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東大卒医師、理三以外の方が多い説

「東大卒医師」というと、普通は東大理三の天才を思い浮かべるかもしれない。しかし、以外にそうでもないらしい。結構な数、東大を卒業してから医学部に入り直す人がいるからだ。東大を出たからと言っていい仕事に就けるとは限らないし、新卒カードを逃せば三流大学卒と変わらなくなってしまうわけだから、遠回りしても医学部に行ったほうが賢明と判断するのだろう。

 ところで、東大卒医師のうち、理三出身と理三以外の出身者はどちらが多いのだろうか。これは結構考えてみると興味深い。いい勝負だからだ。

 まず、理科二類から進振りで医学部に行く人が10人存在する。これに加えて全科類の枠で3人が進学する。合計で13人である。これに医学部保健学科の首席も医学部に編入できるらしい。合わせて14人だ。これがある意味で東大医学部にとっての学士編入に相当するのだろう。まず理二に合格しないといけない。ハードルが高すぎる。

 次に再受験や医学部編入の人がいる。この人数を計算するのは難しい。「東大卒医師」という定義なので、仮面浪人や中退は含まない。こうなると、総数はどの程度になるか。理科二類の知人に聞いたところ、だいたいクラスに1人か2人は再受験・学士編入で医学部に行った人間が存在するらしい。理科一類も似たようなものだろう。となると、だいたい東大理系1700人のうち、医学部に入る人間は50人〜100人に上る。これに少数だが文系からの再受験生が入ってくる。

 一方医学部の知人に聞いてみると、どの大学にもだいたい1人は東大出身者がいるらしい。全国に医学部は80校ほどあるから、単純計算で80人となる。

 これらを合わせると、「東大卒医師」は以外にも理三と理三以外で拮抗している可能性が高い。学年によっても異なるが、大きくは変わらないだろう。

 その理由は明らかだ。医学部は難関だが、日本の一般大学で唯一医学部の難易度を大きく超えているのが東大だ。したがって、東大卒は再受験に成功する可能性が高い。また、東大卒の人間は相場感としてやはりある程度の世間体がある仕事に就きたいと思うことが多い。

 韓国ではソウル大生の一割が医学部再受験のために休学しているという。凄まじい医学部志向である。超難関大学に出ても見合った仕事に就ける可能性が低いとなれば、医学部に進学するのも無理はないだろう。日本も今後、そうなっていく可能性は否定できない。

 

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