木質バイオマス発電の真実
どうも、Fridays For Future Japan 気候正義プロジェクトのBeckです。
近年、環境問題への関心の高まりにより、SDGsなどの言葉や地球のために動いているなどの広告などを良く目にするのではないでしょうか?
三菱商事やJICA、住友商事など多くの企業が自社のアピールのために環境問題への関心の高まりを利用しています。
その中、木の間伐材などを使用して発電する木質バイオマス発電が注目されました。
木質バイオマス発電が環境にいいことを決定的にアピールされ、木質バイオマス発電所は仙台市など様々な都市にできました。
しかし、木質バイオマス発電の全国的な広がりによって、もちろん日本国内だけの木材では全国的な需要をまかなうことは不可能です。
そこで、三菱商事など様々な企業は木質ペレットと呼ばれる木材をペレット状にしたものを海外から輸入し始めたのです。
木質ペレットの輸入先はほとんどがカナダとベトナムです。
木質ペレットの日本の輸入量は年々増加していて、2021年の木質ペレット輸入量は約321万トン、2020年と比べて約1.5倍増加しています。
このような日本での需要拡大によって、カナダでは木質ペレット生産のための原生林の森林伐採が続いております。
このような伐採は山火事の1つの原因にもなりゆる大きな原因です。
森林伐採がされているカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州では山火事が良く起きていて、それによる大気汚染も起きています。
伐採された地は、森林がある所とは違っていて、高温で乾燥しています。森林は湿っていて温度は低めです。
乾燥で高温の場所では火事が発生しやすくなっています。その周辺住民に汚染された空気が行き届くだけではなく、州全体に大きな問題をもたらします。
また、伐採地は植林されますが、何種類もの木々を植えるのではなく、1、2種類の木を広範囲に植えたことによって、病害虫が広がったケースもありました。
森林伐採による川への養分が減少によって、サーモンが減り、それらを食べている生物に影響が出るのと、サーモンの遺骸が減ることによって林地への養分が減るので森林の成長にも影響がでます。
そもそも、植林したからと言って、元に戻るわけではありません。
森林はバランスがとても大切なのです。
日本では、木質バイオマスだけで木質ペレットを使用しているのではなく、石炭火力発電に混焼しています。
FoE Japanの調べによれば、大手電力会社の石炭火力発電所のうち、約半数に当たる31基が2019年に混焼を実施しています。
木質ペレットは石炭よりも二酸化炭素を排出すると言われているので混焼は意味がありません。石炭火力発電も木質ペレットの森林伐採も止める必要があります。
また、木質ペレットをつくるために権利侵害が起きています。
カナダでは多くの先住民が住んでいて、その1つ1つの民族グループにはその民族の先祖代々守って来た土地が存在しています。
その土地の権利は先住民にあると言われていますが、木質ペレット生産の森林伐採によって、彼ら彼女らの大事な土地の森林も伐採されています。
先住民の森林を伐採する事は先住民の文化を破壊する事です。この行為を許してはいけないのです。
環境と人権を守るためには今すぐにでも木質ペレットの需要拡大を阻止しなければなりません。
森林は全てが繋がっています。古い木が新しい木を育て、動植物、菌類が一体となって成長します。
森林伐採をして、植林してもその森林がある程度周りの森林と馴染むのに何百年もかかります。
原生林の伐採は私達の未来を壊していることと同じなのです。
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