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鬼は外

長女「これなーんだ」
母「長女ちゃん?」
長女「ぶー」
母「妹ちゃん?」
長女「チガいまーす」
母「うーん、鬼かなあ?」
長女「鬼はこんな優しい顔してないよ!」
母「あ、もしかして母?」
長女「せいかーい。写真撮っていい?」

と言って、自分の作品とついでに母と妹の写真をカメラに収める長女。

これは優しい顔なのね、とまじまじと見ながら、鬼は怖いと言って保育園に並んだお面に3年間必ずおびえていたのを思い出した。
2歳クラスからお面を毎年作るのだが、かわいいものから、だんだんリアルになっていく。年長さんは紙を何枚も張って作る本格的なお面なのだ。保育園に行きたくないくらいの怖さだったらしい。

今年も鬼は飾られているけど、「かわいい」鬼しかいないと言って平気で登園していく。

母は最近自分で自覚してるのだが、日々の生活の中で長女に怒ることが多い。鬼より怖い母になっているんじゃないかと思っていたけれど、「優しい顔」を作った長女の心境にも思いを馳せた。

そしてまた豆まきの季節がやってくる。

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