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記憶の中の少年と、鬱々とした日々を送る女子大学生の物語。
キーとなるのが、一冊の本と、記憶の中の少年からもらったボタン。
ある日、ひょんなことから物語の中に入ってしまった主人公。…
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#ボタン
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#26
第二章 靴を落とした少女
23:整本師と物語そして、その本をしっかりと握りしめ、荷物置き場になっていた書斎から、そっと立ち去った。
私は冷めやらぬ興奮を、隠すように小声で
「ねぇ、ねぇ、エル。見つけた!見つけたよ!」
「んー、なによ。」
エルは少し、鬱陶しそうにベットに張り付いていた体をゆっくりと起こした。
「見つけたんだよ!」
「だから、何をよ。」
「この本を!この童話集の本だよ!」
「で
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#25
第二章 靴を落とした少女22:私の童話集
「じゃあ、舞踏会の最後の日。鐘が12回鳴ったとき。それまで、耐えてね。」
「おうよ。待ってる。」
私とアルは手を固く結んだ。
もう直ぐ夜が明ける。
早く帰らなくちゃ。
エルとエラが心配する。
私は建物の物陰に隠れて、腕にしていたボタンに息を吹きかけた。
私は、ふわりと宙を舞い家に帰った。
私は、家の窓からそっと入り込んだ。
エルはもう寝ている。
私も寝
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#14
第二幕 靴を落とした少女
10:”いい子”の呪い
「そうね。純粋、、、、ね。
私は、優しくて”いい子”でなければいけないの。」
そういって、エラが悲しそうな表情をしたことに私は動揺した。
「エラ??」
「え、えぇ。全然大丈夫。ちょっと思い出ちゃっただけだから。」
「思い出すって何を??ごめん。言いたくなかったらいいんだけど。」
「そうだね。。。。。。これを話すのは、りうが初めてだね。