ゲイとして生きるということ⑤


ゲイカップルのゴールってなんだろう。
自分はとりあえず同棲することを一旦のゴールとしていた。

初めての彼氏であったMさんのことは、嫌いになったわけではなかった。ただ7年という月日が流れて新鮮さを失っていった。

週1回会っていたのが、2週に1回になっていき、月1回になっていった。その頃自分は学生時代の仲間と演劇を始めて、Mさんはバトミントンをやるようになった。前までは、相手との時間を最優先していたが、その時は自分のやりたいことを最優先するようになっていた。

ゲイカップルのゴールってなんだろう?
5年目位からマンネリを感じていたので、なんか新鮮な風を吹かせなければ!と今までやったことない美術館にいったり、ホテルビッフェに行ったり、ディズニーランドに行ったりと、イベントっぽいものを沢山散りばめた。これはなかなか良かったものの、ずっとは続かない。Mさんはとても優しいが、どこに行きたいとか、何が食べたいとか、あまり意見がなかったから、イベントも自分だけの案だと尽きてくる。(本当は相手が提案しても採用されないような、提案しにくい環境をつくってしまってたのかも……)

自分は同棲したかった。
Mさんは同棲には難色だった。
その時のMさんの部屋は狭かったから、いつか広いとこに引っ越したり、中古マンションが欲しい、と言っていたから、買ったら転がり込めるかな…など甘い考えもあった。
しかし7年引っ越すことも中古マンションも買うことはなかった。デートにお金がかかってたのかな。ちなみに少し多めには出してくれてたけど、基本は割り勘でしたよ!(笑)
でも実家住まいだったから、そういう生活感のある金銭感覚ではなかったかも。

お互いの自宅は電車で2時間程離れている。
自分は医療系専門職なので、実際転職しようと思えば相手の近くに引越して転職できなくはない。

ゲイで同棲を嫌がる人はいる。
自分の時間が欲しいってのが多い理由なのかな。同棲してもお互いの部屋をカチッと決めて、別で生活したりという人もいる。まぁ生活リズム違うとなるとその方が平和なパターンもあるかもしれない。

自分はやはり同棲することが、一般的な結婚にあたるのかなって漠然と思ってたし、同棲しないまま、その先もずっと付き合っていくイメージが湧かなかった。

当時の自分からすると、2週に一度会ってご飯して、近況を話して、たまに遠くに出かけたり旅行をする人、それって友達でもよくない??という結論に至った。

これは20代だったからかもしれない。30代だと、そんな関係は充分特別だと思う。でもあの頃は、先の見えない関係をズルズル続けてる感覚、彼氏がいる自分に甘んじてる感覚、そして何より、なんかもっと他の世界も見てみたいと思ったのだと思う。

そして、今思うと自分を棚に上げて相手の優しさに甘えてたなぁと反省する部分もある。

だけどそういうのも含めて、お互い話せてなかったのが良くなかったのかな、そんなこんなで別れる方向となった。

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