見出し画像

現役大阪大学大学院生が思う「大学に行く意味」

大学生の現状


「大学だけは行ってほしい、卒業してほしい!」

そういう主張はほとんどの人(親)が持っている価値観であろう。正直一般常識といっても過言ではない。(いや、少しだけ過言だ。専門学校や高卒で働く人も多くいるため。)
しかし、現状、大学生って

「何のために勉強してるかわからない」
「学校のレポートがだるい」
「明日の一限休んじゃおかな」

そんなふうに言って過ごしている人は多い。
つまり、親の抱く理想像と大学生の現実はかけ離れているのではないか。もちろん、親も「大学は勉強「だけ」をする場所だ」とは思っていないだろうが、それにしてもかなりイメージと現実とのギャップはあるように感じるし、大学に通わせる意味を深く考えていないと思う。それに加えて、大学生自身も高校生のときに抱いていた大学生の理想像と現実にギャップを感じているように感じる。
こんな現状を踏まえて、今回は現役大学院生が自身の経験も踏まえつつ(主観的な評価になっている箇所もあるが)「大学に通う意味」「悩んでしまう原因」を考察していこうと思う。

問題点

まずはこういう現状に陥る原因について考えよう。

問題点①高校の進路選択と受験勉強

理系文系の選択を私の場合は高校2年生の際にした。一般的に何年生のときに分かれることになっているかは知らないが、だいたいの高校が理系文系の分岐はあるだろう。
理系科目が得意だったため理系に進んだ。興味ではなく、できるかできないかで進んだ。もちろん、向き不向きで選ぶのは悪くないと思うのだが、そもそも良い点を取ることが求められている前提や環境がそこにあるから、向き不向き発想になるような気がする。
本来はもっと興味で選んだほうが良いと思う。なぜなら、受験勉強で勝つ理由や目的が正直なところ深くないからだ。もし、受験戦争で勝てば人生が長期的にハッピーになるというのであれば勝つ意味や目的がはっきり出てくるので、向き不向きで決めるのは合理的なのだが、「人生ハッピー=エリート」ではなく、「人生ハッピー=自分の興味や価値観に従って生きてゆけること」だ(と私は考えている)から、向き不向きの選択基準が良い選択基準・意思決定基準ではないと思う。悪いとは言わない。人は得意なことに興味を持つことが多いからだ。しかし、絶対にこれだけは言える。良くはない。
まあだからといって、高校の教育方針を変えてもっと興味の幅や深さを促進させるカリキュラムにするなどは無理だと思うので、個人的に学生側がしっかり考える必要があるというわけだ。

私は結果的に工学部に進むことになったが、大学では死ぬほどつまらないと感じて過ごした。(現在は大学院に進学しているが、大学院では専攻を変更した)

問題点②就職予備校化

正直、問題点①よりこちらの原因の方が要因として大きいと思う。問題点①では、高校生というまあほぼ子供の状態で将来のことを見据えつつ選択するなんて難易度が相当高いからだ。しかし、問題点②では、大学生にもなって色々思考できるようになったのにもかかわらず、個々人が解決できる問題ではない(学歴フィルター的な話は個々人が解決できない)。
さっきの話とも繋がるが、良い大学に行く理由が「就活で優位に立つため」とか「人より良い大学に行ったらそれが優秀さの証明になる」といったものなので、他人との比較地獄から大学に入学後も抜けることができなくなるのだ。
これってそりゃ幸せにはなれないし、人はマウンティングするモチベーションより、自分の価値観に従ってやりたいことをやるモチベーションの方が圧倒的に高いので、大学入学後の勉強に身が入らないのも当然である。
しかも、就活においてほとんどの場合、GPA(大学での成績)は関係ない。じゃあ、向き不向きを軸にして選んだ進路先で、なぜ良い点を取る必要があるのか。人生にいらない資格勉強をしている気分になる。だから、冒頭のような大学生は多いのだと思う。
まあ超シンプルにいうと、彼らにとって大学の勉強に目的がない。

じゃあ大学では何を学ぶの?なくなった目的はどうする?

結論から言うと、
「たくさんの経験を積み人間性を向上すること」
これが大学に通う意味・目的だと私は考える。何も勉強だけじゃない。新しい人との出会い・サークル活動・アルバイト・長期インターン・恋愛・ビジネス・趣味など多くの新しいことを試せる良い機会なのだ。
ここに来て超ありきたりなどこのサイトにも載っているような主張を書くなと思われただろうか。
しかし、本気で勉強をつまらないと思っていた反面、私は大学生活を通して人間関係や自分自身の性格、さらに興味のあること、恋愛などを見出すことができた。こんなに時間があって、やりたいことをやりまくれる環境はフリーターにでもならない限り存在しないと思う。

現在高校生までの方やお子さんを持つ方へ

こんな内容を書いておきながら、確かに就活においては高学歴の方が優位に働きました。しかし、サラリーマン・OLだけが世の中の働き方ではありません。
だからこそ、就活予備校と化している総合大学という選択肢にすぐに飛びつくのではなく、一旦どういうことに興味があるのか、それを親子で話しあったり自問自答するのが良いと思います。
ここですごく大事なことが具体的な職業名を出さないことです。将来は薬剤師・医師・エンジニアになりたいとか小説家になりたいとか、そういう具体名を出してしまうと実際の業務内容に興味があるのではなく、ただ単なる憧れという可能性が高いからです。



また、時間があればなにか書きます。読んでくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?