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日記・エッセイ

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日々の日記、または過去のエッセイ。
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2022年11月の記事一覧

#5『誤変換』

 東京芸術劇場。東京・池袋に存在する巨大な劇場である。  この施設の略称は「芸劇」だ。埼玉県にも神奈川県にも芸術劇場は存在するが、普通「芸劇」といえば東京芸術劇場のことを指す。    パソコンでもスマホでも「げいげき」と入力すると、高確率で「迎撃」に変換されてしまう。入力した側もまさかそんな誤変換が生じているとは考えもしないので、その文面のまま相手方にチャットを送ってしまうことが度々発生する。  例えば、友人と池袋で遊ぶ約束をしたとしよう。恐らく、前日にこのような連絡が交わさ

#4『苦手な食べ物』

 食べ物の好き嫌いがほとんどない。  強いて挙げるなら、炭酸飲料が飲めないくらいでだいたいの食べ物は避けることなく食べられる。  そんな私が、食べるのを躊躇してしまう種類の食べ物が最近発覚した。それは、屋台または専門店でのみ販売されている、若い女性をターゲットもしているであろう飲食物だ。  タピオカミルクティーなんかはわかりやすい例であろう。私が高校生の時に、丁度ブームが到来してしまったがために、街にはタピオカミルクティーの専門店が乱立していた。自宅から遠く離れた田舎の高校に

#3『牛丼の待ち時間』

 牛丼のテイクアウトをすると、店舗によっては待ち時間にお茶を出してくれるところがある。  先日、牛丼を待つ合間に「お茶どうぞ〜」と差し出されたコップには、冬だからだろうか熱いお茶が並々と注がれていた。恐らくは、90℃近い熱さである。到底牛丼の完成を待つ間に飲み干せる温度ではない。  あれ、牛丼って30分くらい待つんだっけ?いや、お昼時でない限り10分も待ったことはない。キン肉マンだって「牛丼は早いよ。」みたいなことを言っていたはずだ。世代じゃないからわかんないけど。  残す

#2『俳優(敬称略)』

 私の母親はよく俳優の名前を役名で呼ぶ。  例を挙げると、滝藤賢一を「ワンさん」、松重豊を「五郎さん」、伊藤健太郎を「若君」と呼んでいる。それぞれ、『踊る大捜査線』『孤独のグルメ』『アシガール』での役名である。  母親が役名で呼ぶ人とそうではない人には、いったいどんな違いがあるのだろうかと考えたことがあるが、未だに結論は出ていない。上野樹里を「のだめ」と呼んでも、阿部寛を「ルシウス」と読んでも良いはずなのに、なぜかそう呼ぶことはない。母親なりの拘りがあるのだろうか。  役

#1『遅刻』

 なぜ、こんな時間になってしまったんだろう。6時前に起きたはずが、いつの間にか1時間近くも経ってしまっていた。  予定していた時刻に目覚めても、瞬きをしている間に長い時間が経過してしまっていることが、半年に1回くらいのペースである。あの瞬間、私の体にはいったい何が起きているのだろう。  少しでも早く家を出るために、必要最低限の身支度を普段の1.1倍くらいで速さで済ますと、なんと6時20分には家を出られる状態になっていた。自分の素早さに感心すると共に、これまでの毎日に無駄な時