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読書感想文 34 河野愛子著「河野愛子歌集」
著者は早く軍人と結婚して夫の帰りを待っている。街で軍人を見れば夫を思い出す。待つ人の歌というイメージが強い。戦後は結核にかかり入院。入院中にキリスト教と親しんだらしい。また緑豊かな土地に住んでいるのか馬、牛、鴉などが、頻繁に歌に登場する。本の後ろの方に著者が岡井隆の「鵞卵亭」につて書いた歌論が載っている。著者は岡井と同じ結社の人らしい。「鵞卵亭」は岡井が妻子を捨てて若い女性と失踪した時期の歌集。岡井が妻子と仕事を捨てて若い女性と失踪し、十年の時を経てプレイバックしたことは短歌の世界では伝説的な出来事だが同じ結社の人は大変、驚いたと思う。その驚きを控え目な筆致で書いている(もっとも歌論なのでそれだけではない)。ある出来事に関わった人と後から知った人では感じ方が違うよなぁと思った。
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