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【考察】アニメの面白さの本質とは? + アニメレビューを見る時の注意点

初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもお世話になっております。
朝霧くもりです。

私は普段アニメレビューを投稿している者なのですが……。


今回は、アニメレビューとはちょっと変わって「アニメの面白さってなんだ?」ということを考えたいと思います。
これが分かってないと、そもそもアニメレビューなんて出来ないですからね。

さらに、それに付随して人のアニメレビューを見る時の注意点も紹介します。

アニメレビューを頻繫に見る人や、アニメレビューをしたいと思っている人は是非この記事を最後までお読みください。きっと何かの気づきになると信じています。

それでは行ってみましょー!


アニメにおける「面白さの本質」

そもそも、アニメの面白さって何から来るものなのでしょうか?

ストーリー?
作画?
演出?
キャラクター?

ネットの記事を見ると「アニメで一番大切なのはストーリーの面白さである」という意見が散見されます。

確かにストーリーの出来がアニメの面白さに与える影響は大きいでしょう。どんなアニメでもストーリーが面白ければある程度は見れてしまうものです。



しかし、個人的にはアニメの面白さは様々な要素の総合点で決まると思っています。

バトル系のアニメを例に出すと、ストーリーの面白さ+戦闘描写+キャラクターの魅力+アニメの演出と言ったような要素の総和によって評価が決まるということです。

逆になろう系のアニメでは、ストーリーの面白さ+世界観の設定+物語の爽快感+美少女キャラクターの魅力といった要素が主な評価対象になります。


このように、評価に用いられる要素(以下「評価要素」)はそのアニメのジャンルによって変化します。
その上で、評価要素は数えきれないほど存在します。

すなわち、人は多くの評価要素の中からそのアニメのジャンルに合った評価要素を選別しています
その中でも特に共通するのが「ストーリーの面白さ」や「キャラクターの魅力」なので、どれか一つ取り上げるとしたらそれらが上位になってしまうという事です。


しかし、ここまでの説明でそれが面白さの本質でない事はご理解いただけたと思います。

面白さの本質は【様々な評価要素の掛け合わせ】です。
多くの評価要素で高得点を出せば出すほど、そのアニメは相乗的に面白さを増していきます。


人はアニメに「その人が現実で持っていないもの」を求める

ここまでで面白さの本質を説明してきましたが、今度はその「評価要素」が個人個人で別々だという話をします。

どういうことかと言うと、同じアニメでも人によって評価の基準が異なるという事です。


当たり前だと思いましたか?

しかしながら、分かっているつもりなのに実際に忘れている人が多いんですよね。
Youtubeのアニメレビュー動画でも「○○というアニメが低評価なのはおかしい!」と言ったコメントがしばしば見られます。これは典型的な評価要素の属人性を無視している状態です。


まぁ、それをわざわざアニメレビューの際に細かく説明するのは面倒くさいので、みんな「※注意※ 個人の感想です」という風に注釈をつけているわけです。



ちなみに評価要素の選別は、その人がアニメに何を求めているかと密接にかかわっています

例えば日々の生活に疲れている人は「癒し」を求めるため、「まったり / のんびり系のストーリーか」、「キャラが萌えるか」が重要な要素になってきます。
こういった評価基準を持つ人は戦闘系アニメではなく、日常系アニメやギャクコメディ系のアニメを評価するでしょう。

一方で、日々のストレス発散や娯楽的にアニメを楽しみたい人は「刺激」を求めるため、「ストーリーの苛烈さ/意外さ」や「命をかけた戦闘」、「キャラクターの重い過去」など重視する傾向があります。
こういった評価基準を持つ人は戦闘系アニメや冒険系アニメをより評価するでしょう。


個人的な意見ですが、アニメに求めているものはその人が現実に持っていないモノだと思っています。

そう思う理由は単純で、人の欲求はいつも自分が持っていないものを求める心の動きから生じるからです。

自分はソレを現実では持ってない。だから、アニメの中で持っている人の追体験をしたい。もしくは、そのアニメの中でその欲求を満たしたい。

至極まっとうな動機と言えるのではないでしょうか。


人のアニメレビューを見る時に気を付けるべき / やるべきこと

ここまでの考察?で、【アニメの評価基準は人によって異なる。その評価基準は個人の欲求によって決定する】ということを説明してきました。


ということは、AさんのアニメレビューはAさんの欲求という色眼鏡を通して評価が決まっているということです。

あなたがAさんと同じような欲求を抱いているのであれば参考になりますが、そうでない場合は参考になりません。


では、他人のアニメレビューを参考になるレビューに変換するにはどうしたら良いでしょうか?

