#63 奥日光の外国人富裕層向けツアーの失敗に思うこと(2024/2/27)
栃木県が外国人富裕層向けに「400万円奥日光ツアー」を販売するも売れず、申し込みがゼロだった、というニュースが目に入りました。
こちらのツアーは、成田空港などと奥日光をヘリコプターで往復する2泊3日のプラン。
世界遺産「日光の社寺」やガイド付きの自然巡り、旧イタリア大使館別荘でのディナーなどが組み込まれ、高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」に滞在するというもの。
今後は県が企画する新ツアーはないそうですが、これに懲りずに外国人富裕層向けの観光をがんばってほしい!
奥日光はいいところですよ
奥日光へ行ったことはありますか?
奥日光とは、かの有名な「いろは坂」を登った先にある標高が高いエリアの日光を指すそうです。
我が家は昨年9月に奥日光にある中禅寺湖へ行ってきました。
昨年の夏は酷暑でしたよね。。。
フラッと気軽な気持ちで日光へ行ったのですが、その涼しさたるや!衝撃でした。
外国人観光客もちらほら来ていましたが、日光のハイシーズンは紅葉の秋ですので、9月はまだ観光客はそれほど来ておらず閑散としていました。
避暑地としても十分やっていけると思うほど涼しかったので、秋だけでなく夏もオススメです。
湖畔のカフェでの衝撃
目的もなく中禅寺湖へ来てしまいましたので、近くにあったカフェで休憩をしました。
そのときに見たメニュー価格にも衝撃を覚えました。
驚くほどお安かったのです。
細かい値段まで覚えていませんが、確かアイスコーヒー350円、チーズケーキ400円とかそんなお値段設定。
外国人観光客をも誘致できるような自然や世界遺産、高級ホテルのリッツカールトンまである日光でこの価格?!と唖然としました。
隣の席にいたのは英語を話す5人家族の外国人観光客だったのですが、円安も相まってそのお店の安さに、それはそれは驚いているだろうな、と横目でチラチラとリアクションを確認してしまいました。
せっかく外国人が来てくれるんだから、もっと適切な価格設定にすればいいのに、とアイスコーヒーを飲みながら思ったものです。
売れなかった原因
話をニュースに戻します。
ニュース内やコメントでツアーが売れなかった原因について書かれています。
①販売前の周知期間が短かった
②富裕層はツアーを好まない
③値下げが逆効果
①については言うまでもなくきちんとやるべきことですよね。
富裕層への的確な方法での的確な期間のアピールができていなかったそうです。
問題は②③だと感じました。
そもそも富裕層はオーダーメイド型の旅行を好むそうです。
自分の行きたいところへ行きたい方法で行きたい時に行く。そのためにお金を払う。それが富裕層の旅行。
それなのにパッケージ商品のツアーでは自分仕様にカスタムできず魅力を感じません。
また、値下げもどうなの?
400万円→290万円になって約30%OFFだからお買い得!と富裕層の方々はなるのでしょうか?
むしろ値下げされた商品ってそもそも最初からその価格の価値がないんじゃないの?という気持ちにさせてしまいそうです。
値下げをすれば売れると思ったその思考が残念だなぁ。
400万円でも申し込む価値がある、と思えるオーダーメイドも可能な内容と十分な周知が必要だったと強く思います。
奥日光に400万円払う価値がない、と言う訳ではないと思います。
売り方や戦略に問題があっただけ。
さいごに
関東圏の住民として、この奥日光外国人富裕層向けツアーの失敗について大変興味を持ちました。
外国人観光客からしたら、現在の関東地方での観光はもはや東京しかないと思うんですよね。
でも、東京にはない魅力がここにはあるよ。
失敗の原因をよく分析して、これに懲りずに地方の外国人富裕層向けの観光地づくりを諦めないでほしいです。
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