マガジンのカバー画像

【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度

27
記憶の中の少年と、鬱々とした日々を送る女子大学生の物語。 キーとなるのが、一冊の本と、記憶の中の少年からもらったボタン。 ある日、ひょんなことから物語の中に入ってしまった主人公。…
運営しているクリエイター

#創作大賞2024

【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#1

【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#1

第一幕 開かれた扉1:かすかな記憶

??:ね。璃羽。ちょっと手出して。

ガサゴソ。

??:はい………。これ、あげる。

璃羽:???。これ?なあに?

??:これは、第二ボタンって言うんだ。
   そしてこれはね、僕のここ(心)にある大切な気持ち。

璃羽:???大切な…気持ち?

私は、その意味がなんだか分からなかったけれど、とても心がくすぐったくなって、嬉しくなったような気がする。

もっとみる
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#27

【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#27

第二章 靴を落とした少女24:本と材料

私もそれにならって、だんだんと闇に落ちていった。

「りう。朝だよ。起きて」
「んーー。」
もう朝か。
今日も、洗濯に、掃除に、ご飯の準備に、花壇の水やり。することはたくさんある。
エラに昨夜起こった出来事を話した。
もちろんこの童話集の本のことも。
何やら今日も、お母様たちは、浮かれている様子が伺える。
ドレス選びに時間がかかっているようだ。
「いよいよ

もっとみる