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7月19日 100日で完成する本 17日目

・ウェルビーイングとティール組織

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』で、自然や感性を大切にした組織作り、そして自己変革を学びました。本日紹介する本も、その考えに近いかもしれません。

『ウェルビーイング』という本です。この言葉自体はよく聞きますが、正直どんな意味なのかを明確には知りませんでした。だからこそ、手にとって学んだのですが。非常にわかりやすく読みやすい本でした。

まずは、以下に「ウェルビーイング」の定義を引用します。

「健康とは、単に疾病や病弱な状態ではないということではなく、身体的、精神的、そして社会的に完全に良好ですべてが満たされた状態である」と定義づけられたなかの、「満たされた状態」がwell-beingという英単語です。

『ウェルビーイング』より

なるほど。身体的・精神的・社会的に満たされた状態がウェルビーイングだということですね。身体な健康だけがウェルビーイングではないということが重要ですね。

怪我や身体的な病気はわかりやすいですが、精神的・社会的に満たされているかどうかそれを認識するのは難しいことだなと思いました。だからこそ、このウェルビーイングを研究する価値があるのでしょう。

日本でのウェルビーイング研究の第一人者が、本書を執筆している慶応義塾大学教授の前野隆司さんです。前野さんは、幸福学を研究していて、主に4つの因子が幸福に関係していることを発見しました。

幸せの四つの因子の
一つ目は、「やってみよう」(やりがいや強みを持つ)
二つ目は、「ありがとう」(利他性や思いやりを持つ)、
三つ目は「何とかなる」前向きかつ楽観的、チャレンジ精神)、
四つ目は「ありのままに」(独立性と自分らしさを保つこと)

とのことです。この四つの因子があると、幸福であると言えるということです。確かに、この四つの因子は非常に重要だと思いますし、私もほとんど実践しています。

この中で一番難しいのが四つ目の「ありのままに」かもしれません。組織の中で自分を持つということは、なかなかできないことかなと思います。というか、確固たる自分というものは、なく常に自己変革していくものなので自分らしさというものは規定できない説もありますが。

著者は、後半でウェルビーイングとティール組織について述べています。前回も出てきました、ティール組織。前回は自律分散型組織の文脈でしたね。今回は、もう少しティール組織について説明していきます。

https://future.hitachi-solutions.co.jp/series/fea_wellbeing/03/

右側がティール組織で本書でいう理想系ですね。ここでポイントなのが、いきなりティール組織にはいけないということです。初めは赤ないしアンバーからスタートすることになるのではないでしょうか。

これは、組織の発達段階にもよります。大切なのは、今、自分がいる組織がどんな状態なのかをよく観察することだと思います。組織が成熟するにつれて、だんだんと右側にシフトしていきます。

また、幸せなグリーン・ティール型企業も、納期間近などで何らかの期限を目前に控えたときには、もちろんオレンジやアンバー組織のように働くこともあると思います。関係性は家族的なままやるべきときは軍隊や機械にもなる、というのがグリーン組織なのです。ティール組織も同じです。

『ウェルビーイング』より

ただ、ティール組織が絶対良いということでもないというのが、上記の引用です。ティール組織にもデメリットがあります。必要に応じては、分かった上でオレンジやアンバー組織のシステムを採用するといいのではないかと思います。

ティール組織は自然林のメタファーなので、少しは手入れをしていくと良いのではないでしょうか。その手入れをナチュラルリーダーシップによって個々人が取り組めるといいのではないかと考えております!


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