#3『牛丼の待ち時間』

 牛丼のテイクアウトをすると、店舗によっては待ち時間にお茶を出してくれるところがある。

 先日、牛丼を待つ合間に「お茶どうぞ〜」と差し出されたコップには、冬だからだろうか熱いお茶が並々と注がれていた。恐らくは、90℃近い熱さである。到底牛丼の完成を待つ間に飲み干せる温度ではない。
 あれ、牛丼って30分くらい待つんだっけ?いや、お昼時でない限り10分も待ったことはない。キン肉マンだって「牛丼は早いよ。」みたいなことを言っていたはずだ。世代じゃないからわかんないけど。
 残すのも申し訳ないので、牛丼が到着するまでにできるだけ早く飲もうと試みるも、一口飲んで断念。とてもじゃないが、ゴクゴクといけた代物ではない。

 結局、1/3も飲んでいないうちに牛丼の用意ができてしまった。私は心の中で「ごめんなさい。」と呟き、お茶をカウンターに置いて退店した。紙コップなら持ち帰れるが、店のコップだとそうもいかない。もしかすると完飲するまで店内に居座っても良いのかもしれないが、それも何だか申し訳がない。
 私はいつになったら、このお茶の正解に気付けるのだろうか。

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