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特定行政書士の試験勉強(その3)

私は5月に東京都で行政書士を開業しました。副業行政書士としての開業です。ただ、開業はしたものの、お恥ずかしながら特にやることないので「特定行政書士」の資格試験に向けて勉強をしています。前回の「特定行政書士の試験勉強(その1)」、「特定行政書士の試験勉強(その2)」に続いて、今回は自分のために特定行政書士試験の事実認定についてまとめてみたいと思います。


事実認定(じじつにんてい)とは?

事実認定とは、民事裁判の根幹をなすもので、適正な裁判を実現するために必要なものになります。また、事実認定は裁判官の恣意的な判断を避けるために、証拠に基づくことが求められます。このような建前を証拠裁判主義といいます。

(1)事実認定の構造には大きく2つのパターンがあります。

①直接証拠から、直接、要証事実である主要事実を認定する場合
②間接証拠から間接事実を認定し、さらに間接事実から要証事実である主要事実を推認する場合

(2)真実は3つある!?

名探偵コナンくんは「真実はいつもひとつ!」と言ってますが、事実認定の世界では3つあるようです。

①主要事実(しゅようじじつ)
権利の発生、消滅という法律効果の判断に直接必要な要件事実
②間接事実(かんせつじじつ)
主要事実の存否を推認するのに役立つ事実
③補助事実(ほじょじじつ)
証拠の証拠力に影響を与える事実

事実認定の世界では真実は3つ!

(3)証拠も3つある!?

①直接証拠(ちょくせつしょうこ)
要証事実である主要事実を直接に証明できる内容を持つ証拠
②間接証拠(かんせつしょうこ)
間接事実や補助事実を証明する証拠
③補強証拠(ほきょうしょうこ)
証拠Aが提出されて甲事実の存在が証明される場合、Aの証拠力を補充し強化する別の証拠B

なお、弁論主義の第1原則の適用を受けるのは主要事実だけになります。間接事実や補助事実についても弁論主義を認めると、裁判官の自由心証に基づく合理的な判断を妨げるおそれがあり、また複数の事実も当事者の主張が必要となると審理が長引いてしまうおそれがあるからです。

証拠(しょうこ)の意義

(1)2つの証拠の方法とは?

①人証(じんしょう)
証人尋問が有名ですね。取り調べの対象が人(当事者本人、証人など)である場合です。紛争の全体像が分かるメリットがありますが、質問の仕方によって回答が変わったり、記憶の曖昧さ、虚偽の供述など、内容が流動的になるというデメリットがあります。

②物証(ぶっしょう)
取り調べの対象が物体(文書、書証など)である場合です。人証と違い固定的というメリットがある一方で、断片的になるというデメリットがあります。

証拠能力と証拠力

・証拠能力とは、証拠資料を事実認定のために利用する能力のことです。
・証拠力(証明力、証拠価値)とは、証拠資料が裁判官の心証形成に与える影響力のことです。また、証拠力には以下の2つがあります。
①形式的証拠力
②実質的証拠力

証明(しょうめい)の意義

(1)証明の種類(しょうめいとそめい)
証明(しょうめい)とは、裁判官が要証事実の存否につき、確信を抱いた状態、あるいは確信を得させるために証拠を提出する当事者の行為をいいます。
疎明(そめい)とは、証明には至らないが一応確からしい、という程度の蓋然性が認められる状態、あるいらその状態を実現するために当事者が証拠を提出する行為をいいます。

(2)証明を要する事項

証明を要する事項は以下の3つがあります。
①事実
証明の対象は主要事実であり、間接事実や補助事実も主要事実の認定に必要な限度で証明の対象となります。
②法規、経験則
一般人が知っているような経験則は証明不要ですが、特殊専門的な経験則は証明の対象となります。
③不要証事実(ふようしょうじじつ)
裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実(公知の事実、裁判所に顕著な事実)は証明する必要がありません。「当事者間に争いのない事実」と「顕著な事実」の2種類あります。

(3)自白

自白とは相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の陳述のことです。自白の効果は「証拠調べの必要がなくなり(証明不要効)」、「裁判所に対する拘束力があり(審判排除効)」、「当事者間にも拘束力があります(撤回禁止効)」
なお、裁判上の自白は原則として撤回できませんが、例外的に自白の撤回が認められる場合が3つあります。
相手方が撤回に同意した場合
②刑事上罰すべき他人の行為によって自白した場合
自白が真実に反していて、かつ※、錯誤に基づいている場合
→※「かつ」であり、「または」ではないことに注意(模擬試験に出ました)

書証(しょしょう)とは?

・書証とは、裁判官が文書を閲読して読み取った記載内容を証拠資料とするための証拠調べのことをいいます。一方、文書とは、文字などにより、人の意思、認識、判断、感想などを表現している外観を有する有体物のことです。
文書には、処分証書(意思表示その他法律行為が文書によってされたもの。例 契約書、遺言書、手形)と報告文書(事実に関する作成者の認識、判断、感想が記載されたもの。例 領収証、帳簿、日記)があります。

書証の手続き

書証の申し出は①文書の提出、②文書提出命令の申し出、③文書送付嘱託の申し出のいずれかによります。

公文書と私文書

公文書と私文書で文書の成立の真正の推定に違いがあります。
公文書
・公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する
私文書
・本人またはその代理人の署名、または、押印があるときは、真正に成立したものと推定する
→「または」であり、「かつ」ではないことに注意ですね。自筆証書遺言では署名と押印の両方が必要ですよね
・民法968条「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」

二段の推定

日本の習慣上、印鑑が厳重に保管してしているので、本人が押印したか、本人の意思のもとに押印されたものと推測してよいと考えられています。従って、文書上の印影が本人の印鑑である場合、反証がない限り、本人によって押印されたものと事実上、推定されます(一段目の推定)
この一段目の推定によって、本人の意思に基づく押印があるとき、という民訴法228条4項が適用され、文書全体について本人の意思によるものという推定が働くことになります(二段目の推定)

今回の記事は特定行政書士勉強のために、記事を書きました。なんとか一発で合格したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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