし、
僕への態度も非常に幼稚だった。


その様子を見ていたら
なんというか、
不意に義母が
小さく見えたと言えばいいだろうか。


家のことで悩まされていたときには
我が家を、
ひいては心を支配されると怯え
ただひたすらに大きく見えていた義母が
はっきりと、
そのへんにいるシニアの女性に見えたのだ。

「この人のこと
もう怖くないや」

と、恐怖心が拭われるのを
確かに感じたのである。


義母のような性格の人は
世間にはたくさんいるんだと思う
(義母は結構クレイジーなほうだろうが)。


夫は、
「ああいうのは社会に出ればたくさんいるよ」
といつも苦笑いしている。


僕はこれからもたぶん
ああいう手合いに出会い、
コミュニケーションをはかる
必要性に迫られるだろう。


みなさんがそうであるように、
それに苦しみながら毎日闘っているように。

でも
もし今後そうなっても、
体調を崩してしまうほど
自分を支配されてしまうほど
侵害されることはなくなるんじゃないかと思う。


そう思えたら、
少し人生の負担が減った気がする。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?