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療育で“お話の練習”をする

私は幼児さん対象の児童発達支援施設でも働いているのですが、そこで“お話の練習”をしたりします。オープンな質問に上手く答えられないお子さんや、話の内容を覚えていられない、聞き取れないといったワーキングメモリや聴覚把持に課題のありそうなお子さんにも適したトレーニングです。

使っているのはこちら。

お話をある程度の人数の前でする、人の話を覚えているということも狙いたいので、私は4人くらいの少人数で行っています。やり方はとてもシンプルです。

①子どもの選びやすそう&話しやすそうなカードを予め何枚か用意(「犬と猫」「バナナといちご」「雨と晴れ」「夏と冬」などは反応が良いです)。その中から、子ども自身に、どれについてお話したいか選んでもらっています。
②選んだカードについて、まずは心理士が自分の選んだカードについて「どちらが好きか」「なぜそちらの方が好きなのか」お話して、見本を見せます。
③続いて子どもにも、子どもが選んだカードについて「どちらが好きか」「なぜそちらの方が好きなのか」を尋ねます。
④最後、“クイズ”と称して、お友達(心理士)が選んだのはどっちだったか、どうしてそっちが好きだと話していたかを尋ねます。
⑤カードを選んだ持ち主に、あっているかどうか確認します。

こんな感じです。
どちらが好きかまでは選べたけど、理由の説明でつまってしまう子には、「夏はどこか行ったりできるから?お休み長いから?」など、いくつか選択肢を示してあげたりもします。

療育に来るお子さんは、得てしてワーキングメモリの低い子が多いのですが、ワーキングメモリは日常会話の中でも必要とされる力です。こういった形でトレーニングしてあげることで、より日常に即した形で力がつくのではと考えています。

“お話クイズ”と称したこの課題、療育の最後にはいつも子どもに感想を尋ねているのですが、「お話クイズが1番楽しかった!」と答える子が多く、子どもにも好評です。

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