答えは簡単です。
その人のアニメレビューを自分の中に落とし込めば問題ありません


落とし込む理想的な方法は、その人の色眼鏡(バイアス)を使ってレビューを修正した上で、「自分のバイアス」を使って評価を修正することです。

他人のアニメレビューを自分にフィッティングさせるためのフロー


そうしないと、その人の色眼鏡がかかった状態の評価を見ているに過ぎないですからね。

え?そんなの無理?Aさんの色眼鏡や欲求なんて知らない?


……そう言った場合は、二種類の方法があります。

  1.  同じような色眼鏡を持った人のレビューを参考にする

  2.  貴方の色眼鏡を直接他人のレビューに使って修正する


オススメは①ですね。単純に何の手間も無いですし、何もしなくてもそこそこ参考になります。
しかし、デメリットもあります。それは自分と同じ考えの人を探す手間がかかるという事です。

見つかれば強力な手段になりますが、そもそもそんな人が見つからないことも稀にあります。


そんな時は②を使うしかありません。信頼性は落ちますが、ある程度参考になるレビューにはなるでしょう。

しかし、この「自分の色眼鏡を通す」という動作は若干コツが要ります。

作業的には自分の好きなジャンルのアニメの評価を一段階上げて、嫌いなアニメの評価を一~数段階下げるというだけなんですが……。
意外と「自分は何が好きか、どんな欲求があるか、何のジャンルが好きか」といったことは自分で知覚しにくいんですよね。


しかしながら、ここまで読んできた方にはある程度それを分析する方法が分かっていると思います。
一つ前の章でも述べたようにアニメに求めているものはその人が現実に持っていないモノなので、自分が欲しているモノを見つければいいんですね。

「自分は今何が一番欲しいか、現実世界に足りていないか」が分かれば、自ずと何をアニメに欲しているのか分かり、そこから好き・嫌いなジャンルが分かります。
それこそが色眼鏡です。

それを使って自分なりに評価を上げ下げすれば、ある程度納得のいくレビューになると思います。


例:他人のアニメレビューを自分向けにする方法

最後に、自分が過去に行ったアニメレビューを例に修正の仕方のデモンストレーションを行いたいと思います。

使うレビューはブルアカのレビューですね。良ければ以下のリンクから飛んで原文を確認してみて下さい。

【アニメレビュー】ブルーアーカイブ 第一話感想 : よくある「可愛いし作画もいいけど面白くないアニメ」


ここで修正する自分の色眼鏡は「細かいことはどうでも良いので、かわいい女の子同士の掛け合いを眺めて癒されたい」に今回は設定します。

すると、アニメレビューで述べられていた以下の良かった点 / 良くなかった点はこのように評価を変えることが出来ます。


・キャラがかわいい(良い点) → 評価大
「かわいい女の子同士の掛け合いを見たい」ので、キャラの可愛さはこの色眼鏡にとっては重要なので「評価大」と判定。

・アニメーションが美麗(良い点) → 評価中
綺麗なことに越したことはないが、ある程度の作画があれば掛け合いを見るのには十分なため「評価中」と設定。

・初見には意味不明の世界観(良くない点) → 評価低
「細かいことはどうでも良」く、あまり考えずに見ることから、世界観はどうでもよいと考え「評価低」と設定。

・心情描写がなく感情移入ができない(良くない点) → 評価大
いくらキャラが可愛いと言ってもキャラ自体に興味が持てなければ掛け合いも面白くないので「評価大」と設定。

・ヤケクソの戦闘シーン(良くない点) → 評価低
戦闘シーン自体には興味はないが、かわいいキャラが話していればなんでもOKのため「評価低」に設定。


これを見ると、良い点にはプラス補正が多く、良くなかった点にはマイナス補正が多く乗っている事が分かります。

さらに、総評はこのように書かれていました。


『キャラが可愛いし作画も良いけど、世界観についていけないアニメでした。
また、かなりギャグ寄りということで、ブルアカもよくあるような美少女動物園と一緒かと残念な気持ちがあります。』


今回の色眼鏡では世界観を気にしないですし、ギャグ寄りでもキャラが会話すれば問題ありません。
「美少女動物園」という評価も、むしろプラスポイントと受け取って問題ないでしょう。

これらをふまえると、「細かいことはどうでも良いので、かわいい女の子同士の掛け合いを眺めて癒されたい」と言う人にとっては、ブルアカはこのレビューよりも評価がかなり高くなることが分かります。

つまり、このレビューでは酷評しているが、自分にとっては見たいアニメの可能性があると言えるでしょう。


……と言った風な作業が「自分の色眼鏡を通す」ということです。

少しは実感いただけたでしょうか?
無意識にやっている方もいらっしゃると思いますが、今度は是非意識的に行ってみてください。


〆の挨拶

ここまでお読みいただきありがとうございました!
この記事で何か大切なことを掴んでいただけると嬉しいです。

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それでは次の記事でまたお会いしましょう!
サラダバー!!!


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