記憶の中の少年と、鬱々とした日々を送る女子大学生の物語。
キーとなるのが、一冊の本と、記憶の中の少年からもらったボタン。
ある日、ひょんなことから物語の中に入ってしまった主人公。…
- 運営しているクリエイター
2022年11月の記事一覧
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#19
第二幕 靴を落とした少女15:理由
私は、それが初めてエルの涙を見た時だった。
静かにエルは、涙を流した後
「もう遅いわ。寝ましょう。」
とそれだけ言うと、ベットに潜りこんでしまった。
私は、エルになんて声をかけてよいか分からず、見守ることしかできなかった。
私も、エルと同じようにベットに横になったが、エルが泣いているところを見て、いてもたってもいられず、気晴らしにこの屋敷を散策することに決