エッセイ#31『保存の法則』

 最近、ちょっとした不運に見舞われ続けている。
 卒論の参考文献を探しに、遠く離れた街の図書館へ行けば休館日。その帰りにマクドナルドへ寄れば長蛇の列。マイナンバーカートの申請をすれば、顔写真の余白が少なくてやり直し。デパートのトイレでコートを着たら、袖を抜けた手が壁に当たって怒っている人みたいになるし。舞台のチケットを取ろうと思えば、アクセスが集中しすぎてサイトを開けくことも出来ず。やっと繫がったと思えば、予定枚数終了の表示。イヤホンは壊れるし、手袋は友人の車に忘れる。

 どれも単体で起こればどうでも良いことなのに、まとめて起こるから何だか急に不幸になった気分だ。きっとこの後、とんでもない超絶特大スーパー幸運が訪れるに違いない。市から大量の図書カードが届いたりするかもしれない。何か良いことをしたわけではないが。

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