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読書感想文49 尾崎翠著『第七官界彷徨』
小説のような、詩のような、独り言のような不思議な小説だ。佳人を連想させる名を持つ少女、小野町子。彼女が自分の二人の兄、小野一助、小野二助といとこの佐田三五郎が住む下宿屋に炊事係としてやってくることから始まる。町子は自身の兄を一助氏、二助氏、と呼び、兄たちは町子の事を女の子と呼ぶ。 彼女たちの日常はほんの少しだけ風変わりだ。二助は植物の恋愛を研究し、そのために家で肥やしを作っている。彼いわく人糞からできたこやしは聖なるものであるとのこと。
佐田三五郎は音大を目指しているのに壊れたピアノで練習している。冒頭で詩のよう小説だといったのは起承転結がほとんどなく、起伏のないからだ。水を沢山含ませた水彩画のようにボヤッとしている。
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